オーディオやオーディオビジュアルの世界は日進月歩。次々に新しい技術やそれを搭載した新製品が登場し、入れ替わりも早い。だが同時にそれらは、常に時代の最先端を走っているモデル達でもあり、思い出に残る製品ともいえる。このシリーズでは、弊社出版物で紹介してきた名機や名作ソフトに関連した記事を振り返ってみたい。

画像: 以下の記事はHiVi2011年6月号に掲載されています https://www.stereosound-store.jp/fs/ssstore/bss_reg_hv/413

以下の記事はHiVi2011年6月号に掲載されています

ひたすらに純度を追求したデジタルアンプ。
キレのある力強いサウンドが魅力

<PROFILE>
 A-7VLは、ノイズによるデジタルエラーを抑える独自のVLデジタル技術が骨格のデジタルパワーアンプを積む、先行の「A-5VL」の兄貴分で、さらなるハイファイクォリティを追求しての登場だ。繊細な音楽表現のために開発したVLデジタル技術とデジタルパワーアンプの動作方式であるパルス幅変調の特質を活かしたスピーカー駆動力が最大の訴求点。それらを強化すべく、左右独立電源トランスや電源の供給末端回路のディスクリート化をはじめ、筐体設計では1.6mm厚の鋼板ボトムシャーシの採用や天板と側板にも肉厚のアルミ素材を投入するなどのこだわりを見せる。

 機能的には、A-5VLに搭載されていたトーンコントロールやL/Rバランサーを省略し、いっそうの純度を追求する一方で、MM用フォノイコライザーや最大96kHz/24bitの光と同軸の入力端子を搭載するなど、メディア対応に万全を期している。ちなみにDACチップは高精度な192kHz/24bitタイプを左右独立で採用する。

 フルサイズコンポながら本体は高さ80 mmとスマート。しかし持てばズッシリとする10.7kgの頼もしい感触だ。ボリュウムの操作感は、リモコン対応などによる電子化にあっても、かつての機械式のような素晴らしい反応と感触が味わえ感激した。中身は先端のデジタルだが、表面は使い手に優しいアナログライクである。

<IMPRESSION>
 視聴はエソテリックのCD/SACDプレーヤー「X01」とパイオニアのスピーカー「S2EX」の布陣でCDから聴いたが、さすがに高級機の援軍もあって本格的な訴求力を見せる。

  まずはX01のアナログ音声出力で、カサンドラ・ウィルソンのCD「シルヴァー・ポニー」を聴けば、野太いベースと声に感銘。重厚な低域は音楽のパワー感を育み実に楽しい。次に同軸入力、つまり本機内蔵のD/Aコンバーター経由の音は、X01のアナログ音声出力の低域の凄みこそ後退するものの、鮮明な音像輪郭で音楽を生き生きと快活に描写する。

 パナソニックのBDレコーダー「DMR-BWT3100」のアナログ音声出力と同軸出力で、BS-hiを録画したBD-R「グローリー」を視聴。同軸接続はセリフも音楽のリズムも明瞭だ。うっすらと配したステレオの環境音(効果音)の空気感もよく伝わってくる。痛烈な音の映画BD「プライベート・ライアン」も同軸接続が力強い切れ味で戦争の修羅場を描く。スリムだが侮れないアンプである。

画像: ひたすらに純度を追求したデジタルアンプ。 キレのある力強いサウンドが魅力

プリメインアンプ
ONKYO A-7VL ¥110,000(税別)※価格は当時のもの
●定格出力:40W×2(8Ω)
●接続端子:アンバランス入力端子4系統(RCA)、デジタル入力端子2系統(光、同軸)、フォノ入力1系統(MM)、等
●寸法/質量:W435×H80×D343mm/10.7kg

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