A7Vオープン価格(市場実勢価格¥200,000前後、ペア)●型式:2ウェイ2スピーカー・バスレフ型●使用ユニット:ウーファー・7インチコーン型、トゥイーター・リボン型●内蔵パワーアンプ出力:110W(LF)、20W(HF)●入力端子:RCAアンバランス×1、XLRバランス×1●調整機能:入力調整(±12dB)、ルーム音響補正(Bass/Desk/Presence/Treble)●電源:AC100V ●寸法/重量:W200×H337×D280mm/9.5kg●問合せ先:ソニックエージェンシー(株):03(6384)2370

近年、PC用としてはもちろん、スマートホンやタブレット端末から接続するだけで手軽に高音質再生を楽しめるアンプ内蔵のパワードスピーカーの注目度が上昇しています。

録音モニター用途も想定して優れた再生能力を持つ小型パワードスピーカーは、いまどのようなポテンシャルを持つのか。

4月26日発売の管球王国Vol.108の実験工房では「小型パワードスピーカー聴き比べ」と題して、ウーファーが12~18cm口径で、ペア価格30万円台までの国内外モデルを全20機種集めてその魅力を探ります。

そのなかから厳選したモデルを、管球王国でお馴染みの新忠篤氏、岡田章氏の試聴対談形式でご紹介します。

画像: アダムオーディオ A7V オープン価格(市場実勢価格¥200,000前後、ペア) ●型式:2ウェイ2スピーカー・バスレフ型 ●使用ユニット:ウーファー・7インチコーン型、トゥイーター・リボン型 ●内蔵パワーアンプ出力:110W(LF)、20W(HF) ●入力端子:RCAアンバランス×1、XLRバランス×1 ●調整機能:入力調整(±12dB)、ルーム音響補正(Bass/Desk/Presence/Treble) ●電源:AC100V ●寸法/重量:W200×H337×D280mm/9.5kg ●問合せ先:ソニックエージェンシー(株):03(6384)2370

アダムオーディオ

A7V
オープン価格(市場実勢価格¥200,000前後、ペア)
●型式:2ウェイ2スピーカー・バスレフ型
●使用ユニット:ウーファー・7インチコーン型、トゥイーター・リボン型
●内蔵パワーアンプ出力:110W(LF)、20W(HF)
●入力端子:RCAアンバランス×1、XLRバランス×1
●調整機能:入力調整(±12dB)、ルーム音響補正(Bass/Desk/Presence/Treble)
●電源:AC100V ●寸法/重量:W200×H337×D280mm/9.5kg
●問合せ先:ソニックエージェンシー(株):03(6384)2370

本機Aシリーズは、同ブランドTシリーズの上位となる中堅モデル。同社がマルチレイヤーミネラル(MLM)ファイバーと称する素材の7インチウーファーを搭載。トゥイーターは、X-ARTというリボン型で、同社ベルリン工場でハンドメイドされている。入力端子とDSP制御のコントロール回路、低域110WのD級、高域20WのA/B級パワーアンプを左右個別に備える。上位シリーズに同社フラッグシップのSシリーズがある。(管球王国編集部)

あらためてリボン型トゥイーターの良さを確認、
〝音楽の心〟がきちんと見えてくるシステム

 入力はXLRバランスとRCAアンバランスの2系統。本機もゲイン調整の関係で、パッシヴラジエーター/バランス変換アダプターを使って聴きました。再現性の高い音に圧倒されました。その要因は、やはりリボン型トゥイーターにあるのでしょう。

岡田 ひじょうにバランスが良くクリアーです。このクリアーさもトゥイーターによるものですね。私にはリボントゥイーターは、経験的には感度やインピーダンスの整合などで鳴らし方がむずかしいというイメージがあります。本機は、そういった課題を、アンプを含めた一体として自社で研究開発しているので、しっかりと解決しています。改めてリボン型の良さがわかりました。

 「ドゥムキー」を聴き始めると、こんなに美しい音だったかと惚れ惚れとしました。ピアノ、ヴァイオリン、チェロと、この演奏の肝である各楽器の音色が、なんとも言えずいいのです。

岡田 言葉にするとむずかしいのですが、音楽の心がきちんと見えてくるシステムだと思います。「ドゥムキー」は、言われるように個々の楽器の音色が綺麗です。クリアーで柔らかさもある。しかも、そちらだけに耳がいってしまうのではなく、全体の音楽の流れもはっきりとわかってくる。高い再現性をもっています。

 「御諏訪太鼓」は、大太鼓の激しさを聴くだけでなく、大太鼓、小さい太鼓、それに人の声、鳴り物が渾然一体となったひとつの音楽、芸術作品としての魅力がよく感じられました。やはり音楽性の豊かさを感じるものです。

岡田 大太鼓のアタックと響きの成分のバランスがとてもいい。それがよくわかるのは連打するところで、叩き方をだんだんと速くして盛り上げていく、その技巧と流れを、しっかりと描き出していました。さらに場の緊張感も伝わってきました。

 「美空ひばり」は、彼女の心の中の動きが歌に現れているのですが、単に口先で歌っているのではなく、曲やメロディに込めた心情と、歌う心の動きまでがよく伝わってきました。なおバランス接続とアンバランス接続での変化は、ほとんどありません。

岡田 歌っているその場の情景、歌い手の思いがはっきりと伝わってくるようでした。音楽的な再現性がよく整っているからですね。

評論家プロフィール

新 忠篤 氏
大手レコード会社で制作・マーケティングを担当し、退任後専門誌に古典真空管のアンプ製作記事を数々発表。再生音の判断基準はマイクロフォンの前で鳴っている生の音との比較。レコード会社では静電型を含む様々なスピーカーと付き合い、自宅ではウェスタン・エレクトリック555を核とする励磁型システムを使用。DSD録音によるSPレコードや初期LPレコードのトランスファーに熱意を注ぐ。「新 忠篤オーディオ塾」の講師を務める。

岡田 章 氏
大手電機メーカーで長く半導体関連の仕事を続け、ウェスタン・エレクトリックをはじめ古典真空管の歴史と、ヴィンテージ管から現行生産管まで真空管の内部構造や構成パーツの組成にも精通する真空管研究家。『管球王国』誌では詳細な真空管の解説を数多く執筆。自宅では蓄音機によるSPレコード再生に熱意を注ぎ、現代の音源の試聴ソースとしてCDも重視する。

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