先日発売されたゼンハイザーの完全ワイヤレスイヤホン新製品の「MOMENTUM True Wireless 3」(想定市場価格¥39,930前後)の評判が高い。アクティブノイズキャンセル(ANC)機能も搭載済みで、同社開発担当者によると “最高傑作” と言える仕上がりになったという。今回、そんなMOMENTUM True Wireless 3の試聴機を借用し、1週間ほど使わせてもらったので、インプレッションをお届けしたい。

 スペック面では、独自の7mm径ダイナミック型ドライバー(トランスデューサー)を搭載。振動板サイズは前モデルと同じだが、歪みを抑え、音の切れや深みを向上させるために、有線イヤホンの「IE600」にも搭載されている「アコースティックバックボリューム機構」を採用、音圧や低域の量感、ヴォーカルの豊かさの再現を改善している。

画像: 充電ケースのサイズは編集部の実測ではW70×H35×D45mmほど。表面はファブリック仕上げが採用されている。充電はケース正面のUSB Type-C端子で行う他、ワイヤレス充電にも対応済み

充電ケースのサイズは編集部の実測ではW70×H35×D45mmほど。表面はファブリック仕上げが採用されている。充電はケース正面のUSB Type-C端子で行う他、ワイヤレス充電にも対応済み

 また、通常はBluetoothチップが受け持つDAC機能についても、別途専用プロセッサーを搭載することで高音質化を果たした。先述したANC機能も、追加搭載したプロセッサーが受け持っている。

 そのANC機能はハイブリッド型(フィードフォワード+フィードバック)が採用されている。さらに周囲の騒音を検知して、ANCの効果を自動的に調整してくれる「アダプティブモード」も採用された。もちろん、外音取り込み機能にも対応済み。ちなみにゼンハイザーでは、“音質に影響を与えないANCの効果” を目指して機能を追い込んでいったそうだ。

 Bluetoothのコーデックは、SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive(96/24)に対応。対応機器との組み合わせで、96kHz/24ビット・ハイレゾクォリティでの伝送が可能になる。

 今回はスマホの「Pixel6」との組み合わせで様々な楽曲を聴いてみた。Pixel6のメニューで「設定」→「接続済みのデバイス」→「デバイスの詳細」を開くと、「HDオーディオ」のオン/オフができる。ここをオンにしておけばaptX HDで伝送できているはずだ。

画像: イヤホンは7mmのダイナミック型ドライバーを内蔵。コーデックのaptX Adaptive(96/24)にも対応するなど、音質にこだわる層にも配慮したスペックを備える

イヤホンは7mmのダイナミック型ドライバーを内蔵。コーデックのaptX Adaptive(96/24)にも対応するなど、音質にこだわる層にも配慮したスペックを備える

 CDからリッピングした44.1kHz/16ビット/FLAC音源や、ダウンロードした48kHz/24ビット/FLACの楽曲を再生する。まずはANCオフで、自宅リビングで試す。

 ダイアナ・クラールの『クワイエット・ナイツ』から「Too Marvelus For Words」は、伸びがよく、明瞭なヴォーカルが楽しめる。力強さがあって、でも自然な印象だ。エリカ・バドゥ『バドゥイズム』の「Rimshot」は軽快でリズミカル、音の輪郭が明瞭で、すっきりした方向に聴こえる。低域はやや膨らみ気味にも思えるが、安定感があって迫力が増している。

 では、とニルヴァーナの『ネヴァーマインド』から「Smells Like Teen Spirit」を再生すると、こちらも低域が際立ってくる。アタックが強く、90年代ロックらしさを感じるサウンドがしっかり再現されている。

 次に、再生機をアステル&ケルン「SP1000」に交換した。SP1000とMOMENTUM True Wireless 3をペアリングすると、SP1000側に「aptX HDを使用しています」と表示が出ている。

画像: 専用アプリでは、ノイズキャンセリンのオン/オフやタッチコントロールの詳細といった設定状況を確認可能

専用アプリでは、ノイズキャンセリンのオン/オフやタッチコントロールの詳細といった設定状況を確認可能

 まずDSD 2.8MHzの「ファリャ:バレエ音楽『三角帽子』序曲」を選ぶと、音の粒が細かくなって、空間が密になった印象。アタック感は少し優しいが、拍手の生々しさがしっかり出てくる。女声の豊かさ、伸び感が心地いい。

 ここでANCをオン(アダプティブモード)にして、『Symphonic Suite AKIRA 2016 』から「ぬいぐるみのポリフォニー」を聴くと、音の包囲感の演出が際立っている。音場は極端に広くはないが、女性の声の発音源が明瞭で、移動感の演出もわかりやすい。この曲では男女を含め多くのコーラスが参加しているが、それぞれの声の違いまで聞き分けられそうだ。

 192kHz/24ビット/FLAC音源からノラ・ジョーンズ「ナイチンゲール」では、音がくっきりして、実体感、重さまで感じられる。ヴォーカルもクリアーだし、ベースの低域も豊かに響いてくる。ギターが耳元で奏でられるようで、ゾクッとする。

 ANCのオン/オフでの音の違いはほとんど感じられず、アプリで確認しないと今どっちで聴いているのか分からなくなるくらいだ。でも通勤時のバスや電車の中ではエンジン音などが抑えられているので、“音質に影響を与えないANCの効果” という目標は達成できていると感じた。

画像: シリコン製イヤーピースや、イヤーフィン、充電用USBケーブル(A to C)が付属する

シリコン製イヤーピースや、イヤーフィン、充電用USBケーブル(A to C)が付属する

 動画コンテンツとの組み合わせはどうか?Amaozn Fire HD8タブレットとMOMENTUM True Wireless 3の組み合わせでPrime Videoから映画を再生する。

 『ブルース・ブラザース』のアレサ・フランクリン「Think」歌唱シーンでは、リップシンクは若干遅れているが、この組み合わせではBluetoothコーデックはAACになるはずなので、ここは仕方ないところ。アレサの声や伸び、迫力はさすがで、アクション作品などなら映画も充分楽しめるはずだ。

 今回MOMENTUM True Wireless 3を長期テストして、その評判のよさが納得できた。CDクォリティや48kHz/24ビット音源では音の明瞭さや力強さを、192kHz/24ビットやDSD音源なら音の密度感や楽器の生々しさをしっかり再現してくれる。

 音作りのベースはモニターライクで、演出のない再現を狙っているが、それが音源それぞれの魅力を描き出す再現力、クォリティの高さにつながっていると思った次第だ。(取材・文:泉 哲也)

画像: MOMENTUM True Wireless 3のホワイトモデルも今夏以降に発売予定

MOMENTUM True Wireless 3のホワイトモデルも今夏以降に発売予定

「MOMENTUM True Wireless 3」の主なスペック

●ドライバー:7mm径ダイナミック型
●再生周波数特性:5Hz〜21kHz
●感度:107dB
●Bluetoothコーデック:SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive
●再生時間:7時間(イヤホン)、28時間(充電ケース併用)
●充電時間:1.5時間、10分/1時間動作の急速充電にも対応
●充電端子:USB Type-C
※付属品:充電ケーブル、イヤーピース(XS、S、M、L)、イヤーフィンセット(S、M、L)

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