Dynabookは7月9日、都内で会見を開き、今年展開する新サービスの事業戦略についての発表を行なった。
冒頭登壇した同社代表取締役社長 覚道清文氏は、今年1月社名をDynabookに変更した際に表明したビジョン――「コンピューティングとサービスを通じて世界を変える」に内包される、ハードとソフト（サービス）のジャンルのうち、ソフトにあたる部分の新事業についての詳細（サービス事業拡大戦略）を明らかにした。
▲Dynabook 代表取締役社長 覚道清文氏
その戦略の柱は大きく5つ。
１ 国内サービス商品を、サービス、デバイス、プラットフォームの3つに体系化
２ サービス、ソリューション商品を強化し、事業領域を拡大
３ シャープとの連携を強め、8Kエコシステムを軸にしたデバイス、サービスの創出
４ 社外の企業との連携を強化
５ 国内展開のサービス、ソリューションを海外に拡大
となる。
中でも、当日のメインとなるのは、「4」であり、当日発表されたのは、マイクロソフト社のクラウドサービスとの連携強化という内容だった。
それについて詳しく記せば、2020年1月にはWindows7、およびWindows Server 2008のサポート終了、同年10月にはオフィス2010のサポート終了という、おもにビジネス環境におけるパソコン運用面での大きな変化があり、先述の戦略「１」における「サービス」に含まれるWindows 10環境への移行サポートをマイクロソフトと協業し、「Enterprise Mobility＋Security導入支援サービス」として、8月1日よりサービスを開始する、ということだ。
同社が行なったアンケートによれば、Windows 10環境への移行・導入が必要と思われる顧客の中で、導入にまつわる不安や、導入後の運用管理などに不安を覚える事業者が多かったといい、そうした声に応える形で今回の新サービスの導入を決めたのだという。もちろん、ヘルプデスクや運用代行サービスも同時に用意される。
会には、日本マイクロソフトの執行役員 梅田成二氏も登壇し、2015年のWindows XPサポート終了時の経験を踏まえ、「国内にはまだ、Windows7パソコンが800万台ほど稼働しています。昨年2018年の国内PC市場は好調で、約740万台のセールスを記録しましたが、今年から来年にはかけては、移行需要によって50～60％の拡大が見込まれます」とコメント。両社の協業によって、そうした需要を取り込み、さらなる事業の拡大を推進していきたい、と結んだ。
▲覚道社長（左）と日本マイクロソフトの執行役員 梅田成二氏（右）
ちなみに、ステレオサウンド ONLINE読者が気になるであろう「3」の8Kエコシステムについては、8K映像の入力（撮影）はシャープ製8Kカメラを使い、その映像の編集システムとして、8Kモニターを備えた8K PCを今後、ラインナップしたい、ということだった。
▲「dynabook day 2019」の8Kゾーンに展示されていた8K PCのコンセプト
▲シャープ製8Kカメラ（同上）
▲参考展示されていた70V型の8Kタッチディスプレイ（同上）。表示されているのは、およそ23K相当の静止画
▲Dynabookの歴代モデル
