知英が主役を務めた日米合作映画『殺る女』が、10月27日よりシネ・ルーブル池袋ほかにて全国公開となる。近年では、出演作も多岐にわたり、女優としての成長も著しい彼女が演じるのは、心に大きな傷を負った殺し屋・愛子。クールな表情とハードなアクションを両立させた、凄みをも感じさせる見事な演技を披露している。公開に先駆けて、愛子を演じた心境を聞いた。

画像1: 知英/ハードアクション全開の『殺る女』で、クールな殺し屋を熱演。「セリフのない役に苦労しましたけど、私の全てを出し切りました」

――出演おめでとうございます。決まった時の感想は?
 ありがとうございます。殺し屋のオファーをいただいたのが不思議で、私って殺し屋のイメージがあるのかなと思って、顔合わせの時に監督に質問しちゃいました(笑)。そうしたら、「いままでアイドルとしてたくさん笑顔を見せてくれましたけど、きっとその裏には、悲しみや闇があって、こうした役は絶対にできると信じてオファーしました」という返事をもらったんです。そういう風に見て下さる方がいるのがうれしかったですし、こういう役にチャレンジできるのも有りがたかったです。

――出演したことで……
 女優として、大きな経験になりましたね。ほとんどセリフも感情もない(表に出さない)役だったので、どういう風に演じればいいのかというのは、すごく悩んだところなんです。そこは監督とも多く話し合った部分ですし、たくさんアドバイスをいただきながら、いい関係のもとで撮影ができました。

画像2: 知英/ハードアクション全開の『殺る女』で、クールな殺し屋を熱演。「セリフのない役に苦労しましたけど、私の全てを出し切りました」

――ところで、監督が言っていた知英さんの闇は引き出されたのでしょうか?
 どうでしょうね(笑)。観て下さった方が、そう感じてもらえたなら、出せたんじゃないでしょうか?

――話は戻りまして、愛子の役づくりについて教えてください
 さきほどもお話ししたように、感情を出さないので、ロボットみたいに何も感じない人間を演じようと思ってやりました。ある意味、精神的に壊れている感じでしょうか。でも、そうなった原因(トラウマ)も本編では描かれていたので、なぜ愛子はこうなってしまったのかという部分を掘り下げながらお芝居をしましたので、やりやすくはありました。

――部屋にも、住人(愛子)の色が表現されていました。
 ベッドすらないという、本当に何にもない部屋でした。ただ、鳥を1羽飼っていて、それは監督の意図なのかなって思いましたね。人間には心を開かない愛子ですけど、心の奥底では鳥のように自由になりたがっていた、と。

――ロボットというか、冷徹な雰囲気はどのように作っていきましたか?
 まずは、愛子の悲しみを理解できないと演じられないと思いました。目の前で両親が殺される悲しみはもう、言葉にできないぐらい辛かったんだろうなって。それから、殺し屋になるまでにどんな日々を送ってきたんだろうとか、なぜ復讐したいと思ったのかなどを、自分なりに想像していきました。

――見事(?)、殺し屋となって、ガンアクションも全開でした。
 ガンアクションについては、構え方が自然で、いかにも使い慣れているプロの感じを出したかったので、現場ではかなり練習しました。(肉弾)アクションのほうは、痛くても痛い風を見せないように気を付けながら、やりました。

――後半のとあるシーンで、愛子の心情にも変化の兆しが見え始めてきます。
 子供のころに両親を殺されて、泣きはらして、涙は枯れてしまったと思っていたけど、ある事件に遭遇したことで、失くしたと思っていた感情が呼び起こされて……。そこはもう、素直に悲しんでもいいんじゃないかって感じたところです。

――それは、ラストシーンへの布石のようにも感じました。
 そうですね。そこに至るまでに明らかになる伏線の応えで、驚きと悲しみとやるせなさが倍増されると思うので、愛子の置かれた境遇への共感も増すんじゃないでしょうか。

画像3: 知英/ハードアクション全開の『殺る女』で、クールな殺し屋を熱演。「セリフのない役に苦労しましたけど、私の全てを出し切りました」

――ラストシーンはいかがでしたか?
 そのシーンにはちょっとしたトリックがあるんです。気づかれる方もいるかもしれませんので、よーく観察してほしいですね。でも、あまり言うとネタバレになってしまうので控えますが、再び過去の自分と対峙することになるんです。その苦しみを克服できるかどうかがポイントです。

――監督からの指示は?
 現場で台本が大きく変わっていったので、撮影はたいへんでした。監督からは、(感情を)爆発させてくださいって言われたので、私が愛子だったらこうするかもっていう雰囲気で、全部をぶち壊す感じでやりました。よかったですとほめていただけて、よかったです。ほとんどが、現場で生まれたシーンです。

――ところで、エンディング直前にはお遊び(?)的なシーンもありました。
 あれを見たら、どうなるんだろうって気になりますよね。ただ、観た方それぞれが受け取ったものでいいんじゃないでしょうか?

――現場では、武田梨奈さんとは会っていないんですね。
 そうなんです(10/3の舞台挨拶が初めまして)。でも、映像を観る限り、タイトルにぴったりな役だなって思いました。冒頭のたばこを吸うシーンから雰囲気がありましたし、やがて来る衝撃的な展開にも、ゾクッとしました。

――二人が戦うシーンも観たかったです。
 ですねっ。出会えればよかったと思いました。

『殺る女』

10月27日(土)より、シネ・リーブル池袋ほか全国公開
<キャスト>
知英
武田梨奈
駿河太郎、篠原篤 ほか
<スタッフ>
監督・脚本:宮野ケイジ
制作:ストームピクチャーズ
制作協力:アトリエ羅夢
配給:プレシディオ
宣伝:MUSA
製作:岡本東郎、五十嵐匠、藤巻典敏
(C)2018「殺る女」製作委員会
公式サイト http://yaruonna.com/

知英 http://sweetpower.jp/sweetpower/jiyoung/

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