本機は、往年の人気機種L100 CenturyをJBL創立75周年モデルにしつらえた新製品。2018年にはL100 Classicが発売されているが、Classic75は音質についても相当に磨いたという全世界750セット(国内50セット)の限定品だ。外装は全6面にチーク・リアルウッドの突き板仕上げ。専用スピーカースタンドJS120が付属する。
中域と低域のユニットはピュア・パルプコーン、高域は25mm径チタン製ドームトゥイーターを採用。技術的な訴求点は、30cm径ウーファーの2重ダンパーを改良して奇数次歪みを低減。13cm径のスコーカーは製造プロセスから見直して周波数レスポンスをスムースにしたとのこと。スピーカー端子とネットワーク素子は高域と低域を分割構成している。
流れのいいJBLサウンドで、しかしピアノの打鍵の強靭さやそれを可能にする奏者の膂力がたしかに感じられる。それには中域の彫琢能力も加味されているのだろう。小編成で歌うダイアナ・クラールは声の肉迫感やベースの実体感を誇示しつつ、実に流れがいい。それはモーツァルトのピアノ協奏曲も同様。ウェストコースト風というほどではないけれど、よく疾走する。そして一番好適だったのは意外にもピアソラだった。低域の刻みに支えられ、トゥイーターは中域とつながりよく、躍動感と瞬発力が現代タンゴを臨在せしめる。本格的に取り組むべき充実感のある記念モデルだ。
![画像: JBL L100 Classic 75―往年の名機の名が最新ユニットで復活。磨き込まれた音質は、躍動感と瞬発力を発揮](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783364/rc/2021/12/16/679015c34e2319e2ac2521aebd3c687e8d8aed91_xlarge.jpg)
JBL
L100 Classic 75
¥750,000(ペア、税込)
●型式:3ウェイ3スピーカー・バスレフ型●使用ユニット:ウーファー・30cmコーン型、ミッドレンジ・13cmコーン型、トゥイーター・2.5cmドーム型●インピーダンス:4Ω●感度:90dB/2.83V/m●クロスオーバー周波数:450Hz、3.5kHz●寸法/重量:W390×H824×D362mm/35.1kg(グリル、スタンド含む)●備考:スタンド付属、日本国内50セット限定販売●問合せ先:ハーマンインターナショナルコールセンター TEL. 0570(550)465
![画像: フロントバッフル全面。トゥイーターが2.5cmチタンドーム型、13cm径ミッドレンジと30cm径ウーファーとはピュア・パルプコーン型を採用する3ウェイ。高域と中域のレベルコントロールを装備する。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783364/rc/2021/12/16/9515909d93f90989e8f48147cfdb16d88040b1fd_xlarge.jpg)
フロントバッフル全面。トゥイーターが2.5cmチタンドーム型、13cm径ミッドレンジと30cm径ウーファーとはピュア・パルプコーン型を採用する3ウェイ。高域と中域のレベルコントロールを装備する。
![画像: リアの端子部周りを見る。上部には、JBLチーフエンジニアのサインとシリアルナンバーが記された75周年記念プレートを貼付。その下にバイワイヤリング対応の入力端子を配置する。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783364/rc/2021/12/16/24417a687e868e20b7a445888101623e08157521_xlarge.jpg)
リアの端子部周りを見る。上部には、JBLチーフエンジニアのサインとシリアルナンバーが記された75周年記念プレートを貼付。その下にバイワイヤリング対応の入力端子を配置する。
![画像: ユニットとレベルコントロールを確認する吉田氏。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783364/rc/2021/12/16/be4bde804360f96b9dd4d2d5d5a83250e07b3cb8_xlarge.jpg)
ユニットとレベルコントロールを確認する吉田氏。
関連記事
この記事が読める季刊「管球王国」Vol.101のご購入はコチラ!