画像: ティアックの「TN4D-SE」は、ダイレクトドライブ型のアナログプレーヤー。サエクと共同開発のナイフエッジトーンアームを搭載

Record Player System

ティアック

TN4D-SE

オープン価格(参考価格¥80,080・税込)

カートリッジ部(SUMIKO Oyster)●型式:MM型●出力電圧:4mV●適正針圧:1.5g〜2.5g(2.3g推奨)トーンアーム部●型式:スタティックバランス型●有効長:223mm●適合カートリッジ重量:4g〜13g/14g〜21g プレーヤー部●駆動方式: ダイレクトドライブ●モーター:ブラシレスDCモーター●回転数:33・1/3、45rpm●寸法/重量:W420×H102×D356mm(ダストカバーを外した状態)/6.1kg●備考:ダストカバー付属。仕上げは写真のウォールナットのほかにブラックあり●問合せ先:ティアックAVお客様相談室 TEL.042(356)9235

 低価格で使いやすい規模のアナログプレーヤーは珍しくないが、このティアックTN4D-SEの一大特徴はダイレクトドライブ型であることだ。モーターの回転軸がターンテーブルのそれに一致するので、消耗品であるベルトの交換が不要となる。それに駆動力の発生点とその負荷になるターンテーブルの回転軸との乖離がなく、強度やS/Nを得やすい利点がある。

 プラッターは軽量なアルミダイキャスト製。トーンアームはサエクと共同で開発されたナイフエッジ型で、インサイドフォース調整付きのものが搭載されている。高さ調整は無い。カートリッジはスミコ社製Oysterが付属。内蔵するフォノEQはJRC製のオペアンプNJM8080を採用。このフォノEQはパスすることもできる。
 
 まず、付属カートリッジ+内蔵EQにて試聴。男声ヴォーカルの立ち上がりの明瞭さや基本的な分離の良さは明らかだが、情報密度や精密感は物足りない。そこで内蔵EQをパスしてウエスギU・BROS220Rにすると、一気に音場が3次元的に展望され、間接音成分が緻密になった。さらにMMカートリッジをオーディオテクニカVM760SLCに換えると、声の実像感や伴奏楽器の分離と和声感もいっそう明瞭。美空ひばりの45回転シングル盤をかけると、しっとりした情調が成熟した声音の技からこぼれ出して、これは結構な感興をもたらす。電源はDC24V出力のACアダプター形式であり、その辺りも含めて使いこなしの余地が十分あるし、ベルト交換の手間が省けることの利点は愛用するほどに実感できるだろう。

画像: トーンアームはスタティックバランスのS字型パイプで、支持はナイフエッジ方式。ハウジングにSAECのロゴが入る。MM型カートリッジのSUMIKO Oysterを付属する。

トーンアームはスタティックバランスのS字型パイプで、支持はナイフエッジ方式。ハウジングにSAECのロゴが入る。MM型カートリッジのSUMIKO Oysterを付属する。

プラッター動作のスタート、ストップも機敏なダイレクトドライブ方式。回転数は33・1/3と45rpmの2スピード。

画像: 本体背面に設けられた接続端子部。出力はRCAアンバランスで、内蔵するMM用フォノイコライザーは、出力端子右のスイッチ切換でパスできる。電源はACアダプターによるDC24V入力。

本体背面に設けられた接続端子部。出力はRCAアンバランスで、内蔵するMM用フォノイコライザーは、出力端子右のスイッチ切換でパスできる。電源はACアダプターによるDC24V入力。

画像: 付属ダストカバーを装着した状態。

付属ダストカバーを装着した状態。

画像: TN4D-SEのトーンアームを下ろす吉田氏。

TN4D-SEのトーンアームを下ろす吉田氏。

試聴に使用したフォノイコライザーアンプ
ウエスギU・BROS220R ¥650,000 (税別)

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