アポロ11号による人類初の月面着陸(1969年7月20日)から50周年を迎える今年、アメリカ公文書記録管理局(NARA)とNASAにより発掘された秘蔵映像と音源によって制作されたドキュメンタリー映画「アポロ11 完全版」が、年初の米国公開を経て、日本でも公開される。日付は月面着陸を達成した7月20日の前日となる7月19日(金)で、109シネマズ二子玉川ほかで緊急公開となる。
アポロが地球を飛び立った記念日でもある7月16日には、都内で特別先行試写会が行なわれ、宇宙との関係も深い各界からのゲストが登壇してトークショーも披露された。登壇したのは、民間で開発した宇宙ロケットの打ち上げに成功した堀江貴文、宇宙飛行士の山崎直子、2027年に日本初の有人宇宙飛行を目指すSPACE WALKERの眞鍋顕秀、MCを務めたのは宇宙飛行士を目指すタレントの黒田有彩という面々。
本作では、アポロ11号のロケット発射前の乗組員、管制官などのスタッフの姿から、発射、月面着陸、そして帰還までの9日間のドラマを約93分の映像にまとめているが、なによりも素晴らしいのは、これまで存在の知られていなかった映像が、しかもそれが70mmフィルムで発見されたことだろう。その映像をあますところなく取り込むために、最大8K解像度のスキャナーで、HDR仕様でスキャンされ、最終的に4Kのマスターが制作されたという。
本編には各種サイズ、フォーマット(70mm、おそらく16mm、ビデオ)の映像が混在するが、発射シーンや、帰還後の回収風景(空母ホーネット)を収めた70mmによる映像は圧巻。まるで今年撮影・公開される最新作のような臨場感をもって、観るものに迫って来るのだ。映像の鮮明さは言うに及ばす、中でも発射シーンでサターンロケットの横に立つ発射塔の赤のビビッドさには感嘆するしかない。また、その発射シーンの轟音は終始ウーファーが鳴りっぱなしというほどの圧で迫ってくるので、将来パッケージ化された際の、自宅再生時のクォリティチェックにも役立つだろう。
さて、上映後のトークショーに登壇した堀江氏は、「(ロケットエンジンの)インジェクターの種類がとにかく気になって」と、技術者視点でのコメントをしていたが、本物の映像で構成された本作の出来栄えに「ドキドキした」と素直な感想も吐露していた。
山崎氏は、「月面着陸のところは、意外と降下速度が速くて驚いた」そう。また、宇宙飛行士と通信を行なうキャプコムに、パイロット仲間が出てくるところを見て、自身が宇宙飛行をした際、そのキャプコムを土井隆雄氏が務めてくれたエピソードを語り、「親近感がわきますね」と嬉しそうな表情をしていた。
眞鍋氏は、自身が生まれる前の映像に感動したそうで、中でも発射シーンの轟音には強い印象を残したという。そして、50年も前に月面へ行く技術が確立していたことを踏まえ、「一般の人でも宇宙へ行ける時代を早く実現したい」と意欲を新たにしていた。
「アポロ11 〔完全版〕」
7月19日(金)より109シネマズ二子玉川ほか全国ロードショー
配給:東北新社 STAR CHANNEL MOVIES
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