幕張メッセで、16日(水)〜18日(金)までの3日間、メディア総合イベント「Inter BEE 2022」がスタートした。11月1日(火)〜12月23日(金)の期間でオンライン会場もオープンしており、昨年に続いてリアルとオンラインを組み合わせての開催となっている。ここでは、StereoSound ONLINE編集部が会場で見つけた注目展示について紹介したい。まずはHALL5〜6の展示からお届けする。
キヤノン
キヤノンブースでは、4Kモニターや4Kカメラといった機器に加えて、MR(Mixed Reality=複合現実)システムの「MREAL」体験ブースを展示していた。MREALはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)といったハードウェアと、仮想現実を生み出す基盤ソフトウェアの「Canon MREAL Platform」、3Dデータを表示する「MREAL表示アプリケーション」からなるシステムで、あたかも目の前に製品があるかのような体験を提供してくれるものだ。
会場では車のショウルーム体験が可能。HMDを装着すると、何もないはずの空間にレクサスが浮かび上がった。ディテイルまで精巧で、かつ照明の映り込みや車体の影まで自然に再現されているので、存在感も充分だ。だけでなく、車体に触れるとボディの塗装が変化し、ホイールに触ると種類が変化するといった機能も準備されている。これによってカラリングやデザイン違いもすぐに確認できるというわけだ。
MREALシステムは既に運用を開始しているとのことで、車種もレクサス以外にいくつか準備されているという。新しい形のショウルームとしてひじょうに有効なシステムだと感じた次第だ。
エイム電子
高品質HDMIケーブルでオーディオビジュアルファンにも定評があるエイム電子もInter BEEに出展している。
ブースには電源ケーブルでぶら下がったPCが展示されており、通りかかった来場者も思わず足を止めていた。これはエイム電子が販売している「ロック電源ケーブル」で、3ピンタイプのコネクターに装着するだけでケーブルが外れなくなるというものだ。内部にはアースピンを挟み込む機構が内蔵されており、これによってコネクターがしっかり固定されている。
ちなみに3ピンコネクターの場合、最初に結合するのがアースピンで、その後にプラス/マイナスのピンがつながる仕組みになっている。つまりアースピンがしっかり固定されれば、プラス/マイナスも確実に結合されるわけで、電気的な安定性も高まるとのことだ。実際に通信キャリアの基地局や病院などで採用されることが多いそうで、家庭用も発売して欲しいアイテムだろう。
その他にフルファイバー製の光変換HDMIケーブル等も展示されている。一般的な光変換ケーブルでは信号はファイバー線を、コントロール信号はメタル線を使っていることが多い。この製品はコントロール信号もファイバーを通しているので、最長300mまで安定した信号伝送が可能とのことだ(一般的な光変換ケーブルでは100〜150mを推奨)。
アストロデザイン
アストロデザインブースでは、OTOTENでも展示されていた32chパワーアンプ「PA-1853/RB-1853」と、22.2chが体験できるサラウンドチェア「TamaToon」が体験可能だ。今回は同社の8Kプレーヤーとの組み合わせだったが、同社ではこの組み合わせをエンドユーザーにも体験してもらいたいと考えているようで、今後面白い展開があるかもしれない。
またこの他に、4Kプレーヤーの「IR-7523」のアップデートも紹介されていた。これは先日リポートをお届けしたジブリパークの「オリヲン座」でも使われていた製品で、4K/120pまでの信号が再生できるという。今回のアップデートでは、Apple Pro Res対応に加えて、現場から要望の多かったマルチチャンネル録画再生機能にも対応を果たしたとのことだ。
コルグ
コルグブースでは、同社が開発した高品質インターネット動画配信システム「Live Extreme」の紹介を行っていた。
Live Extremeは最大4Kの高解像度映像とともに、ロスレスオーディオやハイレゾオーディオ(最大384kHz/24ビットのPCM、およびDSD5.6MHz)をライブ配信できるプラットフォームで、一般的なブラウザアプリで再生できるのが特徴だ。既にいくつかのライブハウスに導入され、50本を超えるライブ配信も行われた実績があるという。
同社ブースではテレビ局関係者が質問に訪れることも多いとかで、放送と配信を高品質に融合できるシステムとして注目を集めているようだ。