NECパーソナルコンピュータは5月14日、都内で会見を開き同社ノートパソコンの2019夏モデル3シリーズを発表した。
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ここでは、軽量パソコンのジャンルを切り拓いたノートタイプのフラッグシップLAVIE Hybrid ZEROの後継として、新たなフラッグシップに位置づけられる「LAVIE Pro Mobile」をメインに紹介したい。
冒頭に登壇した同社執行役員の河島良輔氏によれば、今年は、Windows7のサポートの終了と増税が同じタイミングとなることから、「かつてWindows XPのサポート終了と増税が同時に実行されたときと同じく、パソコンの買い替え需要が高まることが予想される」とのことだ。また、NECが家庭用のパソコンとして人気を博した「PC-8001」を発売してからちょうど40周年のメモリアルイヤーでもあることから、「今後のパソコン市場を活性化させるような製品を作りたい」という熱い思いが、今回新フラッグシップとなるLAVIE Pro Mobileに込められているのだという。
開発のテーマは3つ。LAVIE Hybrid ZEROが目指していた「世界最軽量」という指標は外しつつも、モバイル性=機動性を保ちながら、生産性(パソコンとしての)を高める仕様とすること。結果、同社が新たなターゲットとするプロシューマ―(パソコンをビジネス、プライベート両方で使うユーザー)の要望を取り入れ、(1)長時間バッテリーの搭載、(2)高デザイン性、(3)剛性の高いボディを念頭に据え、開発に取り組んだそうだ。
その新たな指標については、ユーザー調査を行ない、軽量化についてはおよそ80%以上が満足するものとして900gを切ること、駆動時間については20時間以上を目指すこと、が具体的な数字として採用された。
また、開発に携わった同社シニアエバンジェリスト 森部浩至氏によれば、そもそもの(開発の)スタートは、通例では、先述のスペック要件を満たすような設計から始めるそうだが、今回のLAVIE Pro Mobileについては、森部氏を筆頭に、開発スタッフやデザイナーが、「こういう製品がほしい」というニーズを具現化したモックを始めに作り、それを実現するために必要な事柄をクリアしていったのだという。
今回、天面に採用したカーボンは、新構成になっているそうで、積層構造の間に挟まれたコア層の作り方が、剛性アップに大きく寄与しているという。ちなみに、筐体の素材は天面が新構成のカーボン、キーボード面はマグネシウム・アルミニウムのダイキャストを成型後に切削加工、底面はマグネシウム・リチウム合金をプレスして成型しているそうだ。
なぜ天面のみをカーボンにしたのか聞いてみると、コストの面も大きかったそうだが、ユーザーから多く寄せられた意見が、「(前モデルの天面は)ペナペナして安っぽい」というものだったことから、より剛性をアップさせる(ペナペナしない)ための解決策というニュアンスもあったようだ。
ただし、天面をカーボンにしたことで、質量は半分、剛性は倍、という結果も得られ内蔵バッテリーの駆動時間は、前モデルの倍を確保しながら、質量は+6gに抑えられている。
発売は5月16日より。店頭モデルはCPUがCorei5、i7の2種類がラインナップされるが、同社オンライン限定モデルでは、Corei3や、タッチパネル、メモリー16GB、LTE対応などのカスタマイズも可能となる。