来たる10月29日(土曜日)より、映画「ノベンバー」がシアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開される。
舞台は19世紀におけるエストニアのとある村。貧しい村人たちは〈使い魔クラット〉を利用しながら、隣人のモノを盗むことで何とか生き凌いでいる。農具や廃品で作られるクラットを操るには「魂」が必須となる。物語は11月に「死者の日」を迎える寒村で、娘リーナ、村の若者ハンス、男爵の娘、そして農夫エンデルらを中心に静かに、そして厳かに展開される。
灰色に染まるエストニアの風景が全編美しいモノクロ映像で描写される。原作はアンドルス・キヴィラフクによる『REHEPAPP EHK NOVEMBER』で、エストニアでは2004年大いに人気を博していたという。
ゴシック&ダーク・ファンタジーともいうべき本作で、リーナ役をレア・レスト、ハンス役をヨルゲン・リーク、男爵の娘役をイエッテ・ローナ・エルマニス、そして男爵役をディーター・ラーザーらが演じている。
モノクロ映像に寄り添った音楽を奏でるのはハエル・ヤカシェク(通称・ジャカシェク)。本作ではエレクトリック・ギターを操ることで、不穏な雰囲気を醸し出すことに成功している。
本作はトライベッカ国際映画祭、ミンスク国際映画祭での最優秀撮影監督賞、アメリカ撮影監督協会スポットライト賞などを受賞。アカデミー賞外国語映画賞2018年のエストニア代表に選ばれ、日本では同年に開催された第10回京都ヒストリカ国際映画祭「ヒストリカワールド」部門で上映された。
『ノベンバー』は10月29日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開。