ハイエンドDAC「DAVE」との組み合わせを想定したステレオパワーアンプ
英CHORD(コード)から、ステレオパワーアンプ「Etude」とDAC/ヘッドホンアンプ/プリアンプ「Hugo TT 2」が今秋に発売される。価格はそれぞれ¥700,000前後(予価)となる。
Etudeは、同社Choralシリーズのステレオパワーアンプで、「Mezzo 75」の後継となるモデル。同社「Blu MkII」(CDトランスポート)&「DAVE」(DAC)との組み合わせを想定した製品となる。
特徴としては、DAVEの持つ高速応答性(トランジェント性能)、高S/N、低歪といったプリアンプの特性をダイレクトにスピーカーに伝えるために、同社のパワーアンプとして初めて「フィードフォワードテクノロジー」を採用した点にある。
これは、一般的回路構成で用いられるネガティブフィードバック(信号処理の結果を受けて補正を行なう)に対して、起こりうるエラーを事前に予測して信号に折込み、実際に起きたエラーと逆相で合成することで、理想的な信号特性を得る、という仕組みとなる。
結果として、DAVEの持つ高速応答性に的確に反応するパワーアンプに仕上がったという。従来比で10倍のスルーレート(応答速度)を持ち、100kHzという超高域の矩形波(パルス信号)も、完全に再現する能力を持っているそうだ。
出力は150W+150W(8Ω)で、ブリッジ接続でモノーラルパワーアンプとして使えば300W(8Ω)の出力を得ることができる。
ちなみに、Etudeには、Blu MkIIやDAVEと同じスタンド(足)が装着でき、3製品を3段に重ねた設置が可能。
【Etudeの主なスペック】
・出力:150W+150W(8Ω)
・接続端子:アナログ音声入力×2(RCA、XLR)、スピーカー出力×2
・寸法:W340×H150×D145mm
「Hugo TT 2」はタップ数を大幅に向上。768kHz、DSD512に対応するハイパフォーマンスDAC
Hugo TT 2は、小型のDAC/ヘッドホンアンプ「Hugo TT」の後継モデル。TTとはTable Topの略で、バッテリーを内蔵するポータブルタイプの「Hugo 2」に対して、据置に特化したモデルという意匠だ。
DACアルゴリズムはTTに比べて大幅に進化しており、フィルタータップ長(演算処理)は98,304を実現(TTのおよそ3.7倍)。時間単位の分解能は81ナノ秒であり、人間の耳が判別できるとされるマイクロ秒のオーダーをはるかに超える能力を持っているそうだ。
今回のHugo TT 2にはバッテリーを搭載しない分、電源/出力部の強化が図られており、プリアンプでありながら、スピーカー駆動も可能な仕様となっている点も注目される。
筐体は、アルミニウム削り出しによるシャーシは継承しており、寸法もW235×H46×D223mmと、TTとほぼ同じ(奥行が2mm短くなった)。ボリュームノブは、機器を重ねたり、ラック収納時にも使いやすいように、前面に移動された。
対応サンプリング周波数は、PCM系では768kHz/32bit、DSD系はDSD512(22.4MHz)。
接続端子は、デジタル音声入力5系統(USBタイプB×1、光×2、BNC同軸×2)、アナログ音声出力2系統(RCA、XLR)、ヘッドホン出力3系統(6.3mm標準ジャック×2、3.5mmステレオミニ×1)を装備する。将来のための予備端子として、デュアルBNC DX出力も備えている。
Hugo TT 2用のスケーラー、パワーアンプもサプライズ発表
なお、CHORDからは、今回のEtude、Hugo TT 2の発表と合わせ、「Hugo M-Scaler」、及び「TTobby」のサプライズ告知も行なわれた。
Hugo M-Scalerは、いわゆるアップサンプラーであり、Blu MkIIに搭載されているMスケーラーを単体化したもの(スペックは異なる)。入出力ともにデジタル信号にのみ対応するD/Dコンバーターだ。
接続端子は、USB、BNC、光を持ち、シングルBNC出力では192kHzまで、デュアルBNC出力では768kHzまでのサンプリングレートに対応する。パススルー出力も可能だ。なお、将来的にはボリューム機能、フィルター特性の変更機能も実装する予定だという。
TTobbyは、Hugo TT 2用のアナログパワーアンプで、DAVEに対するEtude的な位置づけとなるそうだ。Hugo M-Scaler+Hugo TT 2+TTobbyによるシステム構築も楽しめる。
現状では、Hugo M-Scaler、TTobbyの発売時期、および価格は未定となっている。
問合せフォーム:タイムロード
https://www.chordelectronics.jp/contact/