ウエスギの最新パワーアンプであるU・BROS120RX。全段バランス増幅回路、OTL設計+マッチングトランスの構成で前世代機U・BROS120Rを刷新した意欲的な真空管パワーアンプだ。1972年に登場したウエスギ研究所の初号機UTY1に由来するホワイト&ブラックのカラーリングを施した特別仕様U・BROS120RX Limited Editionをステレオサウンドストアで限定頒布する。そのアウトラインの紹介と、上杉研究所の藤原伸夫氏による開発記「マイ・ハンディクラフト」特別編を、Part1/Part2の2部構成でお届けする。

藤原伸夫

フルバランス増幅がもたらす緻密な表現力。真空管式OTLアンプを彷彿させる音色の瑞々しさと、ハイパワーアンプとしてのエネルギー感

ウエスギのビーム管KT120ハイパワーアンプ第3世代・進化形

 惜しまれつつ118号(2025年10月)をもって30年の印刷媒体の役目を休止した季刊『管球王国』は、主たる活動の舞台をWebに変えました。本稿は従来の『管球王国』「マイ・ハンディクラフト」企画に寄稿する内容ですが、Web媒体の特徴であるカラー画面による詳細かつ鮮明な情報に基づく開発記、よりわかりやすい技術紹介を心がけて参ります。

 当社、上杉研究所では、プッシュプル真空管パワーアンプの可能性を追求し、1950年代前半に開発されたサークロトロン(Circlotron)回路を現代に甦らせたウエスギU・BROS120を2014年に製品化し、その後にU・BROS120Rに発展させて、ハイパワー真空管パワーアンプ定番モデルとしてご好評をいただきました。

 さらに、2024年末に送り出した真空管式OTLパワーアンプU・BROS333OTLは、サークロトロン回路の特徴を遺憾なく発揮させた重要な展開例でありました。この開発過程で得られた知見を動員したパワーアンプが、本機U・BROS120RXです。本機はインピーダンス800Ωのスピーカー用フルバランス動作の真空管式OTLアンプを基本とし、このアンプに10:1のインピーダンスマッチングトランスを組み合わせた構成が最大の特徴です。U・BROS120シリーズの変遷は第1表をご参照ください。

第1表 U・BROS120シリーズの変遷

画像: ウエスギのビーム管KT120ハイパワーアンプ第3世代・進化形

2014年に登場したU・BROS120はウエスギ・アンプとして初めてサークロトロン回路を採用。本機の前世代機U・BROS120R(上写真)は、2019年にU・BROS120を刷新して登場した。ドライバー回路に新しく6CG7を採用し、出力は75Wから90Wに増強。新規構造に改めた出力トランスの搭載で低域のパワーバンドウィズス特性が30Hz(75W)から15Hz(90W)に拡大された。

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