新4K8K衛星放送のスタートまであと5日。前回ぎりぎりのタイミングで単体4Kチューナーについて紹介したところ、予想以上のアクセスをいただきました。皆さん新4K8K衛星放送に関心を持っているんですね。ということで、今回は<その3>に続いて4K放送受信機器の解説をお届けします。

 前回は単体4Kチューナーの仕様や、テレビ/プロジェクターにつないだ場合に出力される信号の違いについて紹介しましたが、その他にも単体4Kチューナーの接続で気をつけておきたいことがあるんです。

4Kチューナーは、最初につなぐ!

 その第一はアンテナケーブルをつなぐ順番について。

 本連載でも繰り返し紹介してきましたが、新4K8K衛星放送では右旋と左旋の2種類の電波を使っています。そのためにすべての4Kチャンネルを観ようと思ったら、右旋左旋対応のアンテナやブースター、分配器が必要ということもお話ししました。

 具体的な数値を挙げると、右旋電波では2150MHzまで、左旋電波ではさらにその上の3224MHzまでの帯域を使って放送しています。ということは、右旋左旋対応アンテナを使っている場合は3224MHzまでの信号がアンテナ線経由で送られてくることになります。

 ここからがポイントで、従来の2KのBS/110度CSチューナーを搭載したレコーダー等は右旋帯域しか使わないので、3224MHzまでの信号が入力されても、2150MHzから上の帯域はカットします。

 ということは、せっかく右旋左旋対応アンテナ環境を準備しても、途中にそれらのレコーダーをつなぐと、その後には信号が伝わらないのです。これはもったいない! なので、新4K8K衛星放送機器(チューナーやテレビ、レコーダーとも)は、何はともあれ最初につなぐように心がけましょう。

 が、ここでもうひとつ気をつけたいのが、単体4Kチューナーの多くが、アンテナ出力を持っていないという点です(各モデルの詳細は記事後半を参照)。そういった製品を使う場合、分配器(もちろん『SH』マーク付き)の準備をお忘れなく。でないと2Kの放送が観られなくなってしまいます。

映像・音声はHDMIからしか出力されない

 単体4Kチューナーを使う場合のもうひとつの注意点は、映像・音声出力がHDMI端子1系統しかないこと。これは8モデルとも同じで、デジタル音声(光、同軸)やアナログ音声出力もありません。

 もちろんテレビに直結して使うには何ら問題はないんだけど、そうすると音声はテレビ内蔵チューナーで聴くことになります。でもせっかく4K映像に組み合わせるのなら、外部スピーカーなどで迫力ある音を聴きたいと思うのはオーディオ&ビジュアルファンとしては当たり前。

 またプロジェクターユーザーの場合は別途オーディオシステムが必須で、HDCP2.2&4K/60p(できればHLGも)のパススルーが可能なAVセンター(AVアンプ)を使うことになります。これはテレビ用のサウンドバーでも同じです。

 これらのパススルー機能を備えたAVセンターは3〜4年前から発売されていますが、微妙なタイミングの製品をお使いの方は(テレビの入力端子と同様に)、細かい仕様を必ず確認してください。

 というのも単体4Kチューナーの出力を、4K/60p/HDCP2.2に対応していないAVセンター経由で、4K/60p/HDCP2.2対応のテレビにつないだら、4Kチューナーからは2K/60p/SDRに変換された映像が出力されるからです。

 もちろん音をはきちんと再生されますが、映像については前回のテレビと同様に、一端2Kに変換してからテレビで4Kにアップコンバートしたものを観ている可能性が大。システムが複雑になるとこんなトンデモな事態もありえますので、ご用心を。

 この組み合わせの場合は、単体4Kチューナーと4K対応テレビをHDMIケーブルで直結し、テレビからアンプに音声を(光デジタルやアナログケーブルなどで)つなぐのがお薦め。その上で、後々AVセンターのグレードアップをご検討下さい。

 ちなみに4Kチューナー内蔵BDレコーダーについては、シャープ製、パナソニック製ともBS/110度CSデジタルのアンテナ入出力端子と、セパレート式のHDMI端子(映像、音声を別々に出力できる)を搭載済みなので、先述したような心配は無用です。その詳細は次回で報告しましょう。

単体4Kチューナーの仕様

画像: DXアンテナDIR4000 市場想定価格3.5万円前後 ●アンテナ入力:BS/110度CSデジタル×1、地上デジタル×1 ●アンテナ出力:なし ●HDMI出力:1系統 ●USB端子:1系統 ●LAN端子:1系統

