Amazon Musicから、日本におけるポッドキャスト事業に関する新たな発表が行われた。同社のポッドキャスト制作スタジオ「Wondery」が、オリジナルシリーズ「ビジネスウォーズ」とともに日本での活動をスタートするという。

画像1: Amazon Musicが、ポッドキャストのオリジナルシリーズ「ビジネスウォーズ」の日本語版最新作を3月22日から配信。ポッドキャスト制作スタジオ「Wondery」の日本での活動もスタート

 Wonderyとは、ハリウッドを本拠地に番組制作を行うポッドキャスト制作スタジオ。2016年にアメリカで設立、2021年にAmazonMusicの傘下に入ったという。アメリカのAppleポッドキャストチャートで50以上のオリジナル番組が首位にクランクインしている。

 一方、Amazon Musicのポッドキャスト事業は2020年にスタートし、2021年に初の独占配信コンテンツをラインナップ、2022年12月にはオリジナル/独占コンテンツを17作品に増やしている。聴取者数も2023年3月時点で前年比2倍に達したとのことだ。

 「ビジネスウォーズ」シリーズは昨年10月から日本でも配信されており、今回は3月22日から「ファストファッション戦争」の全5話を一挙配信する(Amazon Musicのみ。他のサービスでは1〜2話を3月22日、以後毎週水曜日に配信)。続いて4月19日には「トヨタvsホンダ」(全4話)も一挙配信予定となっている(Amazon Musicのみ。他のサービスでは1〜2話を4月19日、以後毎週水曜日に配信)。

画像2: Amazon Musicが、ポッドキャストのオリジナルシリーズ「ビジネスウォーズ」の日本語版最新作を3月22日から配信。ポッドキャスト制作スタジオ「Wondery」の日本での活動もスタート

 そして先日、同作の案内を担当している落語家の春風亭一之輔さんをゲストに迎え、作品紹介のほか、「ポッドキャスト」という新しいメディアの可能性についてのパネルディスカッションが開催された。

 ポッドキャストの語りを担当することについての思いを聞かれた一之輔さんは、「ポッドキャストに関しては専門外なんです。ただ、4月から高校3年生になる長男が聞いていて、『任天堂VSソニー』でそんな歴史があったんだ、続きが聞きたいみたいな事を言っていました。なかなか親としての威厳を保たせてくれる仕事だなと。笑点に関しては親の威厳が下がるような仕事なので、ポッドキャスト様々です(笑)」と語ってくれた。

 ビジネスウォーズの中で印象に残っているエピソードについては、「第1回は『任天堂VSソニー』で、日本のお話だったので、興味深く喋ることができました。ただ、他にもビットコインに関する回もありまして、言葉も難しいし、仕組みもよく分からないので、台本に目を通しただけじゃ全然頭に入ってこないんです。でも、喋ってみるとあぁそういうことなのかというのが何となくわかってきて、声に出して自分が演じてみると入ってくるんだなって、気づいたこともがありましたね」とのことだった。

画像: 落語家の春風亭一之輔さん(左)と、アマゾンジャパン合同会社 Head of Japan Podcast Contentの柴田周平さん(右)

落語家の春風亭一之輔さん(左)と、アマゾンジャパン合同会社 Head of Japan Podcast Contentの柴田周平さん(右)

 もうひとつ、落語家とポッドキャストの語り手の共通点については、「共通しているのは、1人で喋る事、たくさんの人物を演じることでしょうか。ただ、落語の場合って男性と女性、子供と大人が喋ったりすることが多いんですが、『任天堂VSソニー』とかはおじさんしか出てこないから(笑)、どうやって演じ分けていいのかわからなかったです。

 だから、任天堂の創業者はちょっとからっぱちなところがあって、でも厳格もあるといったところを咀嚼して声に出すというのはすごく難しいですね。でも手応えというか、やっていて面白いし、勉強になると思います」と苦心しているポイントを明かしてくれた。

 なおポッドキャストに生かされている落語の業としては、「声ひとつで人間関係をどう表すか、どれぐらいの距離感で喋ってるといった再現に生かされるのかなと思います。逆に勉強になるのは、ちゃんと喋んなきゃいけないという事です。

 落語は日常会話なので語尾が消えたりすることもあるんですけども、ポッドキャストは原稿通りに一言一句はっきりしゃべった上で、ちゃんと生きている言葉にするっていうのが難しいですね。だから収録はすっごく疲れるんですよね。4 時間ぶっ通しでやったりしますから、独演会 5 回分ぐらいの疲れがあります」と話して、会場の笑いを誘っていた。

画像3: Amazon Musicが、ポッドキャストのオリジナルシリーズ「ビジネスウォーズ」の日本語版最新作を3月22日から配信。ポッドキャスト制作スタジオ「Wondery」の日本での活動もスタート

 続いてアマゾンジャパン合同会社 Head of Japan Podcast Contentの柴田周平さんに、Wonderyが制作するコンテンツを日本のリスナー向けに紹介する際に苦労したことについて質問があった。

 これに対し柴田さんは、「僕は台本を英語から日本語に翻訳するところから参加しています。元々の台本は英語なので、そのままだと表現が冗長だったり、主語と述語が離れていて日本語にした時に何を言っているのかわからないこともままあります。それをいかに簡潔な表現にするかは、結構苦労します。

 あと、『トヨタvsホンダ』では、本田宗一郎さんも台本では英語を喋っていてビジネスマンライクなのですが、日本人なら、彼がちょっとがらっぱちな経営者だということをご存知だと思います。そこで日本語に置き換える時にそんなニュアンスを加えるようにしています」と細かい配慮についても説明してくれた。

 今後WendaryではAmazon Music向けにコンテンツを日本語で制作、日本発のストーリーとして全世界に向けて発信する予定という。そこでは日本のクリエイターとも連携して独自のポッドキャスト番組やストーリーの開発も支援していくそうだ。

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