2006年頃、夢の中で眉がつながった奇妙な風貌の男と出会ったという女性患者がニューヨークの精神科で多発した。彼女らの証言を元にモンタージュ写真を作成し、ネット上に公開したところ、世界各国で夢の中で同じ男を見たという証言が多発。謎の男は「This Man」と呼ばれ、恐れられた。
世界で最も不可解で不気味な都市伝説を日本で初映画化した『THIS MAN』が2024年6月7日(金)より新宿ピカデリーほかで公開中だ。
世界的に有名なネットミームに日本独自の解釈を加え、なすすべなく人々が死んでいく描写を通して、昨今のコロナ禍の惨状を風刺した全く新しいスリラー映画として誕生! W主演を務めるのは、グラビアで活躍しながらも、NHK連続テレビ小説『べっぴんさん』(10/NHK)など女優としても活躍する出口亜梨沙と、『仮面ライダーW』(10/テレビ朝日)で人気を博し、その後もドラマ、映画、舞台で幅広く活躍する木ノ本嶺浩。他にも鈴木美羽、小原徳子、校條拳太朗など話題の俳優陣、各界で活躍する茜屋日海夏、般若、アキラ100%、中山功太。さらに、実力派の津田寛治、渡辺哲が脇を固める。監督・脚本には医学系研究分野出身という経歴を持ちながら、『わたしの魔境』(2023年)で、世界11カ国の国際映画祭を受賞した、天野友二朗。
ある田舎町で、連続変死事件が多発していた。被害者の共通点は、生前、眉のつながった奇妙な風貌の男を夢の中で見ていたこと。夢の中に出てきた男は「あの男」と呼ばれ、人々を恐怖に陥れていた。そんな中、夫と娘とともに、幸せに暮らしていた八坂 華の身近にも危険が迫る。やがて華は究極の選択を突きつけられ……。果たして華が取った行動とは? 史上最悪の結末が、今幕を開ける。
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世界で最も不可解で不気味な都市伝説を日本で映画化した『THIS MAN』が6月7日(金)についに公開された。翌8日(土)には公開記念舞台挨拶がピカデリーで行なわれ、出口亜梨沙、木ノ本嶺浩、鈴木美羽、小原徳子、校條拳太朗、天野友二朗監督が登壇。上映を楽しみにしている多くの観客を前に撮影秘話などのトークで盛り上げた。
木ノ本は「監督と初めてお会いしたのが去年の2月。そこから撮影に向けて体を鍛えたり、いろいろな準備をしていきました。そんな作品がいよいよ公開されて、離れていってしまう寂しさもありつつ、どんな反応があるかなという気持ちもあります」とついに迎えた映画公開への思いを話す。
一方、出口も「ドキドキします。完成披露舞台挨拶した時に、客席を観て出来上がったんだと実感して感動しました。今日も同じ景色が見られてすごく幸せだなと思います」と笑顔で語った。
それぞれが演じた役柄について聞かれると、八坂華役の出口は「(木ノ本が演じた義男と)夫婦で、お母さんですが、ふわふわした少女っぽいイメージがありました。まだ子どもらしさが残る感じのお母さん役というのは、あまり見ないタイプかなと思いました」とコメント。
華の夫・義男役の木ノ本は「子どもも奥さんも大好きという役ですが、そうした役を演じることがあまりなかったのでとても新鮮でした。出口さんがすごく明るくて話しやすい方なので、撮影前に監督と出口さんと(台本の)読み合わせをして、こんな夫婦像を作れたらいいよねというのを話し合いができたので、家族を大事にする夫という役を作れました」と振り返った。
さらに、華の妹・小田玲を演じた鈴木は「華はふわふわしているけど、玲はサバサバしていて、玲の方がお姉さんっぽく見える感じでした。成績優秀で、中高の学校教育に不満を持っている女の子なんですが、それは監督が実際に学生時代に思っていたことをセリフにされたということを聞きました。ぜひ、そちらも注目して観ていただきたいなと思います」と笑顔を見せ、華の友人の愛実役の小原は「重度の潔癖症で、強迫性障害を持つ役で、消毒しないといられないし、自分の決めた回数分やらないといられないという、病いを持っています。ゴム手袋をしないと外に出られないし、していないと食事もできないのですが、それでも仲良くしてくれる華たちはすごいなと今、思います」と思いを巡らせた。
そして、刑事の天辻新役の校條は「津田寛治さん演じる井沢刑事の部下でバディを組んで、今回の怪事件の真相に向かっていく役です。津田さんはカリスマで実績がある刑事ですが、僕は若さを生かして軽いフットワークを駆使して謎に迫っていく刑事です。義男とも、とあるシーンでは濃い絡みをしています」と自身の役柄を説明した。
都市伝説を描いたスリラー作品でありながら、“怖さ”を追求するだけでなく、様々な要素の入った映画に仕上がっている本作。ネタバレも多く、見どころを語るのが難しいことから、それぞれこの作品のキーワードを挙げることに。まず、出口は「私は人間ドラマに注目して観て欲しいです」と返答。木ノ本は「僕は家族ですね。家族のことをずっと考えていました。愛しがいがある、素敵な家族なので、その家族があって、そこに何が起きるのかを観てもらいたいです」と語った。
さらに鈴木は「食事シーン」を挙げ、「トラウマを植え付けられるシーンができたのかなと思います」と自信をのぞかせる。小原は「血液です。天野監督がそれぞれの人間のどの部位からどんな感じで血液を出すのかなって思いながら撮影していました。(監督は)サイコパスな遊び心があるなと。なので、ぜひそこは注目してもらえると」と明かした。
そして、校條が「“他人事”ですね。この作品もそうですが、皆さんも意外と自分の身にいざ大きなことが起こると、呆気にとられてしまうと思います。自分の身近な人にそれが起きても他人事でいられるというのが描かれている。そこに人間の怖さが散りばめられているのを感じました」と言及すると、天野監督は「校條さんが一番伝えたかったことを言ってくれた」と同意しつつ「僕は“音”を挙げます。この映画は“聴く”タイプの映画かなと思うので、映画館で観るとより音の動きが感じられると思います」とアピールした。
舞台挨拶の最後に、改めて出口は「皆さんのおかげで無事、公開できました。皆さんがSNSでつぶやいていただいて反響を呼んでいただけたら、長く映画館で上映できますのでよろしくお願いします」と観客に呼びかけ、木ノ本も「監督が熱を込め、企画を立ち上げて、映画を作ってそれが上映されるのは奇跡に近いくらい素晴らしいことだと感じています。そこに主演として参加できたことに、皆さまとの出会いに感謝しています。お客さまがいらっしゃってこそ映画だと思うので、ぜひ感想などをSNSなどでつぶやいていただけたら嬉しいなと思います」と語って締めくくった。
映画『THIS MAN』
2024年6月7日(金)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー
<出演>
出口亜梨沙 木ノ本嶺浩 鈴木美羽 小原徳子 茜屋日海夏 校條拳太朗 般若 アキラ100% 中山功太 津田寛治 渡辺哲
監督・脚本・編集:天野友二朗
配給:アルバトロス・フィルム
企画・製作:Union
(C)Union Inc.