パナソニックから、BS4K/110度CS4Kチューナーを2基内蔵した液晶テレビ、4Kビエラ「HX850」シリーズが発表された。49インチの「TH-49HX850」（市場想定価格16万円前後）と43インチの「TH-43HX850」（市場想定価格14万円前後）で、どちらも6月26日の発売予定だ。
新4K衛星放送の開始から1年以上が経過し、4K番組やUHDブルーレイはもちろん、4K品質の映像配信サービスも充実してきた。パナソニックではそんな状況を受け、拡大する4Kコンテンツを臨場感あふれる画質・音質で楽しめる、東京2020オリンピック・パラリンピック公式テレビとしてHX850シリーズを開発したという。
43インチの「TH-43HX850」
画質面では、臨場感あふれる画質・音質でスポーツ番組もその場にいるかのように楽しめるように考えられている。
まず独自技術の「ヘキサクロマドライブ」を搭載した。3次元カラーマネジメント回路の3D.LUT（ルックアップテーブル）を駆使し、入力された色信号を色鮮やかに美しく再現、人肌などの淡い色や、輝く陰影の中の微妙な色合いまでリアルに映しだしてくれる。
さらに「AI HDRリマスター」も内蔵。AI（人工知能）にSDR映像とHDR映像のデータベースを機械学習させ、その学習データを元に最適な画質処理をすることでSDR映像もHDR映像のように高コントラストに再現している。
4K放送で採用されているHLGについては、新たな画質処理アルゴリズムも採用した。HLGの映像信号に含まれる明るさ情報をシーンごとにリアルタイムに解析し、パネルの持つコントラスト性能を最大限引き出せるように処理を行なう。これにより、あらゆる4K番組を明るく高コントラストに表示できるようになった
そのHDR規格は、「HDR10」「HLG」「HDR10+」「ドルビービジョン」の4方式に対応。パッケージから放送まで、製作者の意図に忠実な映像を再現できるようになっている。加えて、部屋の明るさにあわせてHDR映像を自動調整する「明るさ連動HDR」がドルビービジョンにも対応。4方式すべてで部屋の明暗に関わらず、くっきりとした映像を視聴できるわけだ。さらに複数のHDR機器がつながれることを想定し、すべてのHDMI入力で4K/60p/HDR映像の伝送が可能な18Gbps高速伝送に対応した。
これらの高コントラスト信号を再現するために、LEDバックライトを使った「バックライトエリア制御」と、信号処理による緻密なコントラスト処理により明暗の表現力を高める「エリアコントラスト制御」を搭載。このふたつを組み合わせた「Ｗエリア制御」により、高いコントラスト感と明暗の表現力を両立させている。
背面の端子仕様は両モデルとも共通で、HDMI入力は4端子とも18Gbps対応
さらにHX850ではバックライトを制御するアルゴリズムを進化させ、HDR信号（HDR10/HDR10+/HLG）の情報を解析してバックライトの制御にも活用することで、HDRならではの暗いシーンも高コントラストに表現することが可能になっている。
また音声信号は「ドルビーアトモス」にも対応済みで、テレビの内蔵スピーカーだけで最新立体音響を楽しむことができる。もちろんステレオ音声等からのアップコンバートも可能だ。
放送関連では、BS4K/110度CSチューナーをダブルで内蔵。別売のUSB HDDを接続すれば、4K放送の視聴中でも4Kの裏番組録画が可能（対応HDDの型番は同社サイトで公開予定。また4K放送の2番組同時録画はできない）。他にも2画面表示機能もついているので、地デジやBS/110度CSデジタル放送を2番組表示して視聴できる。
「転倒防止スタンド」は、スタンド底面が設置面から離れる力が働くと、テレビ台にしっかり吸着して、倒れにくくなるもの。小さなお子さんがいる家庭にもおすすめの安心設計だろう。
動画配信サービスについては、「かんたんホーム」にアイコンがあらかじめ登録されているので、ここからダイレクトにアクセス可能だ。各アイコンにサムネイルが表示されるので、アプリを起動しなくてもおすすめの番組などを知ることができ、より見たいコンテンツを見つけやすく進化している。
以上のようにHX850シリーズは、49型、43型とも4Kを楽しむための機能が満載されている。しかも価格は10万円台半ばなのだから、お買い得なのは間違いない。一人暮らしのリビングや、寝室など様々な用途で活用してみてはいかがだろう。
好評の「転倒防止スタンド」も採用。写真は吸着ボタンをオフにした場合で、この状態なら簡単に動かせる
「HX850」シリーズの主なスペック
●画面サイズ（アスペクト比）：49V型/43V型(どちらも16対9)
●パネル：IPS液晶パネル
●画素数：水平3,840×垂直2,160画素
●内蔵チューナー：BS4K/110度CS4K×2、地上デジタル/BS/110度CSデジタル×3
●接続端子：HDMI入力4系統（HDMI 2端子はARC対応）、ビデオ入力1系統、光デジタル音声出力1系統、ヘッドホン出力1系統（サブウーファー端子兼用）、USB端子3系統(USB1端子のみUSB3.0対応)、LAN端子1系統、他
●寸法/質量：TH-49HX850＝W1099×H694×D245mm/約20.5kg、TH-43HX850＝W966×H619×D245mm/約17.0kg（どちらもスタンド含む)
●消費電力：TH-49HX850＝162W（待機時約0.3W）、TH-43HX850＝155W（待機時約0.3W）
※別売壁掛け金具：TY-WK3L2R（￥16,000、税別）
