ナスペックは、フランス、Storm Audio(ストームオーディオ)の新製品となるAVプリアンプとマルチチャンネルパワーアンプを11月15日に発売する。型番と価格は以下の通りで、すべて受注生産品だ。
●AVプリアンプ
ISP.16 ANALOG MK3 ¥2,420,000(税込)
ISP.24 ANALOG MK3 ¥2,750,000(税込)
ISP.32 ANALOG MK3 ¥2,970,000(税込)
●マルチチャンネルパワーアンプ
PA 8 ULTRA MK3 ¥1,430,000(税込)
PA 16 MK3 ¥1,760,000(税込)
ストームオーディオは、Auro-3Dの開発元であるベルギーのAuro Technologies社が立ち上げたAVブランドだ。2018年にImmersive Audio Technologies Groupに移管、無駄をそぎ落としたシンプルなデザインと、純粋なAV機器としての実力の高さを備えた製品を送り出している。
その最新版といえるのが今回の製品群となる。まずAVプリアンプの3モデルは、フロントパネルに視認性の高いディスプレイが搭載された。
サラウンドフォーマットはドルビーアトモス、DTS:X、Auro-3D、IMAX Enhancedに対応。24chモデルのISP.24 ANALOG MK3では、最大で13.1.10の出力も可能という。さらにすべての端子から音声を出力する独自のアップミックス処理「StormXT」も搭載されている。
音声用DACチップはアナログデバイセズの「ADAU1966」を、DSPチップにはTI(テキサス・インスツルメンツ)のK2G(コーデック用)とSHARC 4th Generetion X4(プロセッシング用)を搭載した。ボリュウムは前モデル(MK2)から踏襲され、ハイダイナミックレンジと高S/Nを獲得している。
音場補正機能としては、周波数応答に加えて、スピーカーのインパルス応答まで補正できる「Dirac Live」を採用。複数の測定とミックスフェイズ補正を使って、初期反射音、共鳴を低減し、自然な音場を再現できるという。なお測定時には実測データをストームオーディオの本社にリアルタムで送り、本社の最新で膨大なデータを元に最適な補正値を導き出している。
新搭載された「Flexible Bass Management」もユニークだ。これは任意のチャンネルの低音成分を抽出し、最大6つまでのBassZoneに振り分けできる機能。設定したBassZoneの信号はサブウーファーや大型スピーカーに受け持たせることでレベルやディレイの調整も可能になる。サラウンドスピーカーなどに小型モデルを複数台使っている場合でも、それぞれの低音を任意のサブウーファーで再生できるので、音場のバランスが狂うこともないだろう。
HDMI端子は入力×7、出力×2を装備し、いずれもHDMI2.0b/HDCP2.2に対応済みだ(8K対応ボードは2023年に発売予定)。その他に同軸×3、光×3のデジタル入力や、バランス×1、アンバランス×4のアナログ入力も備えている。
出力端子はすべてバランス端子(XLR)で、ISP.16 ANALOG MK3が16出力、ISP.24 ANALOG MK3が24出力、ISP.32 ANALOG MK3が32出力を備える。その他にダウンミックス出力として光デジタル×1も搭載する。
操作はスマホ/タブレットにインストールした専用アプリ「Storm Remote」から行うほか、別売でリモコンも準備されている。
パワーアンプのPA 8 ULTRA MK3とPA 16 MK3は、デンマーク、コペンハーゲンのPASCAL AUDIO社のクラスDオーディオ技術とストームオーディオのノウハウと知識を融合して生み出されたモデルだ。入力端子はアナログバランス(XLR)を装備。
出力はチャンネル当たり200W(8Ω)を備え、さらにPA 8ULTRA MK3はブリッジ接続も可能で、チャンネル当たり800W(8Ω)の4chパワーアンプとしても使用可能という。マルチチャンネルパワーアンプの製品数が減ってきている昨今、サラウンド愛好家の注目を集めることだろう。