NETFLIXは10月23日都内で会見を開き、今年後半から2020年にかけて配信を開始する新作アニメを発表した。
同社では2017年の「BLAME!」を皮切りに日本発のオリジナルアニメを制作しているが、昨年の「DEVILMAN crybaby」」の世界的な評判を受けて、社内での「アニメへの感度」が高まり、アニメ制作の本数や体制を強化。現在、NETFLIXのアニメチームの拠点は世界に三つあると言い、二つはアメリカのロスに、一つはこの日本に設置されているそうだ。また、「バキ」や「リラックマとカオルさん」「ULTRAMAN」、あるいは「聖闘士星矢Knights of Zodiac」などのオリジナル作の展開によって、登録者のアニメ視聴時間は90%も向上したという。
それを受け「観たことのない作品を配信する」をテーマに掲げ、今年はさらに製作体制を強化し、日本国内に止まらず、ロシア、中国、オーストラリアなど世界中のスタッフを起用・協業することで、ワールドワイドな体制で新作を創っていくという。そのための施策の一つとして、フランスの学校と提携。卒業生を日本のNETFLIXで受け入れ、製作会社へ派遣し、現場を学ばせているのだという。
さらにNETFLIXのネットワークを通じての世界配信にも力を入れており、28の言語への吹き替え、字幕対応などを行ない、NETFLIXがカバーしている190ヵ国へ配信するなど、世界規模でのアニメ強化策を実行している。
さて、今年注目のラインナップは下記の通り。人気作の続編も用意されており、さらに話題を呼ぶことは必至だろう。
Netflixオリジナルアニメシリーズ「攻殻機動隊 SAC_2045」
2020年春、Netflixにて全世界独占配信
「ULTRAMAN」に続いて神山健治監督&荒牧伸志監督のW監督体制で制作を行ない、シリーズ初のフル3DCGアニメとなる。キャラクターデザインはロシア人のイリヤ・クブシノブ氏が行ない、これはNETFLIXのコンテンツ部門 クリエイティブ・プロデューサー櫻井大樹氏によれば、「リブートによってキャラを若返らせる」目的があるそうで、物語についても、「初見の人にも受け入れてもらいやすい」ような作りになっているそうだ。もちろん、シリーズのファンも楽しめるようになっているという。クレジットはされていないが、草薙素子の声は田中敦子が担当している。
Netflixオリジナルアニメシリーズ「日本沈没2020」
2020年Netflixにて全世界独占配信
(C)“JAPAN SINKS:2020”Project Partners
小松左京の小説を、2020年の時代背景を織り込んでアレンジした意欲作。東京オリンピック直後の日本が舞台となり、これまでの作品では描かれることの少なかった、ごく普通の家族の姿をリアルに表現するという。監督は、「DEVILMAN crybaby」で高い評価を得た湯浅政明が担当しているのも話題だろう。
Netflixオリジナルアニメシリーズ「エデン」
2020年秋、Netflixにて全世界独占配信
日本、中国、台湾、オーストラリア、フランス……と、国際色豊かなスタッフを揃えて製作するグローバライズされたアニメ。人間のいなくなった遠未来を舞台に、農業用ロボットに育てられた少女・サラが紡ぐ物語を映像化した。
Netflixオリジナルアニメシリーズ「オルタード・カーボン:リスリーブド」
2020年春、Netflixにて全世界独占配信
Netflixオリジナルアニメシリーズ「虫籠のカガステル」
2020年Netflixにて全世界独占配信
Netflixオリジナルアニメシリーズ「斉木楠雄のΨ難 Ψ始動編」
2019年12月30日(月)より、Netflixにて全6話全世界独占配信
(C)麻生周一/集英社・PK学園R
麻生周一原作の漫画が、テレビアニメ化を経て、Netflixのオリジナルアニメとして再始動。新キャラクターも加え、さらに速くなったセリフスピードも聴きどころの一つとなる。
Netflixオリジナルアニメシリーズ「Levius」
2019年11月28日(木)より、Netflixにて全12話全世界独占配信
(C)中田春彌/集英社 ポリゴン・ピクチュアズ
戦災孤児となった少年が、人体と機械を融合させて戦う“機関拳闘”に没頭していくさまを、最新3DCGと豪華な声優陣を揃えておくる。
また、発表会では、本日配信日が明らかになった「斉木楠雄のΨ難 Ψ始動編」と「Levius」の主人公の声を充てている声優の神谷浩史、島﨑信長らが登壇、作品のアフレコ(プレスコ)の裏側や魅力を語ってくれた。
「斉木楠雄のΨ難」で斉木楠雄の声を担当している神谷浩史は、とにかく平坦な抑揚でこれでもかという早口でセリフを発していかなければいけないそうで、アフレコを振り返り、しんどい、たいへん、まさに修行と形容していたが、そんな体験をしていても今回の製作決定の報を聞いて、ファンの歓声を聞いて(ファン集合のイベントで製作発表をした)、しんどいけど頑張ろうと、気持ちを奮い立たせたそう。
自身で作品を見直すと、話が進むごとにセリフのスピードがアップしているのが分かるそうで、全話を通して、再度一話目を見直すと、こんなに遅かったっけと、まさにスピードラーニングを試している感覚が味わえるのだとか。しかし、今回のシリーズでは、そのスピードがさらにアップしているそうで、わざとなのか、間違ったのかは不明というが、改定前の台本(セリフを減らしていない)でアフレコを行ない、規定時間に入ってしまったため(頑張って入れたそう)、それがスタンダードとなってしまったそうで、本シリーズではこれまでよりもさらに速いセリフ回しが楽しめるという。報道陣を通して、「とにかく騙されたと思ってみてほしい」というメッセージを発していた。
一方、「Levius」の主人公レビウスの声を担当する島﨑は、「ビジュアルやストーリーからは、とにかく孤高の戦士がハードな戦いに身を投じていくという作品に感じるかもしれませんが、実際はまったく逆で、愛に溢れた、(見て)前向きになれる作品になっています」と、アピールしていた。