先ほどお知らせした通り、LGエレクトロニクス・ジャパンは本日、2022年の有機ELテレビ全4シリーズ12モデルを発表した。その中でユニークな存在なのが、OLED evo有機ELパネルを搭載したART90シリーズの「65ART90EJQA」だ。市場想定価格は¥990,000前後で、6月中旬の発売予定。
65ART90EJQAは、デンマークを代表するファブリックメーカー「kvadrat」(クヴァドラ)と共同開発し、テレビを上質なアート作品へ進化させた新デザインを採用。テレビを見ていないときはスタンド部分が上部にスライドして画面をカバー、インテリアにフィットしやすいデザインに仕上げている。
スタンドを降ろした状態では、一見すると縦横各150cmほどの一枚のパネルにも見える。上半分が65インチの有機ELテレビで、下側にファブリックでカバーしたスタンドが取り付けられている。厚みは5.5cmで、本体上側(有機ELテレビの裏側)を専用金具で壁に固定する仕組みだ。この状態では壁掛け設置にきわめて近い外観になる。
可動式のスタンドを上げると(リモコンの専用ボタンで昇降する)、テレビの画面が3分の2ほど覆われる。その場合は2本のフレーム(脚)でテレビが支えられているような見え方になる。この状態でもスマホとBluetoothでつないで音楽再生ができるので、テレビを見ない場合は音楽観賞用として活用してもいい。
スピーカーはフルレンジ+トゥイーターの2ウェイシステム×2(L/R)にウーファーを2基加えた4.2chシステムで、実用最大出力80W(JEITA)のアンプで駆動している。
なお放送や配信などの映像コンテンツでは、2chや5.1chの音声信号をAIサウンドプロで7.1.2に変換し、この4.2chスピーカーでバーチャル再生しているが、Bluetooth経由の場合はストレートに2chで再生するそうだ。
その際に画面の一部をライン状に使って、時刻や音楽再生画面を表示できる。映像を表示していない時にはただの“黒い板”になってしまうという大画面テレビの弱点を克服する、スマートな新提案といえるだろう。
独自のAI対応映像エンジンの「α9 Gen5 AI Processor 4K」は同時発表の「G2」「C2」シリーズ同様に搭載。何100万もの映像ソースを学習したリアルタイムAIプロセッサーが第5世代に進化し、あらゆるコンテンツに合わせて最高レベルの映像を映し出してくれる。
蛇足ながら、65ART90EJQAはフレーム一体型なので、150cm四方の状態で納品されるそうだ。マンション等で使いたい場合はあらかじめ搬入経路を調べて置いた方がよさそうだ。
「ART90」シリーズの特長
●北欧デンマークを代表するファブリックメーカーkvadrat(クヴァドラ)と協業したデザイン
●ラインビューで時計や音楽再生など映像視聴以外の使い方も可能
●従来より明るい次世代有機ELテレビ「OLED evo」
●リアルタイムAIプロセッサー「α9 Gen5 AI Processor 4K」搭載