マランツから、SACD/CDプレーヤー「SA-12」、プリメインアンプ「PM-12」が7月中旬に発売される。価格はそれぞれ¥300,000(税別)。
SA-12、およびPM-12は、フラッグシップモデル「SA-10」、「PM-10」のエッセンスを取り入れた新世代の製品。
SA-12は、SA-10の開発で得られたノウハウや搭載パーツなどを継承しており、ディスクドライブ部は、SA-10と同じメカニズム「SACDM-3」を搭載し(一部変更はあり)、高精度の読み取りを実現している。
そしてDAC周りについてもSA-10と同様に、マランツオリジナルの回路を搭載。これは、前段にデジタルフィルター「MMM-Stream」、後段にD/Aコンバーターの「MMM-Conversion」からなり、両者を分離(ディスクリート)することで、高周波ノイズによる影響を低減させる構成としている。
もちろん、そこに採用されるパーツには高品位なものを厳選しており、これはD/A部を自社開発しているからこそ可能な組み合わせになるのだという。
ちなみにクロックには最新世代のクリスタルを搭載しており、SA-10に比べてノイズレベルも15dB低減させているそうだ。
その他、トランスやコンデンサ、トランジスタなどのパーツについても、リスニングテストを繰り返して選択、あるいは完成させたものを搭載している。トランスはフラッグシップSA-10とコアサイズが同等であり、アンプにも使えるほどの容量があり、ゆとりのある電源供給を可能にしている。
アナログ音声出力端子についても、純銅削り出しのピンジャックを採用し、さらに、(銅の)高い伝導性を活かすために、通常メッキは2層行なうものを、1層に変更するなど、こだわりの仕様となっている。
なお、対応サンプリング周波数は、PCM系では384kHz/32bit、DSDは11.2MHz(ASIOドライバーによるネイティブ、およびDoP再生)をサポートする。
寸法/質量は、W440×H123×D419mm/16.4kg。
プリメインアンプのPM-12も、SA-12と同様に、フラッグシップPM-10のノウハウやパーツを踏襲した構成となっている。
ただし、ボディサイズはPM-10に比べるとかなりの薄型となるPM-14に近い寸法が計画に盛り込まれていたそうで、内部の配置をどうするかには、多くの時間を割いたのだという。というのもPM-10の開発では、パーツ搭載位置の変更によって音(音質)が大きく変わってしまったため、その調整(試行錯誤)にかなりの時間を要したから。しかし、PM-12ではそこで得たノウハウを元に設計を進めることができ、結果たどり着いたのが、アンプモジュールとスピーカーターミナルのダイレクト接続であった。
PM-12のパワーアンプ部には、HYPEX製のモジュール「NC500」が採用されており、これを横置きとし(高さが低くなる)、通常はモジュール=スピーカーターミナル間はワイヤーで接続されるのが一般的だが、これを直接つなげてしまう、という手法をとった。
この実現のためには、製品組み立て時の精度がより求められることになるそうで、マランツではその対応策として、組み立ては国内で、さらに専用の組み立てツール(治具)を開発して、精度を持たせた組立工程を実現させたのだという。結果、ダンピングファクターはPM-10比で2倍以上の値(低音が引き締まる)を実現した。
なおPM-12では、先述の通り、パワーアンプにHYPEX製のモジュールNC500を採用することで、パワーアンプブロックをより小型化でき、空いた空間をプリアンプの音質向上に振り向けた。電源には従来の4倍の電源供給能力を持つ専用品(トランス)を搭載したり、新開発のプリアンプ回路を配置するなど、より音質を優先した設計を施している。
その他、MM/MC両方式に対応する新開発のフォノイコライザーの搭載、アナログ音声入力用のピンジャック(CD、フォノ2系統)はSA-12同等の純銅削り出し品を採用するなど、音質にこだわったパーツ、仕様としている。
出力は100W+100W(8Ω)、寸法/質量はW440×H123×D453mm/15.3kgとなる。
マランツ
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ニュースリリース
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