ゼンハイザージャパンは、業務用の開放型モニターヘッドホンの新作「HD 490 PRO」、および「HD 490 PRO Plus」を3月21日に発売する。価格はオープンで、想定市場価格は、HD 490 PROが¥66,000(税込)、HD 490 PRO Plusは¥77,000(税込)となる。
HD 490 PROは、ゼンハイザーの業務用ヘッドホンのフラッグシップとなる製品で、スタジオエンジニアのニーズに応えて、装着感やサウンドの再現性をより高めたモデルとなる。開発にあたっては、世界中のユーザー(スタジオエンジニアなど)にインタビューを行ない、快適さ、汎用性(ミックス、制作両方に使える)、耐久性の3点に特に留意して設計を行なったそうだ。同時に、取り扱う音源の変化=デジタル化に合わせて、広いサウンドステージや、歪みや共振を抑制した高精度のサウンドを再現できるように、各パーツの搭載方法など、細部にわたってチューニングを施しているのも特徴となる。
搭載するトランスデューサー(ドライバー)は38㎜径のダイナミック型で、これは他モデルで搭載されているものと同等というが、装着時の耳に(ドライバーが)正対する角度になるように綿密に計算してハウジング内に収められているという。また、イヤーカップの外面には、ゼンハイザーのアイコンとも言えるメッシュカバーが装着されているが、外に膨らむ形状ではなく、すり鉢のように耳側に向かって凹むようになっており、これも明瞭なサウンドを再現するための工夫になるということだ。
さらに、ヘッドバンド部分にも工夫が施されていて、装着時に、イヤーパッドが均等な圧力で(側面に)フィットするように、形状や材質を選択しているそうだ。ちなみに、ヘッドバンド内側にあるパッドについても、形状や装着性を高める材質・形状を選択しているという。
今回イヤーパッドは2種類が同梱されていて、「ミキシング用」「制作用」という名称が与えられている。ミキシング用はファブリック素材で作られており、フラットでニュートラルな音調に(なるように)仕上げられていて、細部の調整の確認に向いた仕様になっている。一方の制作用はベロア素材で、こちらは肌触り(耳触り?)もよく、低音は少し強めに出るようになっていて、温かみのあるサウンドを再現するよう計算されている。こちらはサウンドステージが少し狭くなるようだ。簡単に脱着でき、パッドは洗濯(洗浄)が可能。リスニング用に使うには、付属する両パッドの中間の音調を再現するパッドがあると便利と感じた。
また、イヤーカップ内、耳に当てる面には、大きく「L」「R」と表示されていて、装着時の向きの確認も素早くできるようになっている。また、スタジオでは照明が暗い場合もあり、その際は、指先で左右の確認ができる点字(左側に)も刻まれている。
ケーブルは脱着式で、コネクターはミニXLRの1本出しの仕様。面白いのは、左右のイヤーカップどちらにもコネクター(ジャック)が装備されていて、どちらにもケーブルが接続できるところ。プラグは3.5㎜ステレオミニで、6.3㎜の標準ジャックに変換するアダプターが付属する。
なお、イマーシブオーディオ制作ツール(ソフト)として、DAWにプラグインできる、Dear Realityの「dearVR MIX SE」が付属する。
ちなみにPlusについては、専用の収納ケース、3mの長尺ケーブル、追加のヘッドバンド用パッドが追加されている。
HD 490 PROの主な仕様
型式:開放型スタジオモニターヘッドホン
トランスデューサー:38mmダイナミック型ドライバー
インピーダンス:130Ω(1kHz)
周波数特性:5Hz~36kHz, 100Hz (-10dB)
許容入力:300mW
音圧感度:105dB SPL(1kHz/1Vrms);96dB SPL(1kHz/1mW)
歪率:<0.2%未満(1kHz、100dB SPL)
コネクター:ミニXLR
プラグ:3.5mm / 6.3mm(変換アダプター付属)
質量:260g(ケーブルを含まない)
付属品:【HD 490 PRO】1.8mケーブル、6.3㎜変換アダプター、ミキシング/制作用イヤーパッド:/【HD 490 PRO Plusはさらに以下の製品が付属する】3mケーブル、ヘッドバンド用追加パッド、ケース