国産オーディオブランドAVIOTから、完全ワイヤレスイヤホンの人気モデル「TE-BD21j」をベースに、ミュージシャンのピエール中野が音質チューニングを行なった「TE-BD21j-pnk」が、絶賛発売中だ(昨年12月に発売 価格は¥19,800+税)。
本機の仕様を簡単に紹介しておくと、AVIOTの型番ラインナップ通り、バランスド・アーマチュア(BA)型ドライバー2基、ダイナミック型ドライバー1基の、ハイブリッドタイプのトリプルドライバーモデルとなる。
TE-BD21j-pnkはTE-BD21jをベースに、ピエール中野氏が、音質だけでなくデザインについても全面監修を行なっており、外装はベースモデルに対してマット調のブラックでまとめられ、ゴールドライン(アンティークゴールド)のアイキャッチが精悍さを演出。往年のJPSロータス(F1マシン)を彷彿とさせるような、かっこよさを際立たせている。
今回はそのベースモデルTE-BD21jとチューニングモデル(TE-BD21j-pnk)を同時に借りることができたので、TE-BD21j-pnkの音質について、その差分を含め紹介してきたい。
TE-BD21j/BD21j-pnkの大まかな特徴としては、先に紹介した「TE-D01m」と同じく、SoCにクァルコムの「QCC3040」を搭載し、最新のBluetoothコーデックaptX Adaptiveをサポートしていることが挙げられる。搭載ドライバーはトリプル仕様で、ダイナミック型は8mm径となる。
ベースモデルBD21jの音質は、さすがに3ドライバーだけあって音に厚みがあり、高域までスッと伸びるレンジの広さがある。ボーカルの再現については、「TE-D01g」と同じく、ボーカル帯域の再現性が美しく、その余韻や響きは豊かで綺麗なもの。BD21jもその美質を受け継ぎ、声(ボーカル)のニュアンスや、息遣いまで繊細に再現してくれる。ただし、低域の再現性については、若干軽い印象もあり、またボーカル帯域に(低音が)少し干渉するような印象も受ける。
さて、それを受けて本題でもあるBD21j-pnkを聴いてみると、リリースにもあるように低域の再現性が大幅に向上しており、どっしりと重心の下がったサウンドが楽しめた。
一方で、重心が下がったことに付随して、全体のレンジも下方へ移動しているようで、ボーカル帯域も低域寄りとなり、その音質は少し野太い感じになる。ただし、リリースにあるようにボーカルの再現性=聴き取りやすさはベースモデルに対して向上しており、伴奏の中からくっきりと浮き上がってくるような印象となる。
また、(ボーカルの)余韻や響きについてはだいぶ制動されているようで、ベースモデルに対してタイトな再現となっている。ロックなどのように、低音が豊富に含まれている音楽ジャンルの再生には向いているだろう。
aptX Adaptiveについては、スマホからの再生では音質的なメリットは感じられないが(aptX Adaptive対応の専用音楽プレーヤーの登場が望まれる)、朝夕の混雑する通勤電車で使ってみたところ、Bluetoothの接続安定性は高く、途切れることはなかった(TrueWireless Mirroringの効果もあると思われる)。加えて、aptXでたまに起こる、バチっというノイズも皆無だった。
BD21j-pnkの主な仕様
Bluetoothバージョン:5.2
対応プロファイル:A2DP、HFP、HSP、AVRCP
対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive
搭載ユニット:8mm径ダイナミックドライバー、バランスド・アーマチュアドライバー×2
感度:92dB
インピーダンス:32Ω
連続再生時間:9時間
充電時間:約1.5時間(イヤホン)
充電ポート:USB Type-C
防水規格:IPX4
BD21j-pnk専用仕様:
ピエール中野による独自のサウンドチューニング
ピエール中野のオリジナルロゴを採用したデザインと専用のカラーリング
オリジナルパッケージデザイン
スペシャルゲストとしてアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」常守朱(CV:花澤香菜)をボイスアナウンスに採用
コラボモデル専用 特別ポーチ付属