ノアから、ソナス・ファベールのスピーカーシステムの新製品「Lumina V Amator」「 Lumina II Amator」が3月5日に発売される。価格はLumina V Amatorが¥638,000(ペア、税込)、Lumina II Amatorは¥272,800(ペア、税込)。

画像: 「Lumina V Amator」

「Lumina V Amator」

画像: 「Lumina II Amator」

「Lumina II Amator」

 今回発表の2製品は、現行「Lumina(ルミナ)」コレクションに追加される、フロアスタンド型と、ブックシェルフ型モデル。ルミナの設計コンセプトを活かしながら、昨年発売した「Homage(オマージュ)」コレクションに搭載された最新技術を踏襲して採用することで、デザイン性とサウンドクオリティを高めているのが特徴となる。ちなみに、現行の「LuminaI」「LuminaIII」「Lumina C」とは併売となるそうだ。

 さて、Lumina V Amator、およびLumina II Amatorは、2021年に登場した、従来モデルに対してキャビネットサイズとユニットを大きくした「Lumina II」「LuminaⅤ」(いずれも日本未導入モデル)、その2モデルに対して、上で説明したように、Homage Collection搭載の最新技術を踏襲した特別モデルとなる。キャビネットやユニット、ネットワークに至るまで、さらなるリファインが施されているそうで、まさにスペシャル・エディションと言える仕上がり(既発のルミナ・コレクションは併売)。

 キャビネット・デザインにも特別なモデルに相応しい美しい仕上げが新たに施されており、上位モデルの「Amati G5」や「Stradivari G2 Anniversary」に初採用された、木目を45°の角度に合わせながらグロス塗装を施した美しい仕上げを、本機のフロントバッフルに適用。仕上げのラインナップは、「Wenge(ウェンゲ/グロス・フィニッシュ)」、「Walnut(ウォルナット/グロス・フィニッシュ)」以外に、同社の伝統的でアイコニックな「Red(レッド/グロス・フィニッシュ)」も揃えた、計3種類となる。

画像: 3色展開

3色展開

 さて、シリーズを通した全モデルで、ボトム・バスレフ構造を採用しており、これによってサイズを超えたスケール感を再現しているが、Lumina Ⅴ Amatorでは、底面に配置されたポートがドライバー・ユニットの背圧を適切に制御することで、豊かな低域を360度方向に拡散させることが可能に。また、Lumina II Amatorでは底面への排圧を前方に向けて放射することで、ダイナミックなサウンドを可能にした、としている。

 クロスオーバー・ネットワークについては、Lumina II Amatorでは、「Stradivari G2 Anniversary」や「Amati G5」に採用の新回路「Interactive Fusion Filtering(インタラクティブ・フュージョン・フィルタリング)」を、Lumina Ⅴ Amatorの中高域には、「Paracross Topology」(アイーダII採用)と「Interactive Fusion Filtering」を組み合わせた「Hybrid IFF -Paracross Topology」を搭載している。

 そのInteractive Fusion Filteringは、高周波干渉を抑え、トランジェント特性を改善できるもので、その結果、各ユニットのポテンシャルを存分に発揮させることが可能になるという。一方のHybrid IFF -Paracross Topologyは、ミッド・レンジとトゥイーターのドライバーの逆起電力を減少させることで、信号に対する応答がスムーズになり、ユニット間の音の繋がりを、よりシームレスにできる、としている。

 搭載するパーツも厳選されているそうで、各ドライバー間の繋がりを極めてシームレスにしつつ、豊かなダイナミックレンジを併せ持った駆動に貢献し、優美な音楽性とホログラフィック(三次元的)なサウンドステージを提供する、と謳っている。

