DTS,Inc.は現在開催中のCES 2024で、同社技術の新展開、進化点を紹介している。
まず、コネクテッドカーエンタテインメント技術「DTS AutoStage」と「HD Radio」がBMW、フォード、ハーレーダビッドソンなど、より多くのOEM車両モデルで採用されることが発表されている。さらに、会場では、DTS AutoStageプラットフォームに追加予定のゲーミングプロトタイプのデモも行われている。
DTS AutoStageは、ラジオやテレビなどの放送コンテンツとIP配信コンテンツをシームレスに組み合わせて提供する、コネクテッドカー向けのグローバルエンタテインメントプラットフォームで、昨年秋のInterBEE 2023でも展示が行われていた。ひとつのディスプレイで、オーディオ、ビデオに加えてゲームといったあらゆるエンタテインメントを、簡単かつ安全に探して、楽しむことができる環境が実現れるわけだ。
車の中でのエンタテインメントは、単純なオーディオ機能から進化し、前席と後部座席のビデオ機能、そして次のステップとしてゲーム機能が含まれると同社は考えているようだ。
それを受けてDTS AutoStageでは、オーディオゲーム、カジュアルゲーム、コンソール/コアゲームなどのデジタルゲームを組み込むことを計画している。また、ユーザーの好みに合わせておすすめ機能や背景をカスタマイズし、車内で安全にプレイできるように設計されているそうだ。
DTS AutoStageについては、ビデオサービスPowered by TiVoのBMWとのパートナーシップの強化、およびリビングルームと自動車向けの新しいコンテンツパートナーも発表されている。
まず2024年春から、英国の大手小売業者Argosは、Bush TVブランドを通じてPowered by TiVo TVを提供する予定という。さらにTiVo OSはテレビOEMのKonkaとも契約を結び、Poweredby TiVoのスマートテレビをヨーロッパ全域で展開する予定とのことだ。
車載関連では、XperiとBMWグループは先日、米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、韓国のさまざまなモデルにDTS AutoStage Video Service Powered by TiVoを導入し、日本でも近日中に導入すると発表している。このビデオサービスは、コンテンツファーストの体験をコネクテッドカーにもたらし、テレビ、ニュース、スポーツ、映画などで無料のプレミアムコンテンツも配信される。
コンテンツパートナーには、Bloomberg、CHILI、DW、Gusto TV、Pluto TV、TED、Yahoo、およびHuluジャパン、JOYN、Mediathek、NHKプラス、日テレNEWS NNN、RaiPlay、TF1+、Tubi、TVer、WOWOW、ZDFといった、地域の主要なコンテンツ企業が含まれている。
もうひとつ、CES2024会場では、DTS Play-Fiイマーシブホームシアターの紹介も行われている模。DTS Play-Fiイマーシブホームシアターは昨年技術発表された、最大12チャンネルをサポートし、忠実度の高いリスニングを実現する家庭内ワイヤレスソリューションだ。
DTS Play-Fi対応テレビでのDTS:X、ドルビーアトモス、IMAX Enhancedなどのイマーシブサウンドフォーマット再生は、最大7.2.4チャンネルで再生可能で、しかもテレビドングルやAVアンプを使わない点も特徴となっている。
Play-Fiは、主要なテレビメーカーやSoC(System on Chip)メーカーと直接協力することで、スマートテレビに素早くシームレスにワイヤレステクノロジーを搭載できるよう勤めている。実際直近1年間で、Play-FiはAndroid TV、Google TV、VidaaOS、TitanOSなどのオペレーティングシステム、および様々なテレビ向けSoCプラットフォームに展開されている。