「後悔する」という意味の諺「臍を噛む」からタイトルをとった映画『ホゾを咬む』は、短編『ボクには時間がある』が台北サブトロピカル・インディペンデント映画祭、アメリカ2024オールウェイズ・レイトTVムービー・アワーズ最優秀短編部門・最優秀短編監督部門に入選を果たした新進気鋭の映像作家・髙橋栄一の初長編作品。

 髙橋監督自身がASD(自閉症スペクトラム)のグレーゾーンと診断されたことに着想を得て、独自の切り口で「愛すること」を描いた本作は、モノクロームの世界観が怪しさと品格を放ち、独特な間合いや台詞が観る者を異世界へと誘う新感覚の日本映画となっている。

 2023年12月に新宿K’s cinemaで封切り後、全国で順次公開中の『ホゾを咬む』。このたび、2024年1月22日(月)より高円寺シアターバッカスにて3ヶ月にわたるロングラン上映が決定した。

 さらに同館では『ホゾを咬む』のロングラン上映を記念し「髙橋栄一監督特集上映」と題しての髙橋監督の過去作品群の一挙上映も決定。『ホゾを咬む』に至るまでの《映画の試行》の軌跡を通じて、監督の映画美学の原点に触れられる内容となっているほか、監督による演技ワークショップを開催し、その実習作品として制作される新作短編を特集内で上映する企画も進行しているそうだ。

 今回の高円寺シアターバッカスでの各上映を記念し、髙橋栄一監督、『ホゾを咬む』のメインキャストにしてプロデューサーの小沢まゆ、高円寺シアターバッカス支配人の丸山大悟、配給協力の「Cinemago」代表の出町光識からのコメントも到着。ロングラン上映&監督特集上映に対する想いが語られている。

■髙橋栄一(脚本・監督)コメント
映画監督を目指し、カメラひとつで作品を作り始めたのが14年前。
自分の作家性を探るため、武者修行のように作品を作り続けていました。これまでに制作した監督作は40本以上。常に自分と向き合い、映画と格闘をする毎日でした。2023年、長編劇場デビュー作となった『ホゾを咬む』は、これまでの活動の結果であり、映画監督としての出発点となる作品です。今回の3ヶ月に及ぶ特集上映では、過去短篇作品の併映、カラー版『ホゾを咬む』の特別上映、そして2月に行なうWSで制作する新作短篇作品の併映を企画しています。映画監督・髙橋栄一の活動「過去・現在・未来」を、是非観に来てもらいたいです。

■小沢まゆ(『ホゾを咬む』プロデューサー/茂木ミツ役)コメント
『ホゾを咬む』の製作過程において、髙橋栄一監督が映画と対峙しながら様々なチャレンジをしている姿を間近で見てきました。吉と出るか凶と出るか、ギリギリのラインで勝負していることもありました。その思考や感覚の先に、または根底に、いったい何があるのかを見てみたい。そう思わせてくれるのが作家・髙橋栄一です。
『ホゾを咬む』はどこにもない映画になりました。何が"どこにもない"のか、是非ご自身の目で確かめてください。
そして、シアターバッカスさん・Cinemagoさんとともに立ち上げた今回のロングラン上映&短編併映企画は、「作家」「映画」「映画館」の可能性を大きく広げる機会になるのではないかと、いち映画ファンとしても期待しております。

■丸山大悟(「高円寺シアターバッカス」支配人)コメント
シアターバッカス1日の最高動員、186名様。6回上映全ての回でフルハウス。
数多くの短編作品が集まった企画で、大いに活躍したクリエイターたちの中に、髙橋監督の姿がありました。バッカス最大の特徴である「クリエイターとオーディエンスが直接向き合う」という事を本気で目指した企画なので「動員はできたが、ディスカッションの時間が少なくなってしまった」と反省しきりの髙橋監督が印象的でありました。多分髙橋監督は考え続けているのだと思います。スクリーンのこちら側と向こう側、視線のこちら側と向こう側、その両跨ぎの世界をいかに映画としてフィックスするのか、を。表現と経済を包含した「映画」として生まれた『ホゾを咬む』は、その最新の成果物、だと思うのです。

■出町光識(映画レーベル「Cinemago」ディストリビューター)コメント
インディーズ作家と対峙する際、映画監督になる前夜の原石を「如何様に磨きをかけるのか?」というのがディストリビューターとしての仕事。
同志である『ホゾを咬む』の小沢まゆプロデューサーが唯一無二として見い出した、髙橋栄一という“才能の原石”を「制作×劇場×配給」という3つの視点から磨き上げ、「作品+1」としての「作家とは如何にあるべきか」における「1」を見立てることです。
3ヶ月という興行に挑む丸山支配人と、才能を見出した小沢プロデューサーが目指す、映画館という“映画が生まれる現場”を目撃して欲しい。

映画『ホゾを咬む』

2024年1月22日(月)より高円寺シアターバッカスにてロングラン上映(3ヶ月)
横浜ジャック&ベティ 1月20日(土)~1月26日(金)
元町映画館 1月27日(土)~2月2日(金)

■あらすじ
不動産会社に勤める茂木ハジメは結婚して数年になる妻のミツと二人暮らしで子供はいない。ある日ハジメは仕事中に普段とは全く違う格好のミツを街で見かける。帰宅後聞いてみるとミツは一日外出していないと言う。ミツへの疑念や行動を掴めないことへの苛立ちから、ハジメは家に隠しカメラを設置する。

自分の欲望に真っ直ぐな同僚、職場に現れた風変わりな双子の客など、周囲の人たちによってハジメの心は掻き乱されながらも、自身の監視行動を肯定していく。ある日、ミツの真相を確かめるべく尾行しようとすると、見知らぬ少年が現れてハジメに付いて来る。そしてついにミツらしき女性が誰かと会う様子を目撃したハジメは...。

■キャスト
ミネオショウ 小沢まゆ
木村知貴 河屋秀俊 福永煌 ミサ リサ 富士たくや 森田舜 三木美加子 荒岡龍星 河野通晃 I.P.U 菅井玲

■スタッフ
脚本・監督・編集:髙橋栄一 プロデューサー:小沢まゆ 撮影監督:西村博光(JSC) 録音:寒川聖美 美術:中込初音 スタイリスト:タカハシハルカ ヘアメイク:草替哉夢 助監督・制作:望月亮佑 撮影照明助手:三塚俊輔 美術助手:塚本侑紀 菅井洋佑 制作助手:鈴木拳斗 撮影応援:岡上亮輔 濱田耕司 小野寺ひかり 長島貫太 秋田三美 小沼美月 音楽:I.P.U 整音・音響効果:小川武 楽曲提供:小川洋 劇中絵画:「生えている」HASE. 宣伝デザイン:菊池仁 田中雅枝 本編タイトルデザイン:山森亜沙美 宣伝写真:moco DCPマスタリング:曽根真弘 製作・配給:second cocoon 配給協力:Cinemago 海外セールス:Third Window Films 文化庁「ARTS for the future!2」補助対象事業
2023年/日本/4:3/モノクロ/108分/DCP/5.1ch
(C)2023 second cocoon

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■髙橋栄一監督・特集上映記念ワークショップ情報
日程:第1回 2024年2月3日(土)~24日(土)10時~17時
   ※以降、全4回・毎週土曜日に実施
場所:東京都世田谷区を予定
   ※詳細は下記募集ページをご確認ください。

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