 内部構造も新しくなり、Lumina V Amatorでは、新しい設計ソリューションにより導き出された独自の内部チェンバー構造を搭載。同社スピーカーの象徴的なリュート形状は、内部に平行面を作らないことで、内部定在波の発生を抑制することができるという、スピーカーのキャビネット・デザインにおける理想形の一つとなっているが、Lumina V Amatorでは、中高域の内部チェンバーをリュートに模した密閉型にすることで、剛性の向上と、ミッド・レンジとトゥイーターがウーファーの背圧による影響を受けないことから、ユニット本来の性能を十二分に発揮出来るようになっているそうだ。

 また、チェンバー内の定在波を抑制することで、特に人の声や弦楽器などの中高域となる周波数帯において、より自然で繋がりの良い艶やかなサウンドの再生を可能にしているという。これは、同社の伝統と共に培われた技術を応用した新たなアプローチであり、ルミナのトップモデルとなるLumina Ⅴ Amatorのポテンシャルを最大限に引き出す、独創的な設計となっているそうだ。

 搭載するパーツ群は、それぞれ専用設計が施されており、2モデル共通のトゥイーターでは、ソナス・ファベール独自のアローポイントDAD(DAD=DampedApexDome)テクノロジーを採用した、29mm径ソフトシルクドームを搭載。この技術は、ソフトドームの頂点をダンピングさせることでヴォイスコイルの逆相挙動を抑制し、音場の広がり、音の透明度や伸びやかさを際立たせるように働くという。

 Lumina II Amator搭載のミッド・ウーファーは、150mm径で、高剛性なカスタムメイドのバスケットを使用。さらに、ナチュラルな中低域を再現するためにセルロースパルプ、その他天然繊維を自然乾燥させた素材をベースにした高品位ダイアフラムを使用している。

 Lumina V Amatorのミッド・レンジは、150mm径ペーパーコーン仕様で、ミッド・ウーファーと同様に、セルロースパルプなどの天然繊維を自然乾燥させた素材をベースにした独自のダイアフラムを採用。さらに、センターキャップにはアルミニウム製の同軸フェーズプラグを搭載することで、ドライバー・ユニットのインパルス応答を改善しながら、相互変調歪を低減している。

 そのLumina V Amatorのウーファーは165mm径のペーパーコーンタイプで、自然乾燥させた数種の天然繊維をブレンドすることで、ナチュラルな低域再生を可能とする、高耐入力のダイアフラムを採用している。低周波数帯の余裕ある再生に向けて、高剛性バスケットを使用しているそうだ。

Lumina V Amatorの主な仕様
形式:3ウェイ 4スピーカーバスレフ方式フロアスタンド型スピーカー
使用ドライバー・ユニット:【高域】29mmアローポイント DADシルク・ソフトドーム型 【中域】150mmコーン型(ナチュラル・ファブリック) 【低域】165mm コーン型(ナチュラル・ファブリック)× 2
周波数特性:38Hz~24kHz(ステルス・ウルトラフレックス含む)
出力音圧レベル:89dB SPL(2.83V/1m)
公称インピーダンス:4Ω
クロスオーバー周波数:260Hz / 2,850Hz
スピーカー端子:バイワイヤリング対応端子( HIGH / LOW)
寸法:W280×D373×H1049mm(本体部、突起部含む)
質量:22.5kg/本
仕上げ:Red、Walnut、Wenge

Lumina II Amatorの主な仕様
形式:2ウェイ 2スピーカーバスレフ方式ブックシェルフ型スピーカー
使用ドライバー・ユニット:【高域】29mmアローポイント DADシルク・ソフトドーム型 【中低域】150mm コーン型(ナチュラル・ファブリック)
周波数特性:55Hz~24kHz(ステルス・ウルトラフレックス含む)
出力音圧レベル:86dB SPL(2.83V/1m)
公称インピーダンス:4Ω
クロスオーバー周波数 :2,600Hz
スピーカー端子:バイワイヤリング対応端子( HIGH / LOW)
寸法:W180×D263×H304(本体部、突起部含む)
質量:5.8kg/本
仕上げ:Red、Walnut、Wenge

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