NHKは現在、各地の現場で考案されたアイデアを形にした技術展示会「NHK Tech EXPO 2024」を、渋谷のNHK放送センターの入口(西口)にて開催中だ。今年は「Techを体験・体感!」「よりよいコンテンツを!よりよい制作環境で!」「必要な情報を確実にお届け!」をテーマに、22の技術・機器・取り組みを5月29日まで展示している(入場無料)。ここでは、ステレオサウンドONLINE編集部が気になった展示を紹介したい(後編:ブース10以降)

▼関連記事(前編はこちら)

10 大迫力!H3ロケット打ち上げ映像

画像1: 10 大迫力!H3ロケット打ち上げ映像
画像2: 10 大迫力!H3ロケット打ち上げ映像

 展示としては昨年と同じで、4台の6Kカメラを組み合わせて、縦長の12K映像とし、縦長のロケットの打ち上げの模様を、近場から撮影(収録)するというもの。今年2月に打ち上げられたロケットの映像を上映していた。また、同時にその模様を360度カメラでも撮影しており、隣のブースではVRコンテンツとして体験できる展示も行なわれていた(この映像は、webで公開されている)。

画像: ▲VRグラスを使って打ち上げ映像を体験できる。音声はバイノーラルになっているそうだが、効果はもう一歩

▲VRグラスを使って打ち上げ映像を体験できる。音声はバイノーラルになっているそうだが、効果はもう一歩

10 火星衛星探査計画(MMX)搭載のSHVカメラ

画像: ▲火星探査衛星に搭載予定のカメラ(の外装)

▲火星探査衛星に搭載予定のカメラ(の外装)

 同じブースの右半分には、火星探査に使う4K・8Kカメラが展示されていた。カメラは探査機に2カ所(2方向)に取り付けられるそうで、金属剥き出しのほうが4K(こちらは探査機内部に設置)、金色に見えるのが8Kカメラとなる。こちらは探査機の表面(剥き出し)に設置されることから、耐熱のためのフィルムが貼り付けられている。4Kカメラは探索機の側面を、8Kカメラは進行方向正面に向いている。撮影された映像は、JPEG画像(静止画)として、パラパラ漫画のような感覚で、およそ10秒間隔で地球(日本)送信されてくるそうだ。なお、探査機は2026年に打ち上げられ、2027年度に火星に到着予定という。

画像: ▲火星カメラブースのさらに右側には、探査機の大きさを体感できるARコンテンツも展示。会場にタブレットを向けると、実寸大に計算された探査機が、会場にいる人の近くに現れる。近づくと結構大きく感じる

▲火星カメラブースのさらに右側には、探査機の大きさを体感できるARコンテンツも展示。会場にタブレットを向けると、実寸大に計算された探査機が、会場にいる人の近くに現れる。近づくと結構大きく感じる

11 植物タイムラプスシステム

画像: ▲鉢植え、あるは立てかけられている花が撮影対象。上から吊り下げられているのが育成ライト。奥のディスプレイは、背景用(笑)。画面左下のディスプレイが、撮影されている映像となる

▲鉢植え、あるは立てかけられている花が撮影対象。上から吊り下げられているのが育成ライト。奥のディスプレイは、背景用(笑)。画面左下のディスプレイが、撮影されている映像となる

 テックの会場の一角をピンク(紫)に染める一見して不思議な展示。内容はタイトルの通りで、植物の成長の様子をタイムラプス(微速度撮影)するためのシステム。屋外だと光量が一定しないこともあり、室内でライトを使用(光量が一定する)しての撮影となるが、すると植物がライトに向かって成長してしまうため、ライトは撮影時のみ点灯するようにし、ライト消灯時は、植物の成長を促すライト=育成ライトを当てる、というシステムとなる。育成には赤と青色が重要だそうで、組み合わせると紫(見た目ピンク)になる、という塩梅だ。すでにオンエア番組での使用実績があるそう。

画像: ▲育成ライトのライト(LED)面。単板式カメラで撮ったので色の再現が難しいが、赤と青のLEDが実装されている

▲育成ライトのライト(LED)面。単板式カメラで撮ったので色の再現が難しいが、赤と青のLEDが実装されている

16 のど自慢 カメラカット割り検討用編集アプリ

画像: 16 のど自慢 カメラカット割り検討用編集アプリ

 のど自慢の予選には200組の出場があるそうで、その予選での各出場者のステージでの動きを見て(撮って)おいて、その後本選に出場する20組のカメラカット割を、劇的に軽減してくれるシステム。自動的に出場者ごとの動画ファイルを生成してくれるそうで、ファイル管理も簡便になっている。本選出場者が決まったあとに、各カメラに付くカメラマンは、予選での映像を手軽に見返すことができるので(1人1分なので、20分ほど)、本番でのカメラワーク(カット割)の予習ができるそう。出場者が、予選と違う動きをすると「とても困る」そうだ(笑)。今後、東北で行なわれるのど自慢大会で、本格運用の予定という。

18 天気マークスーパー装置を活用した熱中症警戒アラートの送出

画像1: 18 天気マークスーパー装置を活用した熱中症警戒アラートの送出
画像2: 18 天気マークスーパー装置を活用した熱中症警戒アラートの送出

 読んで字のごとくのシステム。今年4月より国の熱中症特別警戒アラートの運用が始まったことに合わせてのシステム変更。従来は、画面を縮小し、L字型に警戒情報を表示していたそうだが、これだと画面が小さくなってしまうし、入力が人力で大変だったこともあり、このシステムでは一部字幕スーパーは人力の部分が残っているそうだが、ある程度自動化ができており、さらに表示部分も、画面左上(時間表示のさらに上)に出すことで、画面が縮小しない、というメリットもある。既存のシステムへの導入(変更)のため追加コストがかからない、自動化による制作費の削減、というメリットもあるそう。

画像: ▲出口には、大河ドラマキャストとの撮影が楽しめる展示もあり

▲出口には、大河ドラマキャストとの撮影が楽しめる展示もあり

This article is a sponsored article by
''.