去る9月29日に開催された「ガンダムカンファレンス AUTUMN 2022」。ここでは、ガンダムシリーズ45周年と、ガンプラ45周年に向けたプロジェクト「GUNDAM NEXT FUTURE -ROAD TO 2025-」の始動が宣言された。これは、映像展開、ガンダムメタバースプロジェクト、リアルイベントの三本柱で展開する大がかりなプロジェクト。その模様をレポートしよう。

▲新宿住友ビル。三角広場で開催された「ガンダムカンファレンス AUTUMN 2022」の会場 (C)創通・サンライズ・MBS

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』を皮切りに、ガンダム作品が続々とテレビ放映
 映像展開では、10月2日から放送が始まった『機動戦士ガンダム 水星の魔女』をはじめとして、今後のテレビ放映のスケジュールが公開された。10月~12月はMBS・TBS系全国28局ネットで「水星の魔女」の第1クールを放送。そして、2023年1月~3月は、地上波初放送となる『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』、OVA『機動戦士ガンダムサンダーボルト』、劇場作品『機動戦士ガンダムNT(ナラティブ)』をそれぞれ全4話のTVエディションとして放送。そして、2023年4月からは『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第2クールの放送となる。

 このほか、衛星放送のBS11では「ガンダムアワー」と題して、ガンダムシリーズの過去作品を放送予定。『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の再放送や『機動戦士ガンダムSEED』『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の全話放送も予定されている。

 さらに、ガンダム公式YouTubeチャンネル「ガンダムチャンネル」では、通常の配信枠に加え、10月2日から毎週日曜日16時30分からガンダムシリーズの過去作品の特選エピソードをプレミア公開。そして、ガンダムファンが自由に映像を制作・配信できるための映像素材の提供も行なわれる。

▲登壇したバンダイナムコグループ チーフガンダムオフィサー 藤原孝史さん  (C)創通・サンライズ・MBS

世界中のガンダムファンと交流できる「ガンダムメタバース」
 第2の柱である「ガンダムメタバース」は、インターネット上で展開するガンダムファン同士のコミュニケーションサービスで、今後さまざまな発展が計画されている。「ガンダムメタバース」はカテゴリーごとにバーチャルコミュニティが用意され、それらはバンダイナムコグループの共通アカウントである「バンダイナムコID」で連結されるため、ファンは同じIDでさまざまなコミュニティーを自由に参加できるようになる。

 予定されているサービスである「ガンプラスキャン」は、自分が組み立てたガンプラをスキャンしてデータ化し、メタバース空間で展示できるもの。ガンプラファン同士の交流がネット上でも行なえる。スキャンしたガンプラのデータで対戦ができるテストも実施されており、『ガンダムビルドファイターズ』の世界が現実になる日も近いかもしれない。

 このほか「e-sports」もある。9月に発売された『GUNDAM EVOLUTION』のPC版によるネット対戦が可能となるもので、12月1日には家庭用ゲーム機版の発売も予定されている。こうしたファン同士の交流では、さまざまな言語に対応した自動翻訳システムの開発、ゲーム実況やサービス解説などのサポートを行うAIキャラクター「メロウ」の研究開発も行なっていくことが発表されている。

画像: ▲ゲーム実況などを行なうAIキャラクター「メロウ」  (C)創通・サンライズ

▲ゲーム実況などを行なうAIキャラクター「メロウ」  (C)創通・サンライズ

「150年後の国宝展」、2025年の大阪・関西万博などに出展
 リアルイベントでは、11月に東京国立博物館で開催される「150年後の国宝展」にガンダムをテーマとして出展することが発表された。「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」の動くガンダム「RX-78F00」の1/10スケールの試作モデルの展示も行なわれるという。ファンの力でアニメ作品を超えたムーブメントを興したガンダムの存在を未来に伝えていく展示だ。

画像: ▲「150年後の国宝展」での出展イメージ  (C)創通・サンライズ

▲「150年後の国宝展」での出展イメージ  (C)創通・サンライズ

 「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」の動くガンダムも、2023年3月末のグランドフィナーレに向け、さまざまな企画が計画中とのこと。そして、2025年の大阪・関西万博では、「もうひとつの宇宙世紀」を舞台に、未来社会の問題解決に向けた壮大な実証実験を行なう「ガンダムパビリオン(仮称)」を出展する予定だ。

 これら3つの柱で、「ガンダム」というコンテンツをさらに発展させていくことになる。「ガンダムメタバース」は今後の展開が楽しみでもあり、さらに発展する「ガンダム」を感じさせてくれた。

 この「ガンダムカンファレンス AUTUMN 2022」に連動して9月29日~10月2日の4日間「GUNDAM NEXT FUTURE -TOKYO BASE-」が開催。歴代のガンダムシリーズの等身大立像をはじめ、作品ごとのガンプラの展示、そして、自作のガンプラをスキャンしてジオラマ制作などが行なえる「ガンプラスキャン」の体験スペース、使用済みのランナーを再利用したガンダム像などの展示が行なわれたほか、新宿ピカデリー スクリーン4にて、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の前日譚「PROLOGUE」および第1話の試写会なども行なわれた。

画像: ▲『機動戦士ガンダム 水星の魔女』と発売予定のガンプラの展示 (C)創通・サンライズ・MBS

▲『機動戦士ガンダム 水星の魔女』と発売予定のガンプラの展示 (C)創通・サンライズ・MBS

画像: ▲歴代ガンダム作品をガンプラとともに展示 (C)創通・サンライズ

▲歴代ガンダム作品をガンプラとともに展示 (C)創通・サンライズ

画像: ▲等身大サイズの歴代ガンダム立像。νガンダムの巨大さが印象的 (C)創通・サンライズ

▲等身大サイズの歴代ガンダム立像。νガンダムの巨大さが印象的 (C)創通・サンライズ

▲巨大なガンダムのラストシューティング (C)創通・サンライズ

▲不要になったランナーの回収ボックスもあった (C)創通・サンライズ

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