『管球王国』115号「マイ・ハンディクラフト」企画で上杉研究所 藤原伸夫氏は6C33C-B・OTLモノーラルパワーアンプ、ウエスギU・BROS333OTL Limited Editionを発表。全段完全バランス構成で出力40Wを持つ注目機だ。

軍用管6C33C‐Bの質実剛健の姿形も開発意欲を喚起。フルバランス、サークロトロン出力段の管球式OTL。生命感に溢れて、遮るものがない開放感は異次元

画像1: 軍用管6C33C‐Bの質実剛健の姿形も開発意欲を喚起。フルバランス、サークロトロン出力段の管球式OTL。生命感に溢れて、遮るものがない開放感は異次元

 フロントビュー。写真はアンプ使用時の装着が必須で放熱のための機能部品である真空管保護グリルを外した状態。中央が出力管の傍熱型3極管6C33C-B。ロシア製軍用管である。その左右に出力管駆動用のカソードフォロアーを構成する12AU7が見える。天板上左右のケースに、プラスサイクル用/マイナスサイクル用が独立したフローティング電源を構成する2基の電源トランスが収納される。(編集部、以下同)

 リアビュー。『管球王国』特別仕様であるLimited Editionはシャーシがパールホワイト、トランスケースが黒のレザー調塗装で仕上げられる。シャーシのリア部に、特別仕様として「UESUGI Limited Edition」のプレートが付される。位相反転回路の12AX7A、前段増幅回路を構成する12AT7と12AU7の計3本のMT管をリア側に配置。

画像2: 軍用管6C33C‐Bの質実剛健の姿形も開発意欲を喚起。フルバランス、サークロトロン出力段の管球式OTL。生命感に溢れて、遮るものがない開放感は異次元

 内部は現代的な実装/制御技術で仕上げられている。中央がCSPP(クロスシャントプッシュプル)であるサークロトロン回路を採用する出力段回路部。AB2級動作のプッシュプルOTLで、出力は40Wである。左に制御回路部、右に2,200μF/160V×4のコンデンサーで構成するフローティング電源部整流回路を展開。左右に振り分けて配置されるチョークコイルと1,800μF/250Vコンデンサーによるリップルフィルターを経てプラスサイクル用/マイナスサイクル用フローティング電源を供給する。

 トップビュー。左上がNORMAL/DIRECTのRCAアンバランスとXLRバランスの入力端子で、切替えスイッチを装備。回路は全段バランス構成で、ウエスギ・パワーアンプとして初めてXLRバランス入力端子を装備する。写真上側のMT管は左から松下電器製12AX7A、Philips ECG製12AT7、Siemens製12AU7。中央2本の真空管がOTL出力段を構成する6C33C-B。その左右のSiemens製12AU7は2ユニット・パラレルによるカソードフォロアーを構成。

 電源トランスは左にマイナスサイクル用、右にプラスサイクル用が配置される。フロント側の左にレベル調整とプレート電流バランス調整のノブを装備し、その下の4基のインジケーターが「OVER CURRENT」「OVER HEAT」「DC LEAK」「ABNORMAL OSC.」である。超高域発振の検出である「ABNORMAL OSC.」は、真空管が寿命末期に発するインパルス状のノイズを検出する効果もある。

 出力回路部の左右のヒートシンクにはNchパワーMOSFETが配置される。「FFPS(フィードフォワードパワーサプライ)」回路の制御用で、出力管プレート電圧のコントロールによって出力段のリニアリティを改善すると同時にプレート損失を33%軽減して出力管の発熱を抑える。

 フロント側に配置される電圧増幅段回路はラグ板を使ったウエスギ伝統の手配線で構成される。

 シャーシ中央の真空管保護グリルはフロント側裏面にガラスを嵌め込んで周囲4辺が閉じられ、チムニー構造によって放熱。アンプ使用時のシャーシ内温度を大幅に低下させる。アンプ使用時はグリルを装着する必要がある。

PART.2はこちらから (公開は、1月18日/12時を予定しております。)

『管球王国』115号(2025 WINTER)より

This article is a sponsored article by
''.