GPA
415-8B
Jean Hiraga Special Edition
¥400,000(ペア、税別)
●型式:38cm口径コーン型ユニット●インピーダンス:8Ω●感度:97dB/w/m●最大出力:117dB●定格入力:150W●寸法/重量:φ406×H178mm/9kg●問合せ先:サウンドボックス(株)TEL.03(5577)5227
アルテック415-8Bといえば、同芯2重のコーン振動板を用いた15インチ径のBiflex(バイフレックス)方式スピーカーユニットとして知られる。大口径コーンの中央付近を抜いて、同じ頂角にて小口径振動板を勘合させることで広帯域化を図る方式で、磁気回路は共通だ。振動板を同心円状に分割しただけと考えると「メカニカル2ウェイ」の一種ともいえる。実際は1kHz未満では2つの振動板は一体動作し、それ以上で個別に振動することで広帯域の応答性が得られる。
このGPA製415-8Bは、その古典スピーカーユニットを復刻させたものだ。フランス在住のジャン・ヒラガ氏がその企画の立役者なので「ジャン・ヒラガ スペシャル・エディション」と命名されている。
試聴は、輸入元のサウンドボックスが用意したホーン型トゥイーターのジェンセンRP103と、国産の614タイプ銀箱にGPA415-8Bを装着したシステムにて行なった。
当初、トウィーターを絞ったときは帯域を欲張らず、古典的な響きにして落ち着いている。個人的にはさらに活気が欲しいところ。高域のアッテネーターを開いていくと、小気味良い音が飛び出してくる。高域パス用のコンデンサーが試聴用に3種用意されたが、標準の2.2μFが好適だった。スピーカーのエージングが進めば中央の小口径振動板の動きが軽快になり、カットオフはより高域に設定することになりそうだ。朗々とした響きと鳴り物の小気味良い質感、声の音像の等身大風の再現性など、往年の名器を想起させた。