日本の大人気ホラーとして、国内はもちろんハリウッドにまで進出した『呪怨』シリーズ。その構想の元となった実在の事件を『呪怨』スタッフがドラマ化。日本発のNetflixオリジナルシリーズとしては初のホラー作品だ。その家に住んだ家族、足を踏み入れた者に呪いをかける“行ってはいけない家”。リアルな時代考証とともに、その呪いの原点に迫っていく。

オリジナルスタッフが結集し、“呪いの家”の正体に迫る

 Netflixには膨大な映像作品が配信されているが、アクション作品と並んでタイトルが充実しているのがホラー作品。ハリウッド系のホラー作品だけでなく、海外の国のさまざまな作品もあり、その国の文化や風土に根ざした恐怖譚はどれも面白い。

 そして、いよいよ日本を代表するホラー作品のひとつ『呪怨』がNetflixオリジナルシリーズとして登場する。国内でも数多くの作品が制作されたほか、ハリウッド版リメイクもされ、海外でも人気の高いシリーズの原点とも言える物語が、7月3日からNetflixで全世界独占配信となる。

 もちろん制作陣には、『呪怨』シリーズの主要スタッフが結集。プロデュースは、シリーズ作品のすべてに関わる一瀬隆重。脚本は『リング』シリーズを手掛け、ビデオ版『呪怨』などの監修を務めた高橋洋と一瀬隆重。監督は新鋭の三宅唱。彼らによって、『呪怨』シリーズの元となった実在する“呪いの家”の物語が生み出された。キャストには、荒川良々、黒島結菜、里々佳、長村航希らの個性豊かな面々が結集し、“呪いの家”に関わる人々の姿を生々しく演じている。

“その家に行ってはいけない”。さまざまな人々が呪いの家に引き寄せされていく

 物語が始まるのは1988年。心霊研究家として、さまざまな心霊事件を追っていた小田島(荒川良々)は、心霊番組の収録で出会った新人タレント はるか(黒島結菜)と知り合う。はるかには婚約者がおり、その婚約者がふたりの住む新居を探してある家を内見して以来、はるかや婚約者の周囲で不気味な物音や気配がつきまといはじめる。はるかの相談を受けて小田島は調査を行なうが、婚約者はその家について頑なに口を閉ざし、やがて変死してしまう。小田島は原因と思われるその家を調べようとするのだが、ごく普通の民家であるその家を探し当てることは困難だった。同じ頃、転校生の聖美(里々佳)は級友とともに猫屋敷と評判の空き家に侵入。肝試し気分で家の中を探索。そして、悪夢のような事件が発生してしまう。

画像1: “その家に行ってはいけない”。さまざまな人々が呪いの家に引き寄せされていく

 6年後の1994年。ソーシャルワーカーの有安(倉科カナ)は、虐待を受けている子供を救うために(その)両親の元を訪ねていた。しかし、その夫婦もまた……。何の関係のないように思える痛ましい事件の数々が、やがて“呪いの家”に関わったことが原因だと判明していく。果たしてその家には何があったのか。その呪いを解くことはできるのか。

 “呪いの家”の正体を探る物語はミステリアスであり、その家や家に関わった者の前に謎の女性の霊が現れるなど、ホラー作品としての面白さも満点だが、注目したいのはリアルな時代考証だ。退色したフィルムを思わせる色褪せた色調はホラーのムードもたっぷりで、しかも1988年当時の事物をリアルに再現している。小田島が自分の出演した番組をチェックするのはビデオデッキだし、新人タレントのはるかは髪型や化粧、服装なども当時そのもの。彼らが乗る車も当時の人気車であるなど、徹底して1988年や1994年といった時代を再現している。

画像2: “その家に行ってはいけない”。さまざまな人々が呪いの家に引き寄せされていく

 その一方で、“呪いの家”はごく普通の一軒家だ。空き家独特の重苦しい雰囲気こそあるが、ごく普通の家として描かれている。そのミスマッチがまた怖い。やがてその家で数々の惨劇が繰り広げられていく。ドキュメントタッチとも言えるリアルな描写で描かれていくのも実に新鮮だ。

見始めたら止まらない。誰もが“呪いの家”に引き寄せられていく

 『呪怨:呪いの家』は全6話。語り口の上手さもあって、見始めたら一気にラストまで見続けてしまうはず。およそ30年前の昔の時代にあったさまざまな事件を振り返りながら、次第に“呪いの家”の正体が明かされている展開は、ミステリーとしてもよく出来ていると感じる。『呪怨』シリーズのファンならば必見の作品ではあるが、シリーズを見たことがない人でも楽しめる内容になっているので心配はない。原点である本作を見てから、『呪怨』シリーズを見てみるのも良さそうだ。

 海外のホラー作品のような派手さはないが、重苦しい雰囲気や不気味な気配、じわじわと恐さを味わう感覚は日本のホラー作品ならではのもの。夜に見るのはおすすめしないが、本格的な夏を迎えた今、寝苦しい夜をひんやりと過ごすにはもってこいの作品と言えるかも。

Netflixオリジナルシリーズ『呪怨:呪いの家』(全6話)

2020年7月3日(金)、Netflixにて全世界独占配信

出演:荒川良々 黒島結菜
   里々佳 長村航希 岩井堂聖子 井之脇海 テイ龍進 松浦祐也 土村芳
   柄本時生 仙道敦子 倉科カナ

監督:三宅唱 脚本:高橋洋、一瀬隆重 エグゼクティブ・プロデューサー:山口敏功(NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン)、坂本和隆(Netflix) プロデューサー:一瀬隆重、平田樹彦 音楽:蓜島邦明 撮影:四宮秀俊 照明:永田英則 美術:尾関龍生 録音:小松将人 音響効果:柴崎憲治 編集:深沢佳文 視覚効果:松本肇 特殊造型:スクリーミング マッド ジョージ

This article is a sponsored article by
''.