ソニーから4Kチューナー内蔵HDDレコーダー6モデルと、2KタイプのHDDレコーダー3モデルが発表された。それぞれの型番と市場想定価格、発売日は以下の通り。

画像: FBT/FBWシリーズのデザインは共通で、どちらもセパレート式のHDMI出力端子を装備している

FBT/FBWシリーズのデザインは共通で、どちらもセパレート式のHDMI出力端子を装備している

●4Kチューナー内蔵HDDレコーダー(11月16日発売)
BDZ-FBT4000 市場想定価格15万円前後(4Kチューナー×2、内蔵HDD 4Tバイト)
BDZ-FBT3000 市場想定価格12.5万円前後(4Kチューナー×2、内蔵HDD 3Tバイト)
BDZ-FBT2000 市場想定価格11万円前後(4Kチューナー×2、内蔵HDD 2Tバイト)
BDZ-FBT1000 市場想定価格10万円前後(4Kチューナー×2、内蔵HDD 1Tバイト)
BDZ-FBW2000 市場想定価格9.5万円前後(4Kチューナー×2、内蔵HDD 2Tバイト)
BDZ-FBW1000 市場想定価格8.5万円前後(4Kチューナー×2、内蔵HDD 1Tバイト)

●2Kチューナー内蔵HDDレコーダー(10月26日発売)
BDZ-ZT1700 市場想定価格6.5万円前後(2Kチューナー×3、内蔵HDD 1Tバイト)
BDZ-ZW2700 市場想定価格6.5万円前後(2Kチューナー×2、内蔵HDD 2Tバイト)
BDZ-ZW1700 市場想定価格5.5万円前後(2Kチューナー×2、内蔵HDD 1Tバイト)

 ソニーによると、HDDレコーダーの売り上げは2017年から台数、金額ともに復調の兆しが出てきているという。これは2011年のアナログ停波時にレコーダーを購入した層の買い替え需要もあるが、加えて昨年末のBS4K放送スタートを受けて4Kチューナー内蔵モデルが伸びていることも大きい。

 実際に同社テレビのブラビアシリーズでは、4Kチューナー内蔵モデルが堅調で、既に売り上げシェアの半分近くが4Kチューナー内蔵テレビになっているそうだ。これを受け、レコーダーでも4K放送への対応が望まれているとソニーでは判断、本気でマーケットを牽引するとしている。その気合いのほどは、4Kチューナー内蔵機を一気に6モデル発表したことからもうかがえるだろう。

 当然ながらこれらの新製品は、4Kレコーダーとしてのスペック、使いやすさにも充分配慮がなされている。

画像: FBT/FBWシリーズは市販の4K UHDブルーレイの再生も可能で、ディスクドライブは本体正面左側に搭載する。本体サイズはW430.2×H56.4×D224.5mm

FBT/FBWシリーズは市販の4K UHDブルーレイの再生も可能で、ディスクドライブは本体正面左側に搭載する。本体サイズはW430.2×H56.4×D224.5mm

 まずFBT/FBWシリーズはすべて4Kダブルチューナーを搭載し、裏番組録画を可能にしている。またFBTシリーズは2Kチューナーも3機搭載されているので、最大で4K番組をふたつと2K番組ひとつの3番組同時予約が可能という(FBWシリーズは2Kチューナーを2機搭載)。

 また予約操作についても、一部の他社製品では予約する順番によっては4K放送の裏番組録画が設定できない場合があるが、FBTシリーズではどんな順番で予約しても4K放送のダブル録画が可能になるようにシステムが組まれているそうだ。

 4K放送については、ラグビーワールドカップやオリンピック関連では、民放チャンネルでもネイティブの4K番組が増えていくと期待される。そうなった場合には裏番組予約をする機会は増えるはずで、今回の配慮も活きてくることだろう。

 さらに4K放送を録画する機会が増えると、HDD容量が気になってくる。現在の4K放送は28Mbps前後のビットレートであり(編集部調べ)、これは2K地デジの1.5倍近い値だ。当然録画できる番組も減ってしまう。

