東京にある老舗遊園地「としまえん」を舞台にしたホラー作「映画 としまえん」が、いよいよ5月10日(金)より全国公開される。都市伝説と遊園地を見事な手腕でコラボさせたのは、本作が長編映画デビューとなる高橋浩。氏の期待に応え、繊細な芝居を見せたのは、近年、女優として目覚ましい活躍を見せている北原里英だ。公開に先駆けて、大好きというホラー作への出演が叶った彼女にインタビューした。

画像1: 北原里英/「映画 としまえん」で念願のホラー作初主演を飾る。「怖さだけでなく、そこに描かれている人間模様、遊園地ではしゃぐ姿も合わせて観てほしい」

――ホラー作への主演、おめでとうございます。
 ありがとうございます。しっかり怖く仕上がっていたし、加えてメインキャストの人間模様も楽しんでもらえる作品になったと思います。

――ホラー作での初主演ですが、演じる上で留意した点は?
 ネタばれにならないようにお話すると、ラストである役割を受け持つので、そこは大事にしないといけないなとすごく思いました。私の演じた早希の本性が垣間見えるところなので。

――そこに至るまでの早希は、いわゆる普通の女の子でした。
 そうなんです。だからこそ変節するそのシーンをより強く見せるために、そこまでに描かれる日常では、無色透明というか、普通の女の子であろうと思いました。ただ、八方美人的な感覚はありましたけど。

――そうした裏の顔を持ちつつ、うわべを繕う人間関係のお芝居はいかがでしたか?
 普段の早希の性格そのものは、割と自分にも似ている部分があるかなと感じたので、その意味では心情も分かりましたし、やりにくいということはなかったですね。

画像2: 北原里英/「映画 としまえん」で念願のホラー作初主演を飾る。「怖さだけでなく、そこに描かれている人間模様、遊園地ではしゃぐ姿も合わせて観てほしい」

――すると、役づくりは?
 自分の延長線上な感じでできたと思います。

――初めに台本を読んだときの感想は?
 早希は主人公なんですけど、セリフが一番少なくて。もしかすると一番話していないかも、というぐらい、受けの芝居が多いんです。台本にも「早希 ……」という表記が多くて(笑)。このセリフ量で、周りには結構個性的な役柄の子が揃っているので、その中で、自分が主人公である意味を見つけるのは、難しそうだなと感じましたね。

――……の演技は難しいですか?
 いやぁ、本当に難しいです。

――受けのお芝居はどのように演じたのでしょう。
 ちゃんとすべてのセリフを受けよう、と思って演じました。それは、お芝居の基本ではあるんですけど、改めてその基本を学ばせていただいた現場でした。みんなの言葉にちゃんと反応しよう、けど自分からはアクションを起こさないようにしようって。

――ちなみに、北原さんから見た各キャストの役の印象は?
 みんな役にぴったり合っているなと感じました。けど、意外と素は正反対だったりして、面白い配役だなとも思いました。

――役の上では杏樹を演じた小島さんがリーダー的な立ち位置でした。
 実際には、リーダーというかまとめ役は、一番年下の浅川さんがうまくやってくれました。一方、小島さんは役とは正反対のマイペースな方で、ああ女優さんっぽいなと感じました(笑)。物語の鍵を握る小宮さんは、本編ではかわいくて、少しおどおどした感じでしたけど、実際にはすごくテキパキして、サバサバした性格なんです。

――そんな中のよいグループですけど、ある闇を共有しています。
 そうなんです、それこそがこの作品の鍵になるんですけど、早希も含めて、自分たちは当事者じゃないって思っているし、忘れたいっていう気持ちも強かったので、最後の最後まで本当に忘れていたのかも、と感じています。けど、後ろめたさのようなものは、心の隅にちょこっとあって……という芝居を、ところどころで見せるように心掛けました。

画像3: 北原里英/「映画 としまえん」で念願のホラー作初主演を飾る。「怖さだけでなく、そこに描かれている人間模様、遊園地ではしゃぐ姿も合わせて観てほしい」

――ホラー作の撮影では、何かしら怖い現象が起きると聞きますが、本作ではいかがでしたか。
 特に怖いことはなかったですね。ここ5年ぐらいはそういう経験はないです。

――それより昔は?
 そこそこありましたよ(笑)。とある地方にロケに行った時に、普段は使っていない別館に泊まったんです。着いたときから怖い雰囲気があって! その時は一緒に泊まった全員が何かしらを感じていて、次の日には部屋を変えてもらいました。けど、そんなの気にしないよって、同じ部屋に泊まった子もいました(笑)。

――ちなみに、本作で一番ホラーなシーンは?
 やはり、お化け屋敷のところですね。分かっていてもびっくりしましたから。劇場の大きなスクリーンでぜひ驚いてほしいです。

――北原さんはホラー好きですけど、これは苦手っていうものはありますか?
 もちろん、ありますよ。痛そうなのとか、グロいのは少し苦手ですね。個人的には、日本的な怨念が渦巻いて、という作品が好きです。その意味では「映画 としまえん」はきちんとジャパニーズホラーになっているし、ストーリーもしっかりしているし、すごくいい作品に出演できたなとうれしく思います。心理的な恐怖を存分に味わえて、ホラーが苦手な人もギリ大丈夫だと思うので、毛嫌いせずに観ていただけたら嬉しいです。

――心霊スポットは行くほうですか?
 いえ、自分が心霊体験をするのは嫌なので、絶対に行きたくないです!(笑) ただ、都市伝説的なものを、聞いたり見たりするのは好きです。最近は、AIネタにはまっています(近い将来、AIが人間に対して行動を起こすという予想)。もう「ターミネーター」の世界ですね。

――では、ホラーに関係したお仕事でやってみたいのは?
 「世にも奇妙な物語」に出てみたいです。主人公の友達とか、すぐに死んじゃう役でいいので、お願いします(笑)。

画像4: 北原里英/「映画 としまえん」で念願のホラー作初主演を飾る。「怖さだけでなく、そこに描かれている人間模様、遊園地ではしゃぐ姿も合わせて観てほしい」

――最後に、見どころをお願いします。
 ホラー作なので、もちろん怖いシーンもありますが、序盤のほうにはただただ遊園地で楽しんでいる女の子たちの姿――各キャストの素が出ています――が収められているので、そんな楽しそうな雰囲気も味わってほしいです。

映画「映画 としまえん」
5月10日よりユナイテッド・シネマとしまえん ほか全国公開
<キャスト>
北原里英、
小島藤子、浅川梨奈、松田るか、さいとうなり、小宮有紗 ほか
<スタッフ>
監督・脚本:高橋浩
特別協力:株式会社豊島園、西武鉄道株式会社、練馬区/ねりま観光センター
特別協賛:イーストウッド株式会社
配給:東映ビデオ
(C)2019東映ビデオ

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