唐突ですが、4Kにまつわるあれこれを紹介する【4K深掘り】2021年2月以来のアップであります。
先日酒井俊之さんから、2月5日にNHK BS4Kで放送されたヒッチコック監督の『鳥』と『裏窓』を予約したところ、『鳥』の本編最後が録画できていなかったという相談がありました。なんでも『鳥』の本編終了後に出演者紹介のクレジットが出る、まさにその数秒前に録画が終わっていたとのこと。酒井さんのお友達の中にも同様の人がいたそうです。
わが家でも同じ番組を予約していたので確認すると、うちではクレジットまで録画できていて、本編も問題なし。これは何が違うのか? 今回はその点を検証します。
実はこれ、使っているレコーダーの4Kチューナー数が関係しています。酒井さんの4Kレコーダーはパナソニックのディーガ「DMR-SUZ2060」で4Kチューナーはシングル、わが家はディーガ「DMR-ZR1」で4Kトリプルチューナーという仕様です。
ディーガで録画予約をする場合、「前の予約の終了時間」と「後の予約の開始時間」が同じだと、前の予約の最後が録画されないことがあります。DMR-SUZ2060の説明書によると、番組の保存先がUSB3.0非対応の外付けUSB HDDやBDメディアの場合は、先に予約した番組のラストが約1分録画できないこともあるようです。
で、改めて今回の放送時間(電子番組表のデータ)を確認すると、『鳥』が11:00〜13:00、『裏窓』が13:00〜14:55で、『鳥』の終了時間と『裏窓』の開始時間は同じ。なので、『鳥』の予約が早く終了していた(本編のラスト数秒が録れていなかった)ということのようです。
とはいえ、4Kシングルチューナー機をお使いの方の中には、今までも同じようなケースはあったけど最後まで録画できていた、と思う方もいるかもしれません。それは映画本編の長さも関係しています。
上記の通り『鳥』の放送時間は11:00〜13:00で、映画本編は119分なので、ほぼ放送時間いっぱいだったわけです。映画はテレビ番組のように本編時間が一定ではないので、放送時には出演者のクレジットや宣伝番組などの“遊び”を持たせて調整しているのは皆さんご存知の通り。通常はこういった“遊び”があるので予約の最後が数秒録画できていなくても気にならなかったんじゃないかと。
ちなみに4Kダブルチューナーやトリプルチューナー内蔵のディーガであれば、1基の4Kチューナーで『鳥』を最後まで録画し、『裏窓』は別の4Kチューナーを使うので、先に予約した番組のラストが録画できないことはないというわけです(4Kチューナー数いっぱいまで同時予約している場合は別)。
なお今週末の2月12日にもBS 4Kで『めまい』と『インドシナ』が続けて放送されます。『めまい』の放送時間は11:00〜13:10で、本編は128分なので2分の“遊び”があるはず。これならシングルチューナー機で両番組を続けて予約しても『鳥』のようにラストが切れることはないと思うけど、万全を期したいという方には「時間指定予約」をお薦めします。
これはマニュアルで録画開始時間と終了時間をセットする、ビデオ世代には懐かしい使い方。指定した時間をひとつの番組として録画するので、途中で途切れることはない。ただしこの予約方法では番組名が先に放送されたものになるので(今回の場合は『めまい』)、後から番組分割と番組名を入れ直す必要があることはご了承ください。(取材・文:泉 哲也)