B&W(Bowers & Wilkins)から、新しいスピーカーラインナップとなる「600 S3」シリーズが9月下旬に発売される。型番と価格は以下の通りで、本体カラーはブラック、ホワイト、オーク、レッドチェリーの4色が準備される。

●トールボーイスピーカー:603 S3 ¥382,800(ペア、税込)
●ブックシェルフスピーカー:606 S3 ¥165,000(ペア、税込)、607 S3 ¥132,000(ペア、税込)
●センタースピーカー:HTM6 S3 ¥118,800(1本、税込)
●スピーカースタンド:FS-600 S3 ¥57,200(ペア、税込)

画像: 600 S3シリーズに搭載されたユニットやパーツ(一部前モデルの比較用サンプルも含む)

600 S3シリーズに搭載されたユニットやパーツ(一部前モデルの比較用サンプルも含む)

 B&Wの600シリーズは1995年に誕生し、約30年に渡ってアップデートを続け、エントリークラスの価格帯でのリファレンススピーカーとして高い評価を集めてきた。今回の新製品は600シリーズとして第8世代に当たり、これまでのモデルチェンジの中でももっとも包括的なアップグレードが行われているという。

 搭載されたスピーカーユニットは、先に発売された「700 S3」シリーズから派生したものを搭載、キャビネットも再設計されている。

 まずトゥイーターには、25mmチタニウム・ドーム型が採用された。振動板素材が前モデルのアルミニウムからチタンに変更されており、薄く、軽量の25ミクロン厚のメインドームと、外周部を補強する30ミクロン厚のリングという2層構造となっている。

画像: 上が600 S2シリーズで使われていたトゥイーターユニットで、下が600 S3シリーズ用

上が600 S2シリーズで使われていたトゥイーターユニットで、下が600 S3シリーズ用

 トゥイーターユニットの背面には、チューブ・ローディング・システムを搭載。前600 S2シリーズのそれよりもチューブが長くなっており、チューブ内の共振周波数を下げることで、振動板への背圧の影響をより抑えているという。

 またトゥイーター前面のグリルメッシュは800 Series Signature同様に、ユニットを保護するだけの充分な剛性を保ちつつ、開口率の高いタイプに変更されている。これにより高域の拡散性も向上しているそうだ。

 同社独自のコンティニュアム・コーン振動板は603 S3のミッドレンジと、他のモデルのウーファーユニットに使われている(603 S3のウーファーはペーパー・コーン)。マグネットなどは700 S3シリーズ同等の磁気回路が奢られているとかで、上位機に迫るパフォーマンスを獲得できている。

画像: ミッドレンジやウーファーのマグネット背面の空気抜きの穴も大型化されている

ミッドレンジやウーファーのマグネット背面の空気抜きの穴も大型化されている

 これらのマグネット背面中央に設けられた空気抜きの孔も直径が5mmから8mmに拡大され、背圧を効果的に放出できるようになっている。それだけ振動板もスムーズに動けるわけで、キレのいい低音再現が期待できそうだ。

 なおトゥイーターとミッドレンジ/ウーファーの取り付け位置も600 S2シリーズから変更し、5mmほど近づけているそうだ。これはより点音源に近い再現性を目指してのことで、同社では立体的で明瞭なステレオイメージを実現できると説明している。

 その他クロスオーバーネットワークについても、700 S3シリーズ同様に、音質補正用のバイパスコンデンサーの種類を変更し、数も2個から4個になるなど、細かなチューニングが加えられた。さらに高域用フィルターのフィルムコンデンサーには600 S2 Anniversary Editionで搭載されたBevenbi製が使われている。

画像: ブックシェルフスピーカーの607 S3(左)と、607 S2 Anniversary Edition(右)。並べてみると、トゥイーターとウーファーの位置が近づいているのがわかる。スピーカーターミナルの配列も大きく変化した

ブックシェルフスピーカーの607 S3(左)と、607 S2 Anniversary Edition(右)。並べてみると、トゥイーターとウーファーの位置が近づいているのがわかる。スピーカーターミナルの配列も大きく変化した

 600 S3シリーズでは、バスレフポートの長さが伸ばされているそうで、小音量時でもより豊かな低音が再現できるようになった。なお一番小型の607 S3ではキャビネットに収めるためにバスレフポートが内部で折り曲げられているそうだ。

 バイワイヤリング対応のスピーカーターミナルも、横一列配置に刷新された。ロジウムメッキ処理も加えられており、耐久性も安心だ。

 同時発売されるスピーカースタンド「FS-600 S3」は、ブラックとシルバーの2色展開で、天板にスピーカーを固定するためのボルト穴が追加された。地震などでスピーカーが落下する可能性もあるので、これも安心への配慮ということだろう。なおトールボーイ型の603 S3は、付属の台座に取り付けて使う仕様になっている。

「603 S3」の主なスペック

●型式:3ウェイ4スピーカー、バスレフ型●使用ユニット:25mmチタン・ドーム型トゥイーター、150mmコンティニュアム・コーン型ミッドレンジ、165mmコーン型ウーファー×2●再生周波数帯域:29Hz〜33kHz●能率:90dB/2.83V/m●インピーダンス:8Ω●寸法/質量:W260×H1020×D402mm(台座含む)/27.5kg

「606 S3」の主なスペック

●型式:2ウェイ2スピーカー、バスレフ型●使用ユニット:25mmチタン・ドーム型トゥイーター、165mmコンティニュアム・コーン型ウーファー●再生周波数帯域:40Hz〜33kHz●能率:88dB/2.83V/m●インピーダンス:8Ω●寸法/質量:W189×H344×D328mm(端子部含む)/7.05kg

「607 S3」の主なスペック

●型式:2ウェイ2スピーカー、バスレフ型●使用ユニット:25mmチタン・ドーム型トゥイーター、130mmコンティニュアム・コーン型ウーファー●再生周波数帯域:40Hz〜33kHz●能率:84dB/2.83V/m●インピーダンス:8Ω●寸法/質量:W165×H300×D235mm(端子部含む)/4.65kg

「HTM6 S3」の主なスペック

●型式:2ウェイ3スピーカー、バスレフ型●使用ユニット:25mmチタン・ドーム型トゥイーター、130mmコンティニュアム・コーン型ウーファー×2●再生周波数帯域:42Hz〜33kHz●能率:87dB/2.83V/m●インピーダンス:8Ω●寸法/質量:W480×H160×D283mm(端子部含む)/7.7kg

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