PROSOUND FEATURE
最大収容約8,000人のキャパシティを誇る東京屈指の巨大劇場型ホールが有明に誕生!
東京ガーデンシアター
東京ガーデンシアターは、TOKYO2020 オリンピック・パラリンピックの競技会場が多く集まる有明エリアに建設された大型複合商業施設の一角に、2020年7月にオープンした劇場型イベントホールである。
スタンディングで最大8,000人収容、着席で7000人収容という会場は、アリーナ席の周囲に3層のバルコニー席がオペラ劇場のように円弧状に配置され、ステージから最遠の席までの距離が約54mに抑えられている。どの席からもステージが見やすい立体的な客席形式は、アリーナ形式が多い類似施設と差別化されている。
今回、現地取材と関係者の方々へのインタビューの機会を得たのでここに紹介したい。
PROSOUND SPECIAL
ヒューマックスシネマ HAC SHIBUYA
今年6月、東京・渋谷にオープンした『HAC SHIBUYA』は、株式会社ヒューマックスシネマのポストプロダクション事業部(HAC 事業部)の新しい拠点となるスタジオだ。新築ビルのワン・フロアに8K/4K HDR対応の編集室とDolby Atmos Home対応のMA室を擁し、高精細映像とイマーシブ・オーディオプロダクションに完全対応。これからの時代のコンテンツ制作を見据えて設計された、カッティングエッジなスタジオとして仕上げられている。
そこで本誌では、オープンしたばかりの『HAC SHIBUYA』にお邪魔し、関係者の皆様にそのコンセプトと導入機材について話を伺った。
PROSOUND特別企画
ぶらあぼホールディングス/ロイヤリティバンクが推進するハイレゾ生配信&ハイレゾ録音
渡辺香津美デビュー50周年記念ライヴ
「フィンガー・プリンツ渡辺香津美の世界」
9月下旬、ぶらあぼホールディングス/ロイヤリティバンクが企画・監修した渡辺香津美デビュー50周年記念ライヴ「KW50 渡辺香津美 フィンガー・プリンツ渡辺香津美の世界」が、長野県「軽井沢大賀ホール」において開催された。
この公演は映像がフルハイビジョン、音声がAACと96kHz/24ビットの2種類で有料生配信され、近々192kHz/24ビットWAVファイルの音声に特化したBD-ROMがパッケージソフトとして販売される。
本稿ではぶらあぼホールディングス/ロイヤリティバンクが日本を代表するギタリストの渡辺香津美と取り組んだ、生配信と録音現場をレポートする。
PROSOUND特別企画
すべての創造者とインスピレーションを与え合う最先端プラットフォーム空間が渋谷に誕生!
LUSH HUB
今年8月、東京・渋谷に大変ユニークな施設がオープンした。『LUSH HUB(ラッシュ・ハブ)』と名付けられたこの施設は、最大収容人数150名の “STAGEエリア”と、作品や製品の展示に対応する “EXHIBITIONエリア” で構成される多目的スペース。運営会社は、Rock oN Company/ROCK ON PROや輸入代理店業務で知られるメディア・インテグレーションで、最新鋭の音響・映像・照明・配信設備が常設されているのも大きな特徴のひとつだ。クリエイター、プロデューサー、エンジニア、メーカーといった創造者のアウトプットと、オーディエンスのインプットを繋ぐ最先端プラットフォーム空間、『LUSH HUB』。本誌ではそのコンセプトを探るべく、スタッフの皆さんに話を伺った。
プロサウンド的 “設備” 検分録
劇団四季JR東日本四季劇場[春]
ミュージカルに見るコンステレーションシステム
日本のミュージカル界を代表する劇団である劇団四季は全国に常設劇場を9劇場(うち専用劇場は7館)、ほか数班の全国ツアーチームで公演を行なっています。その専用劇場のひとつ、東京JR浜松町駅近くにあるJR東日本四季劇場[春]の音響設備を取材する機会を頂きました。
現在同劇場では『アナと雪の女王』の公演が2021年の6月からロングラン上演されています。なかなか普段見ることの出来ない劇団四季専用劇場の音響設備。皆さんも興味津々ではないでしょうか!
SOUND TECHNIC
自然界におけるノイズの性質とRestorationの実際
音楽をはじめとして様々な素材に含まれる不要ノイズ修復技術(Restoration)は、音声解析技術の飛躍的な進歩とデジタル技術の貢献により格段の進歩を遂げ、現在は目的別・価格別・DAW・ハード機器対応別に多くのRestoration製品が登場しています。
筆者は、2000年以降フィールド録音を行い、UNAMAS LabelからUNAHQ 4001-4014まで14作品をNatureシリーズとしてリリースしてきました。
その過程で毎回Restorationした個々のノイズ源をデータベース化してきましたので、本稿ではRestorationソフト自体の使い方に重点を置くのではなく、各種ノイズはどんな振る舞いとスペクトラム構造で構成されているかに重点を置いて紹介しますので参考にしてください。
STUDIO ENGINEERING
WOWOWのハイレゾ・3Dオーディオ配信検証用のプレーヤー・アプリ
『ωプレーヤー』の詳細をいち早く公開
イマーシブオーディオが徐々に注目され始め、各社よりサービスが始まってきました。3Dオーディオを推し進める筆者にとっては嬉しい限りですが、WOWOWもここに一石を投じようとしています。プロサウンド2021年2月号でハクジュホールからのMQAやAURO-3Dを利用したライブ配信のレポートをしました。ごく限られた方が対象でしたが、VLCという一般の人にはなかなか使いこなしにくいフリーの動画プレーヤー・アプリを利用した実験にもかかわらず、好評を博しました。ライブ配信を終え、その感想やアンケートを集計すると、やはりVLCの扱いがネックであったことが分かり、簡単に使えるプレーヤー・アプリの開発が必要という結論に至りました。
そこで、WOWOWでは次の段階として検証用のプレーヤー・アプリを開発し、サービスの受容性について調査を行うことにしました。拙著ではそのプレーヤー・アプリと、12月中に開始しようとしているコンセプト検証実験についてご紹介したいと思います。
PROSOUND最前線
3Dマイクロフォン・テクニック
イマーシブオーディオによる音楽コンテンツが市場にもだいぶ出回ってきました。オブジェクト音をひとつひとつ3D空間に張り付けながら音楽を創造していく手法は、さまざまな3Dオーディオ制作用ツールの進歩でかなり容易になってきましたが、一方で、オーケストラのような複数の楽器が同じ空間で演奏している音をどのように3Dオーディオで収音するかという課題は、イマーシブオーディオによるコンテンツを普及させるうえでとても重要です。
筆者は、5.1chサラウンドによる音楽録音を始めた1980年代からサラウンド収音用のマイクロフォン・テクニックを研究開発し、さらに22.2マルチチャンネル音響システムの開発を始めた2000年頃から、3Dオーディオのためのマイクロフォン・テクニックを研究開発してきました。そして現在、数多くの3Dマイクロフォン・テクニックが提案され、実際に使用されています。いったいどのような3Dマイクロフォン・テクニックが提案され、使用されているかを知るうえで、とても優れた論文が、英国ハダースフィールド大学(University of Huddersfield)のHyunkook Lee准教授によって、AESジャーナルで発表されました。そこで、その論文を中心に3Dマイクロフォン・テクニックの現状をご紹介します。