アマゾンから、自宅で音楽を高品質に楽しむシステムが2モデル発表された。どちらも「Amazon Echo」や「Amazon Echo Dot」などのアマゾン用スマートスピーカーと組み合わせて使うアイテムで、型番は「Amazon Echo Link」(¥24,980、税込)と「Amazon Echo Link Amp」(¥36,980、税込)だ。両モデルとも本日からアマゾンのサイトで販売されている。
Echo Link、Echo Link Ampとも、正面にボリュウムノブのみを備えたシンプルなデザインを採用する。メタルブラックの筐体は、実際に触ってみてもかなりしっかりとした仕上げで質感もいい。本体サイズはEcho LinkがW115×H70×D135mmほど、Echo Link AmpがW215×H85×D240mmほどだ(どちらも編集部の実測値で、端子も含む)。
その機能は、Amazon Musicなどの音楽ストリーミングの再生はもちろん、背面に入力端子が設けられ、CDプレーヤーやBDレコーダーなどをつないでプリアンプ(Echo Link Ampはプリメインアンプ)として使えるようになっている。
これまでAmazonのスマートスピーカーで音楽を再生する場合、EchoやEcho Dotの内蔵スピーカーで音を鳴らすのが普通だった(ソースはAmazon Music)。
しかしそれらの内蔵スピーカーはモノーラル仕様なので、音楽をステレオで楽しむことはできない。ヘッドホンジャックにアクティブスピーカーをつなげばステレオ再生はできるけれど、CDプレーヤーやMP3プレーヤーをつないで音楽を再生しようと思うと、つなぎ替えが必要で操作も煩雑になる。
それらをスマートに解決するのが今回のEcho Link、Echo Link Ampというわけだ。両モデルの違いは先述した通りEcho Linkがプリアンプ、Echo Link Ampはプリメインアンプという点くらいで、機能面では同一となっている。
さて今回、Echo Linkの取材機が準備できたので、Echo Dotを使っている環境に追加して音楽ソースを試聴してみた。
セットアップは比較的簡単で、既にスマホにAlexaアプリがインストールされていれば、Echo Dotと同じ要領でデバイスにEcho Linkを追加すればいい。注意したいのはEcho DotとEcho Linkを同じスマートホームグループに入れることと、そのグループでメインスピーカーとしてEcho Linkを指定しておくことくらいだ。
こうしてアプリ上でEcho Linkが正しく認識されれば、音楽再生が可能になる。Amazon Musicを再生するなら、Echo Dotに「アレクサ、音楽をかけて」と命令すればいい。旬のクイーンをリクエストしてみたところ、期待通り「ボヘミアン・ラプソディ」から再生してくれた。
続いて背面の入力端子にCDプレーヤーの出力をつないでCDを再生する。Echo Linkには入力切り替えスイッチはないが、信号が入ると自動的に入力を選んでくれるので心配ない。なおアナログとデジタル(光、同軸が各1系統。今回は同軸デジタルを使用)の両方に同時に信号を入れてみたら、デジタル信号が優先された。
今回はEcho Linkに小型アクティブスピーカーをつないでいるが、音の傾向としてはソースに忠実で、Echo Link側で演出を加えているといった印象はない(Amazon Musicでは、ソースによっては低域が強めに感じることもあった)。
一方のCD再生では、女性ボーカルの声が優しく、聴きやすい。もうちょっと高域の余韻が欲しいという気もするが、組み合わせたアクティブスピーカーがフルレンジの小型モデルだったので、ここは仕方ないだろうか。
どうしても気になる場合は、Echo Link Ampでお気に入りのスピーカーを鳴らしてみるといいだろう。こちらは60W×2のデジタルパワーアンプを内蔵しており、それなりのボリュウムも出せるはずだ。
最近はリビングにオーディオシステムを置いていない家庭がほとんどで、ストリーミングの音楽再生にもスマートスピーカーを使っているケースも多いと聞く。でもBGMであったとしても、きちんとステレオスピーカーで音楽を聴いて欲しいし、その場合にEcho LinkやEcho Link Ampは有用な回答になるはずだ。
またオーディオビジュアル的な使い方として、テレビのヘッドホン出力をEcho LinkやEcho Link Ampのアナログ入力につないで、テレビの音を強化するツールとして使ってみるのもいいだろう。テレビがアレクサで操作できる機種だったらボリュウムも音声で調整できるから、使い勝手も問題ないはず。テレビを観ない場合はAmazon Musicで音楽を楽しめるのだから、リビングシアター用途にはうってつけだ。