タクトシュトックから、イギリス、VERTERE(ヴァルテレ)の新製品が発売された。今回のラインナップと価格は以下の通り。

●レコードプレーヤー
DG-1S PKG ¥990,000(税込)
DG-1S PKG SABRE ¥1,045,000(税込、20セット限定)
●MC/MMフォノアンプ
PHONO-1 MK2 L ¥297,000(税込)

画像: 「DG-1S PKG」(左)と、20セット限定の「DG-1S PKG SABRE」(右)

「DG-1S PKG」(左)と、20セット限定の「DG-1S PKG SABRE」(右)

 同社はヴァルテレ製品の取り扱いを2021年に開始し、「MG-1 PKG」「SG-1 PKG」を中心に展開してきた。そして今回、販売店等からのリクエストも多かった「DG-1S PKG」を日本で発売する。さらにDG-1S PKGの発売を記念して、MMカートリッジ「SABRE MM」(¥275,000、税込)とレコードプレーヤー用マット「TECHNO MAT」(¥38,500、税込)を組み合わせたスペシャルセットも20セット限定で発売される。

 DG-1S PKGは、設計思想を現行モデルの「SG-1」や「MG-1」から受け継ぎ、さらにアームに関してはまったく新しい技術の採用にチャレンジしている。

 DG-1Sに搭載されている「Groove Runner S」は、通常のチューブタイプの代わりにフラット形状を採用。従来のアームは剛性のためにチューブを使用していたが、そのままでは共鳴を発生させるためダンピングが必要となり、コストと手間がかかるなど様々な問題を抱えていた。今回採用された接着2重5層無共振ポリマーはこれらを回避するだけでなく、トップ・ビームとロワー・ビームの接着とリベット留めにより、最適な剛性とリニアな抵抗ダンピングを実現している。さらに、従来の配線の代わりにフレキシブルPCBをアームに挟み込み、カートリッジから出力端子まで信号をシールドして伝送する事が可能となっている。

画像: 「Groove Runner S」

「Groove Runner S」

 ベアリング部には「Reference Tonearm」で開発された技術を元に、新たにSilent Thread Bearings(サイレント・スレッドベアリング)を搭載している。

 水平方向の動きにはツイストナイロン(数百本の太さ3ミクロンのツイストナイロン)を使用し、垂直方向の動きには2本のケブラー糸を使用することで、従来のベアリングのようなスティクション(動きに対する初期抵抗)がなく、超軽量でノイズのない動作を実現している。

 さらに、SG-1 PKGや MG-1 PKGに搭載されているSG-TPAトーンアームと同様に、アジマス調整ネジ付きステンレス製カウンター・ウェイトと共にサブウェイトがアーム自体に搭載されている。

 スピンドルは精密硬化ステンレススチール製で、軸受けは超精密加工の真鍮製を採用。ハウジング内にはタングステンカーバイド製ボールが設置されており、低ノイズ、低ランブル、高回転安定性と共にダイナミックレンジと解像度を向上させ、より静かなバックグランドを提供する。モーターは、フラッグシップの「RG-1リファレンス・モーター・ドライブ」のために開発されたものと同様のモーターを採用している。

 メインプラッターはアルミ合金製で、上部にはPETG(熱可塑性ポリマー)製レコード・インターフェイスが接着されている。底面にはコルク/ネオプレン/ニトリル製ディスクがあり、共振をコントロールしつつプラッターが台座に触れることで生じる偶発的な損傷からアクリル製筐体を保護する事にもつながっている。

画像: 「PHONO-1 MK2 L」

「PHONO-1 MK2 L」

画像: 入出力端子はRCAを各1系統搭載する

入出力端子はRCAを各1系統搭載する

 また今回、MG-1 PKGや DG-1S PKGなどの真価を発揮させるフォノアンプとして「PHONO-1 MK2 L」も発売される。従来モデルの「PHONO-1 MK2」(生産完了)から、不要な相互作用を減らすために多くの回路部品の物理的な位置の見直しと、歪みを減らすために信号回路を洗練させるといった改良が加えられた。また、リニア電源は回路基板上に移され、グランドラインの最適化も測られている。

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