Delfin Japan(デルフィンジャパン)は4月24日、都内で会見を開き、新たにオーストラリアのオーディオブランドnuraの取り扱いを開始し、同社のワイヤレスヘッドホン「nuraphone」を4月27日から販売すると発表した。価格は¥50,926(税別)。
nuraは2016年創業の新興ブランドで、医療用の技術――新生児の聴力検査(耳音響放射の検査)――を援用して、ユーザーの耳の(聞こえ方の)状態を測定することで、個人個人に合わせた(パーソナライズ)した音響特性で音楽を楽しめるヘッドホン「nuraphone」を開発。そのユニークな技術が評価され、昨年のCES2018を含め、世界中でさまざまな賞を獲得。今年、Delfin Japanによって正式に日本でリリースされることになった。
発表会に登壇した同社CEO Dragon Petrovic氏によれば、その測定は、東京に居て、富士山頂に石を置いた音を聴くぐらいの難易度だそうで、製品化への道のりは、測定機能の実装が一番の難関だったという。
nuraphoneは、オーバータイプの密閉型ヘッドホンと、カナル型のイヤホンを合体させたような形状が特徴であり、それによってパッシブな遮音性を高めているという。
ヘッドバンドやハウジングは金属製(ステンレス)で手触りもよく、イヤーパッド(シリコン素材)は、シープスキンのような感触で、装着性も高い(+遮音性もよい)。
本体に電源ボタンはなく、頭部に装着すると自動で入るようになっている。細かいスペックは明かされていないが、Bluetoothの対応コーデックはaptX HDをサポートし、内蔵バッテリーは最大20時間の使用が可能だという。有線接続にも対応する。
なお、パーソナライズは無料の「nura app」で行ない、アプリはiOS、Android、両OSに対応している。
測定は簡単で、ヘッドホンとデバイス(スマホ、あるいはタブレット)をBluetoothで接続。アプリを起動して、パーソナライズを実行するだけ。確実に装着されているかもアプリ上で確認でき、その後、電子音のようなサウンドを1分ほど聞くと、自分の耳の測定が完了。円形グラフにその特性が表示される。
結果の表示についてはあまり細かい部分は明かしてくれなかったが、円の12時の位置から時計周りに周波数を表し(20Hz~20kHz)、形状が角のように出っ張る部分が、そのユーザーによく聴こえている周波数になるという。
筆者の場合は、ちょうど2時のあたり(低域)がよく聴こえているようで(写真参照)、パーソナライズをオンにすると、まずは音場感が広がり、同時に後頭部に重心のあったサウンドが、目の奥ぐらいの位置まで上がってきた印象となった。同時に帯域バランスが整って、特に中低域が少し抑えられているようで、高域へかけてのクリアネスが劇的に向上するように感じた。
なお、本製品は4月27、28日に中野サンプラザで開催される「ヘッドフォン祭」の中の、オーディオビジュアル評論家野村ケンジ氏が開くイベント内(4/28)で、試聴デモが行なわれる予定という。
また、年末(年度末?)には、イヤホンタイプの製品の発売も予定されているそうだ。