BenQ(ベンキュー)ジャパンから、家庭用4Kプロジェクターの新製品「HT5550」が発表された。市場想定価格は¥300,000前後で、5月30日の発売を予定している。
同社では今年4月にホームシアター用プロジェクターとして「HT3550」を発売しているが、こちらはリビングでの使用を想定しており、新製品のHT5550は映像品質にこだわる層に向けたハイエンドモデルとなる。
搭載されたDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)は0.47インチとHT3550と同じサイズだが、デバイスとしては最新世代のパネルになるそうだ。このパネルを中心とした各種機能の進化で、色再現や黒の表現についてもHT3550から改善されている。
まず色域では、アメリカの映画業界で使われているDCI-P3を100%カバーした。当然ながらハイビジョン色域のBT.709も100%カバーできているわけで、これだけの色域を確保しているのは30万円台のプロジェクターでは初めてかもしれない。
単板式DLPプロジェクターで欠かせないカラーホイールは、RGBの6分割タイプを6倍速で駆動しているのでカラーブレイキングノイズも目立ちにくい。なお今回は赤の再現性に配慮して、カラーホイールのRのエリアを若干大きくしているそうだ。
HDR再生については、HDR10とHLGのふたつの信号をサポートする。HT3550と同じくUHDブルーレイとBS 4K放送をオリジナルのまま楽しめるわけだ。
そしてHT5550でポイントとなるのが、アクティブアイリス(絞り)の機能を活用していること。入力されたHDR映像等を解析してそのシーンに最適なアイリス値を算出、さらにその絞り値で出力した時に色が不自然にならないように濃度を変えているという。これにより様々なソースでも自然な映像が実現出来るわけだ。
なお4Kの投写方式は、これまで同様にXPR高速スイッチング技術を使っているようだ。これは、時間分割で画像を投写することで、スクリーン上で4K(水平3840×垂直1260画素)解像度の映像を再現するものという。
またDLPプロジェクターを使う場合に問題だった打ち込み角については、レンズシフト機能を改良することで対応した。上下60%、左右23%をカバーしており、これなら床置き、棚置き、天吊りのどの場合でも充分使えるはずだ。
接続端子はHDMIが2系統。どちらも著作権保護技術のHDCP2.2に対応しているので、UHDブルーレイやBS4K放送も安心して楽しめる。USB Type-A端子も備えており、将来のファームウェアアップデートにはこれを使うことになる。
BenQでは、映画監督を始めとする制作者の狙った色を家庭でも忠実に再現することを目指しており、HT5550でかなりの手応えを得ているようだ。同社の2019年の自信作がどんな映像を観せてくれるか、取材でき次第改めて報告したい。
「HT5550」の主な特徴
●4K映像を再現
●HDR-PROテクノロジー(HDR10/HLGに対応)
●ダイナミックアイリス
●11枚オールガラスレンズ
●DCI-P3色域を100%カバー
●1.6倍光学ズーム+レンズシフト
●3D動画対応