デビアレジャパンは、7月11日夜に伊勢丹新宿本館5階で、招待者に向けた【音】のイベントを開催した。これは同ブランドの製品を使って、デビアレにしか創り出せない音質を体験してもらおうというものだ。

 デビアレは、パリに本社を構えるオーディオブランドで、現在は高性能なオーディオアンプやワイヤレススピーカーを多数ラインナップしている。

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画像: 試聴室にセットされたPHANTOMシリーズ。小さい方が「PHANTOM REACTOR」で、一回り大きい方が「PHANTOM PREMIER」

試聴室にセットされたPHANTOMシリーズ。小さい方が「PHANTOM REACTOR」で、一回り大きい方が「PHANTOM PREMIER」

 その主なラインナップは、ワイヤレススピーカーが全長約342mmの「PHANTOM PREMIER」と、より小型で全長219mmの「PHANTOM REACTOR」で、出力違いで前者が2機種、後者は4機種を準備している。

 製品の仕様としては、繭のような形をしたアクティブスピーカーで、正面に中・高域を再生する同軸ユニット(PHANTOM REACTORはフルレンジユニット)をひとつ、本体両サイドには低域用のウーファーを2基搭載する。

 両シリーズともデビアレの独自技術である「ADH(アナログ・デジタル・ハイブリッド)」や「SAM(スピーカー・アクティブ・マッチング)」「ACE(アクティブ・コスフェリカル・エンジン)」を搭載、アクティブスピーカーとして同社の考える最高の音を目指しているそうだ。

画像: 薄型アンプの「EXPERT PRO」

薄型アンプの「EXPERT PRO」

 もうひとつのアイテムはW400×H40×D400mmという薄型デザインの美しいアンプ「EXPERT PRO」シリーズだ。こちらはDACやフォノ入力、ストリーミング再生といった機能を備え、ステレオ/モノーラルといった構成や出力違いで各3機種、合計6モデルが揃っている。

 PHANTOMシリーズは今回の会場となった伊勢丹新宿本館5階の他に、蔦谷家電やMOMA DESIGN STOREに展示され、試聴室でも体験可能となっている。またアンプのEXPERT PROシリーズは、ダイナミックオーディオでの展示がスタートしているそうだ。

 11日のイベントでは、PHANTOM PREMIERの上位モデルとなる「GOLD PHANTOM」(¥399,000、税込)で再生した音と、チェリスト 笹沼 樹氏が演奏する生音でどれくらいの違いがあるかを実際に体験できるようになっていた。

画像: チェリスト 笹沼 樹氏が、GOLD PHANTOMとの共演(?)を披露

チェリスト 笹沼 樹氏が、GOLD PHANTOMとの共演(?)を披露

 笹沼氏が登場し、まずはバッハ『無伴奏チェロ』のプレリュードを演奏してくれた。ちなみに司会を務めてくれた音楽プロデューサーの坂田康太郎氏によると、笹沼氏のチェロは1771年製のランドルフィで、価格は片手(億円)ほどするそうだ。

 演奏がスタートすると、来場者は皆その音に静かに聴き入っていた。しかしよくよく見てみると、笹沼氏の手が止まっている。この時の演奏は坂田氏曰く“口パク”で、GOLD PHANTOMの音に合わせて演奏しているフリをしていたというわけだ。なんとも大胆な演出だが、それくらいデビアレが自社製品の音に自信を持っている証だろう。

 続いてはスピーカーと生音の共演という趣向で、ショパンの『ノクターン』が演奏された。曲を低音部、中音部、高音部に分け、低音部と中音部については、事前に笹沼氏の演奏を録音しておいてGOLD PHANTOMで再生する。それに合わせて高音部をその場で演奏したら、きちんとした楽曲としてまとまるのかという試みだ。

 笹沼氏も「最初に話を聞いたときは、スピーカーの音とチェロの生音を一緒に鳴らすなんて無理だと思いました。しかしこのスピーカーは上から下までバランスが取れているので、楽曲としてちゃんと聞いていただけたのではないかと思います。自分の呼吸を聞きながら演奏するのは貴重な体験でした」と話していたが、確かに録音された中〜低域と演奏された高域に違和感はなく、まとまりのいい音場が再現されていた。

 ちなみに笹沼氏は海外演奏会から帰ってくると伊勢丹を散策するのが習慣とかで、「閉店後の伊勢丹に入ってみたかったので、今回の依頼を受けたんです」と告白して、会場の笑いを誘っていた。

画像: Devialet Japan 事業開発マネージャーのルカ・フェネック氏がブランドについて解説していくれた

Devialet Japan 事業開発マネージャーのルカ・フェネック氏がブランドについて解説していくれた

 Devialet Japan 事業開発マネージャーのルカ・フェネック氏によると、デビアレは音楽好きの技術者が友人と一緒に創立したそうだ。最初の製品からデジタルとアナログのハイブリッドというコンセプトで作られており、それはEXPERT PROシリーズに受け継がれている。

 「この革新的なデバイスを、誰でも手軽に楽しんでもらえるようにとPHANTOMシリーズを発売しました。私たちの製品は体験型モデルなので、どのお店でも必ず音を聴いてもらえるようにしています」とも話してくれた。

 そこで、伊勢丹5Fに設けられた試聴室にもお邪魔してみた。ここは防音硝子(わざわざイタリアから取り寄せたとか)で囲まれた空間だ。PHANTOM GOLDを2台ペアリングしたステレオ設置で、テクノやロック、女性ボーカルなどを聴かせてもらったが、部屋全体が揺れているのではないかと思うほどの豊かな低音が再現されていた。

 再生ソースには音楽ストリーミングを使っているとのことだったが、お願いすれば他の音源も聴かせてもらえるそうなので、気になる方は伊勢丹まで足を運んでいただきたい。テレビモニターも準備されているので、映像配信も体験可能という。

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