Netflixとソニーは11月30日、共同で会見を開き、ソニー製テレビに搭載されている「Netflix画質モード」に関する説明会を行なった。
現在、ソニーから発売されている4Kブラビア MASTER Seriesの「A9F」シリーズ(有機EL)と「Z9F」シリーズ(液晶)には、先述した「Netflix画質モード」が搭載されており、本説明会では、両社の協業の流れや、画質・コンテンツに対する考え方などが話された。
まずは、Netflixのバイス・プレジデント デバイス・パートナーエコシステムのスコット・マイラー氏が登壇し、Netflixが考えるコンテンツ提供のキーポイントを説明。現在、同社のストリーミングサービスは、世界190ヵ国に展開しており、会員は1億3000万人を超えるという。そうしたユーザーに対して、クォリティの高いコンテンツを簡単(手軽)に届けることが彼の仕事になるそうで、そのための方策として掲げていることの一つが「利便性」であるという。中でも、ネット接続可能なスマートTVでの(Netflixの)視聴は増えてきているそうで、日本ではその比率が50%に上るといい、これは、スマホ視聴の倍の数字になるそうだ。
そして、もちろんのことながら、コンテンツのクォリティも大切であり、同社では2015年よりHDRコンテンツの配信を開始しており、現時点でHDRコンテンツは400時間、4Kコンテンツは2000時間分のラインナップを揃えているそうだ。
その両輪を以て、ユーザーにコンテンツを届けてきたが、今回さらに、クリエイターの意図を視聴(再生)映像に反映させるために、ソニーと協業を行ない、同社のTVに専用モードを搭載するに至ったのだという。
続いて、ソニーからはソニービジュアルプロダクツ TV事業部の主幹技師 小倉敏之氏が登壇。氏は、映像関連の新規技術の開発や立案、実行などを担当しているそうで、ソニーの掲げる「レンズtoリビング」(ソニーグループ全体では、業務用から家庭用の各種機器までを網羅しており、映像制作の現場=レンズから、家庭での視聴=リビングまで、一貫してさまざまなサービスを展開する)に沿って、感動を届けることを理念にしており、映像に関しては、放送波やディスクからもたらされる信号の「忠実な再生」を一歩進め、クリエイターの「意図を再現」するために協業を行ない、「Netflix画質モード」に結実させたのだという。詳しくは非公表とのことだが、コンセプトとしては、クリエイターの意図する映像の「風合い」や「雰囲気」の再現・再生を狙ったモードになるという。
続いては、Netflixの今冬一押しのコンテンツ「クリスマス・クロニクル」のプロデューサークリス・コロンバス氏が登壇。今回の「Netflix画質モード」が実現する家庭での映像体験について「25年にわたって映画制作に携わってきた中でも、まさに革命と呼べるほどのもので、我々が意図した通りの映像を見せてくれる、素晴らしい技術だ!」と大絶賛。これまでのテレビでは、彼の意図した映像がうまく再現できていない場合も多く「ストレスがたまった」そうだが、本モードが作り出す映像を見て「夢が叶った」と満面の笑みで語っていた。