映画製作プロジェクト「感動シネマアワード」(主催:レプロエンタテインメント)にてグランプリを受賞した映画『夢の中』が、2024年5月10日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国順次公開を迎えた。

 全国公開二日目の5月11日(土)に、キャスト・監督による公開記念舞台挨拶が開催され、山﨑果倫、櫻井圭佑、山谷花純、都楳勝監督が登壇した。
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 中学生の性の違和感と自己理解の揺らぎを描いた『蝸牛』でMOOSIC LAB 2019短編部門グランプリほか四冠を達成した新鋭・都楳勝監督最新作。想像をかき立てる幻想的な映像と構成、キャストの真に迫るかけ合いから、この世界と、人と向き合うことの一つの意味を浮かびあがらせる。

画像: 映画『夢の中』が待望の公開。公開記念舞台挨拶に「山﨑果倫」「櫻井圭佑」「山谷花純」「都楳勝監督」らが登壇

 主演は、2015年の活動開始から真摯に演技を重ね、「隣の男はよく食べる」(23/テレビ東京)、『輝け星くず』(主演・24公開予定)ほか近年出演作が続き評価を高める山﨑果倫。共演は、連続テレビ小説「ちむどんどん」(22/NHK)などドラマ・映画を中心に出演、監督作『君に幸あれよ』(23)ほか映像作家としても注目を集める櫻井圭佑。そして、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(22/NHK)や、連続テレビ小説「らんまん」(23/NHK)など近年活躍の場を広げる山谷花純、大河ドラマ「光る君へ」(24/NHK)など話題作に出演している玉置玲央たちが集結した。

 「俺のこと、ここで匿ってくれない?」血まみれで息を切らす男・ショウに声をかけられたタエコ。生気がなく虚ろな瞳の彼女は、部屋に入る彼に「私の最期、綺麗に撮ってください」とお願いする――。何から逃れてきたのか。その願いは本当に望んでいるものなのか。二人は時間を共有するうちに、夢とも現実ともつかない、お互いの感情と記憶が交ざり合う奇異な世界に引き込まれていく。タエコが、ショウが、目を背けてきたものを前に、表情を変えていく。何が本当で嘘なのか、当たり前と思っていたあの安らぎも、この苦しみも。
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 レプロエンタテインメント主催の「感動シネマアワード」で、ふくだももこ監督(『炎上する君』)、井樫彩監督(『あの娘は知らない』)、木村聡志監督(『階段の先には踊り場がある』)たちと共にグランプリを受賞した本作。長編初主演を務めた山﨑は「企画からコロナ禍での撮影延期を経て、四年越しとなる劇場公開を迎えました」と満員の観客に向かって笑顔を見せた。監督の都楳は「人との距離感が変わってきている今だからこそ、より見てほしい作品になりました」と、現実と夢が溶け合う異色の青春幻想譚に込めた想いを振り返った。

 櫻井は「回想、現実、幻想が交ざり合う脚本を初めて読んだときに驚いた」と当時を語り、山谷は「時間軸や解釈が観るたびに変わる。ちょうど最近見たクリストファー・ノーラン監督作品のような世界観を、都楳監督は持っています」と魅力をアピールした。

 山﨑は何かを諦めて無気力に生きるタエコ役について「都楳監督はときに逃げることも肯定してくれるし、人と人のつながりの真実も教えてくれる」と演技を通して自身も勇気づけられたと振り返った。カメラマン役を演じた櫻井は自身もカメラマンとして活動し、ロケ時に撮影した写真が本編で使用されている。「身近に感じることも多くあり、眠れない夜や何かに追われる感覚の中で必死に生きようともがく気持ちが画面に映っている」と櫻井は語り、山谷は特殊な構造の物語の鍵を握るアヤ役を演じて「当時ぶつかっていた壁があって、彼女の姿を借りてひとつ開放させてもらえた現場でした」と振り返った。

 都楳は自身の創作の芯について「たとえ理解できないことがあったとしても、それを受け入れようとすることが大切であり、その積み重ねが自分の中の新しい見え方を生む。その先に、争いのない人と人のつながりが芽生えて、優しい世界が生まれるのではないか。そうした作品を今後もつくっていきたいと思います」と観客席に向けて語った。

映画「夢の中」

2024年5月10日(金)よりアップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

アップリンク吉祥寺では上映後トークショーを実施中。大江崇允(映画監督)、小日向ひなた(東京OX問題)、高橋広吏(俳優)、まつむらしんご(映画監督)ほかゲストが登壇予定

<キャスト>
山﨑果倫 櫻井圭佑 アベラヒデノブ 金海用龍 森崎みのり 玉置玲央 山谷花純

<スタッフ>
脚本・監督:都楳勝 音楽:若狭真司 撮影:上野陸生 照明:佐藤仁 録音:五十嵐猛吏 美術監督:相馬直樹 衣装:中島エリカ ヘアメイク:藤原玲子 装飾:桑田真志 水中撮影:河瀬経樹 特機:後藤泰親 編集:岸川雄大 助監督:國領正行 制作担当:三谷奏 VFXスーパーバイザー:大見康裕 タイトル:田中佑佳 スチール:持田薫、北圃莉奈子、福田啓道 企画・プロデュース:菊地陽介 宣伝デザイン:鴨川枝理 企画・製作・制作プロダクション・配給:レプロエンタテインメント 配給協力:インターフィルム
(C)「夢の中」製作委員会

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