テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズ(TADL、以下TAD)は、Referenceシリーズのフラッグシップモデルとなるスピーカー「TAD-R1TX」を7月下旬に発売する。価格は¥5,000,000(1本、税別)。

画像: TAD Referenceシリーズの新フラッグシップスピーカー「TAD-R1TX」。7月下旬発売。写真はエメラルドブラック

TAD Referenceシリーズの新フラッグシップスピーカー「TAD-R1TX」。7月下旬発売。写真はエメラルドブラック

画像: 「TAD-R1TX」のベリルレッド

「TAD-R1TX」のベリルレッド

 TAD-R1TXは、「TAD-R1」や「TAD-R1MK2」の系譜を引き継いだ同社最高峰に位置するスピーカー。ブランドのフィロソィーでもある音場感や音像感の再現性を、より深く掘り込んで“深化”させるべく、今回は日本発であり、世界でも有数な木工技術を持つ「天童木工」との協業を実施。同シリーズの持つSILENTエンクロージャーの製法に、彼らの持つ匠の技を投入することで制振性を極限まで高めるととともに、木工製品としての仕上げの美しさもアップさせているという。

 TAD-R1MK2からTAD-R1TXへの主な進化(変更)点としては、先述の通り、天童木工とのコラボによる、木工に関わる内部構造や外装(後述)に関する仕上げがひとつ、ふたつめはウーファーユニットの改良が挙げられる。

 簡潔に記せば、天童木工の持つ高い曲げ加工技術を使うことで、主に曲面部分の接着強度をアップさせることができ、結果としてキャビネットの強度や制振性の向上に大きく寄与しているという。

 また、エンクロージャーの外観には、TAD-R1MK2と同じく天然木「ポメラサペリ」の突板を使用しており、カラリングはトゥイーターの振動板の材料でもあるベリリウムの原料「ベリル」にちなみ、「エメラルドブラック」および「ベリルレッド」の2色をラインナップ。合計30にも及ぶ塗装工程の後、熟練の職人の手による研磨、磨き仕上げが行なわれて完成となる。このポメラサペリの突板を、本体後部を構成する曲面=いわゆるガワに貼り込むところにも、天童木工の技術が活かされているそうだ。

画像: カラリングはエメラルドブラック(左)とベリルレッド(右」の2色をラインナップ

カラリングはエメラルドブラック(左)とベリルレッド(右」の2色をラインナップ

 ウーファーユニットについては、発泡アクリルイミドをアラミドファイバーで包み込んだTLCC振動板(250㎜径)など、基本的な構造はTAD-R1MK2搭載品とほぼ同等であるが、いくつかの改良が行なわれている。ひとつは、ダンパー部分の材質変更であり、従来品よりも柔らかくすることで、初動感度を向上させている。二つ目は磁気回路の変更。ショートボイスコイルタイプのOFGMS回路を搭載しているところはTAD-R1MK2と同じだが、長さを37mmから33mmへとよりショート化(両端を2mmずつ縮小したという)。より動作の安定性を向上させているという。結果として、反応速度や駆動力、軽量化の3点においてスペックの向上を達成できたそうだ。

 なお、クロスオーバー周波数は、TAD-R1MK2同等に、250Hzと2kHzを割り当てているが、250Hz部分の設定を見直すことで、歪を大幅に低減。従来でも-50dBという数値を誇っていたというか、本モデルでは-56dBものスペックを実現したという。

 入力ターミナル周りは前モデルと同じく、27mm厚のアルミプレートに、真鍮削り出しの大型端子を組み合わせている。バイワイヤリング対応。

TAD-R1TXの主な仕様
型式:3ウェイ位相反転式フロア型
スピーカー構成:3ウェイ
ユニット:同軸3.5mmドーム型ツィーター/160mmコーン型ミッドレンジ×1、250mmコーン型ウーファー×2
再生周波数帯域:21Hz~100kHz
クロスオーバー周波数:250Hz、2kHz
出力音圧レベル:90dB(2.83V・1m)
最大入力:300W
インピーダンス:4Ω
ユニット極性:低域(+)、中域(+)、高域(+)
寸法:W554×H1293×D698mm
質量:150kg

【関連記事 パイオニアが「TAD」コンシューマー用フラッグシップモデル「TAD Reference One」を発売】
http://www.stereosound.co.jp/news/article/2007/02/06/1137.html

This article is a sponsored article by
''.