カノア・オーディオから、MM/MCカートリッジに対応した全真空管プリアンプ「ASTERION V2 Tube Phono Preamplifier」(¥1,760,000、税込)が発表された。8月1日の発売を予定している。

画像: カノア・オーディオが、MM/MCカートリッジ対応の真空管プリアンプ「ASTERION V2」を発売。トゥルー・ディファレンシャル回路を採用したXLRバランス入出力も搭載

 カノア・オーディオは、1995年にスロバキア共和国東部のプレショフで設立されたブランドだ。日本では2023年1月にフォノアンプの「PH1.10」「PH2.10」が発売され、この価格帯のフォノアンプとしては異例のヒットとなった。

 今回登場したASTERION V2は、PH1.10と設計思想は共通としながらも、全方位にアップグレードされた上位モデルとなる。まず回路を見直して最新の設計に刷新。天板はアルミ製に変更されており、音質への貢献だけでなく高級感の向上にもつながったという。またPH1.10にはなかったXLR入力も装備している。

画像: フォノ入力はMC用にXLRバランスとRCAアンバランス入力を、MM用はRCA入力を備える。出力はXLRバランスとRCAアンバランスとなる

フォノ入力はMC用にXLRバランスとRCAアンバランス入力を、MM用はRCA入力を備える。出力はXLRバランスとRCAアンバランスとなる

 真空管は合計9本搭載され、そのひとつは6CA4EHでアノード電圧の整流に使用、残りの8本は6922EH双三極管となっている。MM信号の増幅、RIAAカーブの補正は純粋なパッシブ回路で行われ、最後に真空管ではきわめて低インピーダンスなバランス出力段を形成するために、チャンネルあたり4つ、合計8つの三極管を使用する仕組みという。使用される真空管はカノアが誇るBT-2でエージングを行い、Aladdinシステムを用いて測定・選別されたものだけが採用・マッチングされている。

 さらにASTERION V2は、両チャンネルの信号経路を厳密に分離。電源電圧を個別にフィルタリングしている。電圧安定化は左右チャンネルで別々に行われるため、チャンネルセパレーションの向上、ノイズと干渉が最小限に抑えられ、よりクリーンで正確なサウンドを実現するそうだ。

 MMとMC間はまったく干渉しないため、カートリッジによる違いを存分に楽しむ事もできる。カートリッジの特性に合わせて、ゲイン、負荷容量と静電容量の設定がフロントパネルから簡単に調整できるにも特徴だ。MC入力ではMC1(70dB)とMC2(76dB)の設定が用意され、それぞれ設定できる入力インピーダンスは異なるが、重なっている値(10-300Ω)では出力の違いと共にサウンドの違いを好みで選ぶ事もできる。

画像: ASTERION V2の内部構造。写真右側にみえるのが8本の真空管で、青色のアルミニウム製シールド・シリンダーを取り付けて振動や電磁干渉から保護している

ASTERION V2の内部構造。写真右側にみえるのが8本の真空管で、青色のアルミニウム製シールド・シリンダーを取り付けて振動や電磁干渉から保護している

「ASTERIONV2 Tube Phono Preamplifier」の主な特徴
●MM/MC両フォノ・カートリッジに対応した全真空管プリアンプ
●トゥルー・ディファレンシャル回路を採用したXLRバランス入出力
●MM/MCは干渉せず同時接続が可能
●フロントパネルのノブとボタンにより、MM/MCの選択や各セットアップが素早く可能
●グローバル・フィードバックがない回路設計
●PCB基板にはカノア・オリジナルCMTテクノロジーを採用
●自社開発システムを用いた200時間のエージングと徹底的な測定選別による真空管のマッチング
●真空含浸(vacuum-impregnated )トランス・コア/特殊な防振材を使用したトランス
●信号経路には高品質なポリプロピレン・コンデンサーのみを採用
●あらゆるカートリッジに対応する高い抵抗値、容量設定
●MCフォノ・カートリッジ用に高品質なルンダール(Lundahl)社製トランスを採用

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