
グランプリを獲得したディナウディオのスピーカーESOTAN202、その魅力とは。ここでは長谷川圭氏と土方久明氏によるレビューを紹介する。

まとまりの良いウェルバランスなサウンド
その中にディナウディオらしい情緒漂わせる
文=長谷川 圭
165mmウーファーと21mmトゥイーター、そしてパッシブネットワークからなるセット。しばらく日本市場へのデリバリーが途絶えていたディナウディオだが、新たな輸入代理店として佐藤商事が契約を締結したことで2025年から再デビューとなった。
グランプリの受賞もしていた従来モデルについてはモデルチェンジを控えていいることもあり改めて販売されることはないとのこと。新製品を今後、展開していくという。その第一弾として登場したのがEsotan202。Esotanシリーズは同ブランドの中でも求めやすい価格設定で、ラインナップ中でも最近設定された新しいラインナップだ。前身はEsotan212となる。
ひと昔前のディナウディオといえば、ユニット性能の高さは感じさせるものの簡単にはなってくれないスピーカーの最右翼で、気難しいけれどハマった時のパフォーマンスは唯一無二と言えるほど。しかし時代とともに鳴らしやすさという部分がほぐれてきた。本機においてはまとまりの良いウェルバランスなサウンドその中にディナウディオらしい情緒漂わせる音色が顔を覗かせる。端正な佇まいがこの価格で聴けるとは驚きだ。
ナビやディスプレイオーディオの内蔵アンプでもしっかりドライブできそう。だが車両の純正システムのスピーカーだけ交換というのは少しもったいない。ディナウディオらしい性能を引き出すなら、市販の上級AVナビやディスプレイオーディオと組み合わせて楽しみたい。
良い意味で分析的には利かせない音楽的に一体感のあるサウンド
音の放射特性がリニアでサービスエリアが広いことも重要な点
文=土方久明
デンマークを代表するスピーカーブランドのディナウディオが正式に日本に戻ってきた。そして、今回試聴したEsotan202は最も安価なクラスながら、初めてカーオーディオを組む人やビギナー層が喜びそうな、音色、音調のキャラクターに仕上げてあることに僕は嬉しかった。トゥイーターの周波数特性的を見る限りは、フラットに仕上げてあるが、実際のところ、オーバーオールのサウンドキャラクターは、少し陽性なサウンド傾向で、音が前面にグイグイと出てくる印象。高音域から中音域まで色彩感があり、それを力強い低音域と組み合わせている。ホリーコールは、絶対的な分解能や質感表現こそ価格相応の部分があるが、ヴォーカルの肌触りが良く、温度感が高いバックミュージックをベースに、しっかりと前面に飛び出してくる。良い意味で分析的には利かせない音楽的に一体感のあるサウンドと言えよう。低音域から中音域にかけても密度があり、「ショスタコーヴィチ 交響曲第8番」のトッティでは壮大さも良く表現できているし、何よりも音色的に楽しく迫力のある音がする。価格の割に弱音部の表現も良く、印象が良かった。本スピーカーの重要な点として、軸上から軸外にかけての音の放射特性がリニアでサービスエリアが広いことが挙げられる。限られた位置にスピーカーをインストールしなくてはいけないオーディオでは大切な要素で、これも含め、この金額で求められるスピーカーの要素を多く備えている。

ディナウディオ DYNAUDIO
Speaker
Esotec202
¥60,500(セット/税込)
SPECIFICATION
●型式:セパレート型2ウェイスピーカー
●使用ユニット:ウーファー・160mmコーン型、トゥイーター・ドーム型
●定格入力:80W
●出力音圧レベル;90dB
●再生周波数帯域:50Hz~20kHz
●インピーダンス:4Ω
●クロスオーバー周波数:3.6kHz(HPF-12、LPF-6dB/Oct)



