画像1: Auto Sound Web Grand Prix 2025:オーディソン AV K6P IIスピーカー、Silver Awardスペシャルレビュー

シルバーアワードを獲得したオーディソンの2ウェイスピーカーAV K6P II、その魅力とは。ここでは土方久明氏と藤原陽祐氏によるレビューを紹介する。

画像2: Auto Sound Web Grand Prix 2025:オーディソン AV K6P IIスピーカー、Silver Awardスペシャルレビュー

聴感上とにかくf特に乱れがない音がするスピーカー

文=土方久明

 今回受賞したスピーカーの中でも特にインパクトが強かったモデル。どのような音かといえば、聴感上とにかくf特に乱れがない音がする。誤解を承知で書くなら、ホームオーディオの世界の例えになるが、特性の優れたことで有名なモニタースピーカーメーカー、フィンランド・GENELEC社のスピーカーのような音だといえば言い過ぎだろうか。「VOCEスピーカーシリーズ」第2世代となる本機だが、このフラットな音色は、テトロンソフトドームダイヤフラムを採用したAV 1.1 IIトゥイーターと聴感上、トゥイーターとの音色のマッチングに優れた「AV 6.5P II」ウーファー。そして、クロスオーバーネットワークという3つの相乗効果だと推測される。この価格帯のスピーカーでここまでフラットな音を出せるのかと驚いた。

 そして、これらの特徴が活きてくるのがコンテストシーンでの使用だ。特に機材の価格を抑えたクラスで使用される、価格帯が低いスピーカーは、音色的な個性が良い意味でも悪い意味でも支配的になりがちで、楽曲やジャンルの得意不得意が生まれる時がある。本スピーカーは音の癖が実に良く抑えられているのでDSPの調整、もしくはアンプの個性で音をコントロールできるインストーラーであれば、派手にも忠実にも振れる。つまり出音のコントロールが可能となる。(ネットワークは、高音域と中音域のコントロールも可能で、さらに周波数特性を追い込む事さえも可能)

肌合いい質感が実に心地よく
リズム、旋律を折り目正しくていねいに再現していく

文=藤原陽祐

 オーディソンの最高峰、THESIS IIシリーズで培った技術、ノウハウを積極的に投入し、約12年ぶりのモデルチェンジを遂げたVoce IIシリーズのパッシブ型2ウェイシステムだ。AV 1.1 II(トゥイーター)とAV 6.5P II(ウーファー)組み合わせに、クロスオーバー・フィルター・モジュール、AVCX 2P TWを追加したシステムで、基本デザイン、ダイヤフラムの素材、パッケージングに至るまで、全面的に見直された意欲作だ。

 女性ヴォーカル、ピアノ、ジャズトリオと、普段から聴き慣れた楽曲を選んで聴いてみたが、明るく、開放的なサウンドというよりも、落ち着いた重厚な響きを活かした聴かせ方で、老舗ブランドの風格を感じさせる仕上がりだ。

 透明感に溢れた、鮮度の高いサウンドは、実に堂々として、軽やか。高さ方向、奥行き方向への空間描写も実に意欲的で、中域から低域にかけてのグラデーションの描きわけも滑らか、音程の変化も明確に描きだす。

 シャンティと父、トミー・スナイダーとのデュエット曲「Time After Time」では、とにかく明るく、開放化に富んだシャンティの声と、彼女を優しく包み込んで、微笑ましく歌うトミーの声のコントラストが楽しい。ブレンドされた2人の歌声にも違和感はなく、彼女のナイスな親孝行ぶりを連想させてくれる。

 スペックでは表現できない肌合いい質感が実に心地よく、リズム、旋律を折り目正しくていねいに再現していく様子も好ましい。さらに音圧、響き、スケールと、各楽器の関係が崩れることなく、等身大で聴かせてくれるあたり、やはり只者ではない。

画像1: 肌合いい質感が実に心地よく リズム、旋律を折り目正しくていねいに再現していく

オーディソン AUDISON
Speaker
AV K6P II
¥167,200(セット/税込)

SPECIFICATION
●型式:セパレート型2ウェイスピーカー
●使用ユニット:ウーファー・165mmコーン型、トゥイーター・28mmドーム型
●定格入力:150W
●出力音圧レベル:91dB
●再生周波数帯域:45Hz〜40kHz
●インピーダンス:4Ω
●クロスオーバー周波数:1.8kHz(-6dB/oct.、-12dB/oct.)

画像2: 肌合いい質感が実に心地よく リズム、旋律を折り目正しくていねいに再現していく

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