テクニカルオーディオ デバイセズ ラボラトリーズ(TADL)から、1978年に発売して人気を博したスーパートゥイーター「ET-703」の復刻モデル「ET-703a」が、プロフェッショナル向け「TAD Professional Unit」の新商品として、8月下旬に発売される。価格は¥330,000(税別)。
ET-703aは、効率的に広帯域を再生できるリアコンプレッション型のホーントゥイーター。エッジとダイアフラムを純ベリリウムにより一体化した、エッジ一体成形ダイアフラムの採用により、35mmという大口径でありながら、軽量さと、高域の共振周波数45Hzを確保した(可聴周波数帯域への影響を無くしている)製品となる。
構造には、ポールヨーク内部をくり抜いた中に音道を設け、振動板を後側から取り付けるリアコンプレッション方式を採用。結果として、超高城まで理想的な位相の均一化を実現したという。また、エッジ振動の影響が少ないため、スムーズで伸びのある高域で、透明度の高い音の再生を可能にした、とする。
加えて、音響理論に基づいて、コンピューターにより精密設計された三重スリットのフェイジングプラグを採用することで、音道距離の良好な等化特性を得、30kHz以上の領域までスムーズな周波数特性を実現。分解能の高い繊細な超高域の再現を可能にしている。なお、フェイジングプラグの表面には高精度の切削仕上げを施すことで、より高い信頼性を発揮しているそうだ。
ボイスコイルには、純アルミ線の表面に極薄のアルマイト皮膜を施したエッジワイズタイプを採用。磁気回路中の導体占有率を極限まで高めることで、高能率化を図っているという。なお、ボイスコイルボビンや接着剤には耐熱材料を使用し、30Wの大入力にも耐え得る安定性を実現しているそうだ。
磁気回路には、高い磁気エネルギーを持つ希土類コバルトマグネットを使用するとともに、ポールヨーク、プレートに極低炭素、低不純物の電磁軟鉄を採用し、磁束密度2Tesla、総磁束4.0x 10-4Wbの超強力な磁気特性も実現していると謳っている。
ET-703aの主な仕様
公称インピーダンス:8Ω
ボイスコイル口径:35mm
フェイジングプラグ:3重スリットリアコンプレッションタイプ
再生周波数帯域:5,000Hz~45kHz
最大入力:30W(クロスオーバー周波数 5kHz、-12 dB/oct)
出力音圧レベル:107dB
クロスオーバー周波数:5,000Hz以上(遮断特性12dB/oct以上)
総磁束:4.0×10-4 ウェーバー
磁束密度:2.0テスラ
バッフルへの取付:バッフル開口φ81mm、取付ピッチφ98mm(4点止め)
キャビネット上部への取付:25mm(2点止め)
寸法:φ80mm x 74 mm
質量:1.1kg
付属品:取付フランジ、取付パッキン、六角穴付きネジ×4、ワッシャー×4、十字穴付き木ネジ×2、 六角レンチ、使用説明書