ヤマハからフロントサラウンドシステム「YAS-109」が発表された。市場想定価格¥27,000前後で、7月上旬の発売予定だ。
ヤマハによると、世界中でワンバータイプのフロントサラウンドシステムは人気だという。特に北米やヨーロッパでは台数も伸びており、2019年も順調な推移が期待できるそうだ。
特に同社が昨年発売した「YAS-108」は国内外で人気で、トップシェアを誇っているという。しかも「クリアーで鮮明な音がする」「音の広がりがある」といった具合に、実際に試聴してから購入を決めたユーザーが多いのも特徴だ。
そんなYAS-108の後継機となるYAS-109だけに、音質・機能面を含めてそれなりの進化がないといけないと開発陣も考えたようだ。
そのためにまず、ネットワーク関連機能を搭載した(2.4GHz帯域の無線LAN、有線LANに対応)。機能面では、Amazon Alexaを内蔵し、ボリュウムコントロールや入力切り替えを音声操作でできるようになっている。
さらに、音楽配信サービスのAmazon MusicやSpotifyにも対応している。これにより、音楽ストリーミングも簡単に再生できるわけだ。しかもSpotifyはPremium & Freeアカウントに対応するなど、ユーザーにとって嬉しい仕様となっている。もちろんYAS-109はSpotify Connectから操作可能だ。
またヤマハでは新しいアプリの「Sound Bar Controller」も準備している。これをスマホやタブレットにインストールし、家庭内ネットワークにYAS-109をつなげばNAS(ミュージックサーバー)に格納した楽曲を楽しむこともできる。
ちなみにLAN経由では、最大192kHz/24ビットまでのWAV/FLACや96kHz/24ビットまでのアップルロスレスのデコードが可能という。ただしスピーカーはハイレゾ対応を謳っていないので、通常音質での再生となる。
その内蔵スピーカーは、L/R各チャンネルに2.5cmトゥイーター+5.5cmミッドレンジ+7.5chサブウーファーを搭載する。ユニット自体は前モデルのYAS-108から一新されているとかで、従来以上の繊細さ、クリアーさを獲得しているそうだ。ユニットの取り付け位置はトゥイーターが本体正面向き、ミッドレンジとウーファーは本体天面だ。
なおヤマハとしてはYAS-109のようなサウンドバーは日常的に音を聴いてもらうためのアイテムと捉えており、そのためにきちんと情報を再現できる、聴き疲れしない音を実現したとのことだった。
フロントサラウンドシステムとしてはDTS Virtual:X技術を搭載している。しかもDTS Virtual:Xをそのまま使うのではなく、パラメーターにヤマハ独自のチューニングを加えているそうだ。それもあって、空間の広がりや聴きやすさが優れているのだろう。
またこれもヤマハ独自の機能として、DTS Virtual:Xにオリジナルモードの掛け合わせを実現している。「Cinema」「Music」「Sports」「TV Programme」「Movie」の5種類で、低音の再現性などを細かく変えているようだ。なおこれらの切り替えもSound Bar Controllerアプリから操作できる。
接続関係としてはHDMI出力(ARC対応)とHDMI入力を各1系統と、光デジタル入力、サブウーファー出力、LAN端子、アップデート用USB端子を装備。HDMI入力からはリニアPCM5.1ch、ドルビーデジタル/DTS、放送のAACを受け付けてくれる。HDMI端子は4K/HDR10/HLG信号のパススルーが可能だ(HDCP2.3にも準拠)。
音声信号は先述のストリーミングの他にBluetooth(マルチポイント接続には非対応)での再生が可能で、コーデックはSBCとAACに対応している。
本体サイズはW890×H53×D131mm/質量3.4kgで、40〜50インチのテレビとの組み合わせにもぴったりだ。ラック載せの他に壁掛け設置も可能で、その場合はトゥイーターが下向きになるので、YAS-109が置き方を自動判別して指向性を変えているとのことだ。
発表会では、ブルーレイの映画コンテンツやテレビのスポーツ中継録画、Spotifyでの音楽ストリーミングなどを体験させてもらった。いずれも快活でキレのいいサウンドと、量感のある低域を再生してくれる。
サウンドバーシステムは、昨今のリビングでのメインオーディオともいえる存在だ。3万円前後の価格帯で、映画から音楽ストリーミングまでこれだけの満足度で楽しませてくれるYAS-109は、2019年の注目モデルになりそうだ。