ヤマハから、同社として4年ぶりとなるサウンドバーの新製品が2モデル発表された。どちらもHDMI eARCに対応しており、ドルビーアトモスの再生が可能だ。

SR-B30A ¥33,000(税込、9月上旬発売予定)
SR-B40A ¥50,600(税込、8月上旬発売予定)

画像: 一体型モデルの「SR-B30A」。本体は横から見ると台形になっており、平らな面に設置するとユニットがやや上を向くようにデザインされている。これはユーザーに向けて音を放射しようという狙いで、上位モデルの「SR-B40A」も同様

一体型モデルの「SR-B30A」。本体は横から見ると台形になっており、平らな面に設置するとユニットがやや上を向くようにデザインされている。これはユーザーに向けて音を放射しようという狙いで、上位モデルの「SR-B40A」も同様

 同社では「TRUE SOUND」という音のフィロソフィーを提唱しており、ハイファイコンポーネントやスピーカーシステムの音作りでもTRUE SOUNDの再現をめざしている。今回の新製品サウンドバーでもその姿勢は変わっておらず、社内の音質評価会で徹底的に音の検証が行われたそうだ。

 そこで重視された項目は「TONE BALANCE(音色)」「DYNAMICS(ダイナミクス)」「SOUND IMAGE(作品のニュアンス)」などで、いずれも作品の映像にマッチした声や効果音、静寂の表現、空気感の表現などがチェックされたという。

 またこれまでヤマハのサウンドバー製品には、エントリークラスの製品ラインナップしかなかったが、今回の2モデルはその上位クラスに位置し、低価格帯から高級機まで揃えることでユーザーに選んでもらいやすいよう配慮している。ドルビーアトモスに対応したのも、現在の高級サウンドバーにはイマーシブオーディオ対応が欠かせないという判断からという。

画像: SR-B30Aの接続端子部。ARC対応HDMI端子と光デジタル、サブウーファー用出力を装備する。USB端子はアップデート用で、USB DAC等の機能は搭載していない

SR-B30Aの接続端子部。ARC対応HDMI端子と光デジタル、サブウーファー用出力を装備する。USB端子はアップデート用で、USB DAC等の機能は搭載していない

 製品スペックとしては、弟機のSR-B30Aはフルレンジユニット+トゥイーターをL/R用に搭載し、低域用のサブウーファー1基も本体に収めた一体型だ。受け持ち帯域はフルレンジユニットが240Hz〜22kHz、トゥイーターが54kHz〜22kHz、内蔵サブウーファーが54〜240Hz。

 本体サイズはW910×H62×D131mmで、サブウーファーは豊かな低域を再現するためにバスレフ型を採用、本体両サイドにバスレフポートが設けられている。

 上位機のSR-B40Aは、本体+ワイヤレスサブウーファーの2筐体式で、本体にはフルレンジユニット+トゥイーターを搭載する(受け持ち帯域はSR-B30Aと同じ)。本体は密閉型で(サブウーファーユニットは本体には搭載していない)、サイズはSR-B30Aと同一。

 ワイヤレスサブウーファーはW195×H420×D498mmというサイズで、側面にウーファーユニットを、正面にはバスレフポートを搭載している。受け持ち帯域は9〜240Hz。

画像: 上位モデルの「SR-B40A」はサウンドバー本体とワイヤレスサブウーファーの2ピース構成。サブウーファーユニットは側面に搭載している(写真の右側)

上位モデルの「SR-B40A」はサウンドバー本体とワイヤレスサブウーファーの2ピース構成。サブウーファーユニットは側面に搭載している(写真の右側)

 接続端子は2モデルともHDMI ARCと光デジタル入力を各1系統搭載。SR-B30Aはサブウーファー出力も備えている。デジタル入力は96kHz/24ビットのハイレゾ信号を受付可能で、サラウンドフォーマットはドルビーアトモスとMPEG2-AACに対応する。上記の通りスピーカー自体は2.1ch構成なので、ドルビーアトモスは一旦デコードした後にバーチャル処理を加えて再生する。

 サウンドモードとして「Stereo」「Standard」「Movie」「Game」の4種類を準備。このうちStereoはオリジナル信号を2.1chで再生するモード(5.1chソース等はダウンミックス)で、他はバーチャル処理を加えている。リモコンや「Sound Bar Remote」アプリからワンタッチで切り替えられるので、再生するコンテンツに応じて使い分けるといいだろう。

 その他、声をクリアーに再生する「Clear Voice」や低域を強化する「Bass Extension」も搭載済で、リモコンやアプリから調整可能だ。これらの機能はバーチャルサラウンド再生時にも有効なので、好みのサウンドに追い込みたい方は使いこなしにトライしていただきたい。加えてアプリからは「Tone Control」イコライザー機能も操作でき、こちらは高音・低音を±6dBの範囲で調整可能とのことだ。

画像: 付属のカード型リモコンでは、4種類のサウンドモードの切り替えや、Clear Voice/BAss Extentionの操作も可能

付属のカード型リモコンでは、4種類のサウンドモードの切り替えや、Clear Voice/BAss Extentionの操作も可能

 内覧会で、SR-B30AとSR-B40Aの音を確認することができた。まずSR-B30Aで、映画や音楽作品のドルビーアトモス収録ブルーレイを再生してもらうと、画面を包むように左右方向に半円状の音場が広がり、ロケットの打ち上げシーンの密閉感、圧迫感もリアルに再現される(サウンドモードはMovie)。

 音楽作品ではステージ上の楽器の音の移動感や、それを取り囲む観客の拍手なども広がってきて、ライブ会場の雰囲気を楽しむことができた。ここでサウンドモードを切り替えてみると、Stereoでは音場の広がりは若干小さくなるが声に厚みが出て来て、Standardでは低域はやや控えめな印象だが、ひとつひとつの楽器の描き分けが明瞭になって来るように感じた。

画像: 内覧会では、SR-B30A、SR-B40Aをハヤミの壁寄スタンド 「KF-2900M」と組み合わせて、実際のリビングに近い状態で視聴させてもらった。画面位置はもう少し下げた方が絵音の一体感は高まるはず

内覧会では、SR-B30A、SR-B40Aをハヤミの壁寄スタンド 「KF-2900M」と組み合わせて、実際のリビングに近い状態で視聴させてもらった。画面位置はもう少し下げた方が絵音の一体感は高まるはず

 続いてSR-B40Aでは、映画、音楽作品とも音の細かい粒まで明瞭になり、音数自体も増えている。サブウーファーが別筐体になった結果、本体側のスピーカーユニット(SR-B30Aと同一だけど)にゆとりが生まれ、全体としての情報量がアップしたということだろうか。

 結果としてサラウンドの包囲感、高さの再現性も改善され、よりイマーシブサラウンドらしさを感じられるようになっている。低域も確かに増して、映画の迫力も格段に向上する(視聴時には初期値から1dBレベルを下げている)。サブウーファーを置く場所が確保できるなら、SR-B40Aのサウンドは魅力的だ。

 ヤマハのサウンドバーというと「YSP」を搭載した製品の印象が強いが、新生モデルではそれとは違う方向で自然な音場感を目指している。圧倒的な包囲感とはいかないが、心地いいサラウンドを楽しめるモデルとして、テレビの音に満足できない方はぜひこの2モデルをチェックしていただきたい。

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