DXアンテナDIR4000
市場想定価格3.5万円前後
●アンテナ入力:BS/110度CSデジタル×1、地上デジタル×1
●アンテナ出力:なし
●HDMI出力:1系統
●USB端子:1系統
●LAN端子:1系統

画像: アイ・オー・データHVT-4KBC 市場想定価格3.5万円前後 ●アンテナ入力:BS/110度CSデジタル×1 ●アンテナ出力:BS/110度CSデジタル×1 ●HDMI出力:1系統 ●USB端子:1系統 ●LAN端子:1系統

アイ・オー・データHVT-4KBC
市場想定価格3.5万円前後
●アンテナ入力:BS/110度CSデジタル×1
●アンテナ出力:BS/110度CSデジタル×1
●HDMI出力:1系統
●USB端子:1系統
●LAN端子:1系統

画像: マスプロDT814 市場想定価格3万円台前半 ●アンテナ入力:BS/110度CSデジタル×1 ●アンテナ出力:BS/110度CSデジタル×1 ●HDMI出力:1系統 ●USB端子:1系統 ●LAN端子:1系統

マスプロDT814
市場想定価格3万円台前半
●アンテナ入力:BS/110度CSデジタル×1
●アンテナ出力:BS/110度CSデジタル×1
●HDMI出力:1系統
●USB端子:1系統
●LAN端子:1系統

画像: パナソニックTU-BUHD100 市場想定価格3万円台前半 ●アンテナ入力:BS/110度CSデジタル×1、地上デジタル×1 ●アンテナ出力:なし ●HDMI出力:1系統 ●USB端子:1系統 ●LAN端子:1系統

パナソニックTU-BUHD100
市場想定価格3万円台前半
●アンテナ入力:BS/110度CSデジタル×1、地上デジタル×1
●アンテナ出力:なし
●HDMI出力:1系統
●USB端子:1系統
●LAN端子:1系統

画像: ピクセラPIX-SMB400 市場想定価格3.3万円前後 ●アンテナ入力:BS/110度CSデジタル×1、地上デジタル×1 ●アンテナ出力:なし ●HDMI出力:1系統 ●USB端子:1系統 ●LAN端子:1系統

ピクセラPIX-SMB400
市場想定価格3.3万円前後
●アンテナ入力:BS/110度CSデジタル×1、地上デジタル×1
●アンテナ出力:なし
●HDMI出力:1系統
●USB端子:1系統
●LAN端子:1系統

画像: シャープ4S-C00AS1 市場想定価格3.2万円前後 ●アンテナ入力:BS/110度CSデジタル×1 ●アンテナ出力:BS/110度CSデジタル×1 ●HDMI出力:1系統 ●USB端子:1系統 ●LAN端子:1系統

シャープ4S-C00AS1
市場想定価格3.2万円前後
●アンテナ入力:BS/110度CSデジタル×1
●アンテナ出力:BS/110度CSデジタル×1
●HDMI出力:1系統
●USB端子:1系統
●LAN端子:1系統

画像: ソニーDST-SHV1 市場想定価格5.5万円前後 ●アンテナ入力:BS/110度CSデジタル×1、地上デジタル×1 ●アンテナ出力:BS/110度CSデジタル×1、地上デジタル×1 ●HDMI出力:1系統 ●USB端子:2系統(HDD接続用は1系統) ●LAN端子:1系統

ソニーDST-SHV1
市場想定価格5.5万円前後
●アンテナ入力:BS/110度CSデジタル×1、地上デジタル×1
●アンテナ出力:BS/110度CSデジタル×1、地上デジタル×1
●HDMI出力:1系統
●USB端子:2系統(HDD接続用は1系統)
●LAN端子:1系統

画像: 東芝TT-4K100 市場想定価格4万円前後 ●アンテナ入力:BS/110度CSデジタル×1、地上デジタル×1 ●アンテナ出力:BS/110度CSデジタル×1、地上デジタル×1 ●HDMI出力:1系統 ●USB端子:2系統(HDD接続用は1系統) ●LAN端子:1系統

東芝TT-4K100
市場想定価格4万円前後
●アンテナ入力:BS/110度CSデジタル×1、地上デジタル×1
●アンテナ出力:BS/110度CSデジタル×1、地上デジタル×1
●HDMI出力:1系統
●USB端子:2系統(HDD接続用は1系統)
●LAN端子:1系統

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