 そこでFBT/FBWシリーズには、4K放送の長時間録画機能も搭載された。圧縮コーデックはHEVCのままで、XR(1.5倍/22Mbps)、XSR(2倍/16Mbps)、SR(3倍/211Mbps)、LSR(4倍/8Mbps)、LR(5倍/6Mbps)、ER(8倍/4Mbps)、EER(11倍/3Mbps)の7段階を準備している。ただしソニーでは4K放送の本来の魅力を楽しむならDRモードを使って欲しいと話しており、工場出荷時の録画モードはDRに設定されている。

 なおFBT/FBWシリーズで長時間モード予約した場合は、一旦HDD上にDRモードで録画して、空き時間に長時間モードに変換しているそうだ。変換には4K→4Kでほぼ等倍、4K→2Kの場合は実時間よりも長くかかることがあるという。

画像: FBTシリーズのフロントパネル。写真は4K放送をふたつと2K放送の3チャンネルを同時録画しているところだ

FBTシリーズのフロントパネル。写真は4K放送をふたつと2K放送の3チャンネルを同時録画しているところだ

 デモンストレーションでXSR(2倍)やEER(11倍)に変換した映像を見せてもらった。CGによる4K番組の録画素材では、XSRではDRにくらべて極端な劣化はない。画面全体の輝度やディテイルの再現に若干の違いが感じられたが、連続ドラマなどを楽しむなら充分だろう。エアチェックファンにとっては、地デジと同じ16Mbpsのビットレートでこの画質が保存できるのはありがたい。

 EERは絵が甘くなる。今回の長時間記録では4Kの画素数は保ったままビットレートのみ抑えているそうだが、さすがに3Mbpsは厳しいようだ。インタビューなどの動きのない映像で、内容を確認するといった使い方にはいいだろう。

 なお4K放送ではトランスポート方式としてMMT(マルチメディアトランスポート)が使われているが、今回のFBT/FBWシリーズではDR録画、長時間録画ともTS(トランスポートストリーム)に変換している。これはDRモードで録画した番組と長時間モードで録画した番組をタイトル結合するなどの編集面に配慮したものという。

 ただし一方で、FBT/FBWシリーズで4K放送を記録したディスクは、既発売の同社製UHDブルーレイプレーヤーでは再生できないそうだ。他社製レコーダーやプレーヤーとの互換性の検証もこれからになるようだ。市販のUHDブルーレイ再生はもちろん可能だが、HDR方式のドルビービジョンには非対応だ。

 その他のレコーダーとしての機能では、1ヵ月前から新作の予約ができる「新作ドラマ・アニメガイド」が4K放送でも使えるようになっている。他にも「おまかせ・まる録」「番組名予約」「スマホで録画予約」などの人気機能は4K放送への対応を果たしている。

 また細かいことだが、番組表のスクロール速度が2倍以上高速化(2018年モデル比)しており、番組を探す際もストレスを感じることはないだろう。なお番組表は2K解像度で表示されている。

画像: 2KモデルのZT/ZWシリーズはW430×H43.9×D208.6mmの薄型デザインを採用。HDMI端子は1系統のみ備える

2KモデルのZT/ZWシリーズはW430×H43.9×D208.6mmの薄型デザインを採用。HDMI端子は1系統のみ備える

 2Kチューナー仕様の3モデルは、ZTシリーズが地デジ/BS/110度CSデジタル3チューナー、ZWシリーズが同2チューナーという構成になる。

 機能面では「おまかせ・まる録」「番組名予約」「みんなの予約ランキング」などを搭載済みで、「新作ドラマ・アニメガイド」にも後日のファームウェアアップデートで対応する予定とのこと(12月実施予定)。

 なお今回発表された9モデルはいずれもNetflixなどの動画配信サービス再生機能は搭載していない。それらのサービスはテレビ側で楽しんでもらいたいということだろう。

 またソニーでは今回の新製品発売に合わせてキャッシュバックキャンペーンを開催する。4Kブラビアのユーザーもしくはキャンペーン期間中に4Kブラビアを購入した人で、FBT/FBWシリーズ6モデルのいずれかを購入するともれなく¥10,000がキャッシュバックされるそうだ。

 キャンペーンの購入期間は2019年9月2日〜2020年1月31日(予約購入も可)で、応募期間は2019年11月16日〜2020年2月21日11:00まで。キャンペーンサイトが公開されるので、応募はそちらから行なっていただきたい。

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